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漢方薬を使ったアトピー治療について

更新日:2017/05/26 公開日:2013/04/30

アトピーの治療に「漢方薬」という選択肢を考えていらっしゃる方も多いでしょう。そもそも漢方による治療とは、どのようなものでしょうか?またアトピーにはどのような漢方薬が使われるのでしょうか?ドクター監修の記事で解説します。

アトピーの治療によく使われる漢方薬

漢方では一般的な西洋医学とは異なる、東洋医学独自の考え方に基づいて、体の変化についてとらえていきます。 専門的に言いますと、「陰陽」「虚実」「寒熱」などという観点から、病気の原因を考えて、その治療のために適した生薬を処方することになります。

アトピーの治療でよく使われる漢方薬は何種類かありますが、代表的なものとして、広範囲な炎症とかゆみ、熱感と乾燥が強い場合に処方される白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)があります。これは津液(しんえき=体液を指す)不足を改善する作用があります。 ほか、患部がじゅくじゅくしてしまった時に処方される越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)、皮膚がどす黒く乾燥があり、熱感をともなう強いかゆみがある場合に処方される温清飲(うんせいいん)などがあります。他にも赤みを抑える消風散(しょうふうさん)、補助的に使われるものとして、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などがあります[1]。

漢方薬はステロイドのように誰にでも効くものではないため、一人一人、体質によって合うものが違います。症状や状態によっても使われる種類が異なるので、医師や専門家に相談したうえで使用しましょう。

漢方薬だけでなく、生活習慣の見直しを

アトピー性皮膚炎の原因は、長い間はっきりせず、遺伝的な要因や環境的な要因が考えられてきました。食べているもの、細菌の感染や発汗、環境に存在しているアレルギーを起こす物質、ストレスなど、さまざまな要因が複雑に絡まりあって発症していることがわかってきました。

つまり、改善のためには、単純に薬を使うだけではなく、根本的に“生活”から見直す必要があるといえます。

お菓子、ジュースなどの糖質を控えることは、腸内環境を整える観点からも欠かせません。

漢方薬についても薬の一つとして付き合うことが大切です。飲めばOKというわけではありません。体や症状に合う漢方薬を取り入れても、偏った食生活や不規則な生活の中に原因があったとしたら、そうした生活に目を向けて改善していかなければなりません。

ただし、あまりに厳しすぎる決まりを自分に課すのもNG。それがかえってストレスとなり、余計に悪化してしまうこともありえます。無理しない程度に、少しずつ見直していきましょう。

科学的に解明されつつある漢方薬の効果

近年、アトピー性皮膚炎を含む漢方の効果について、科学的に解明されつつあります。

東洋医学では、かゆみや発疹の原因を「体内に溜まった毒素」として捉え、そこにアプローチするという考え方をしますが、その「毒素」を活性酸素と捉えた研究もなされています[2]。酸性で体を老化させる“サビ”の素と言われるこの物質が多いと、かゆみや炎症がひどくなってしまうといわれています。この毒素=活性酸素を習慣的にくり返し排出することで、溜め込みにくくなり、根本的な治療につながる可能性があるのではないかと期待されているのです。さらに詳しく分かってくると、漢方薬がより使いやすくなるかもしれません。

参考文献

  1. [1]横浜薬科大学漢方和漢薬調査研究センター編. 漢方重要処方60. 万来舎 2014; 67
  2. [2]Matsubara Y, et al. Oral Administration of the Japanese Traditional Medicine Keishibukuryogan-ka-yokuinin Decreases Reactive Oxygen Metabolites in Rat Plasma: Identification of Chemical Constituents Contributing to Antioxidant Activity, Molecules 2017; 8; 22(2). pii: E256. doi: 10.3390/molecules22020256.

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