便秘薬で排便が可能になるのは、薬剤が腸に刺激を与えたり、便を柔らかくしたりするためです。そのため、身体には負担がかかることになります。その結果、服用時に腹痛や下痢が起きてしまうことがあります。また、便秘薬を常用することで腸の動きが鈍くなり、かえって便秘が慢性化・重篤化するなどの副作用が発生する可能性もあります。そのため、特に市販の便秘薬を利用する場合には、リスクをきちんと理解しておくことが大切です。
便秘薬(下剤)の種類別の副作用
便秘薬と一口にいっても、その種類はいろいろあります。種類別にどのような副作用が考えられるのか、見ていきましょう。
(1)アントラキノン系便秘薬
便秘薬(下剤)として広く用いられているセンナや、代表的な漢方便秘薬である大黄などがここに含まれます。
アントラキノン系便秘薬は、長期にわたって常用することで習慣性が生じることがあるとされています。また、妊娠中や授乳中、月経時の使用も禁忌とされています。
(2)ジフェニルメタン系
便秘の市販薬で多く用いられている、ピコスルファートナトリウムやビサコジルなどに代表される薬剤です。比較的新しく開発された成分で、刺激をソフトに抑え、自然に近い排便をもたらすのが特徴です。そのため、一般的に副作用は少なめですが、それでも副作用が皆無というわけにはいきません。もともと胃腸に異常がある人が使用した場合には、ごく稀ではありますが、腸閉塞や虚血性大腸炎といった重大な症状が出る可能性があると言われています。
(3)塩類下剤
浸透圧の高い成分を大腸に届け、腸内の水分を増やす便秘薬です。マグネシウム系の便秘薬がここに含まれます。腎臓に疾患を抱えている人はマグネシウムが溜まりやすいため、高マグネシウム血症を引き起こす危険性があります。また、心臓病の人も心不全などのリスクがあります。
(4)膨張性下剤
多量の水と一緒に服用すると、腸内で大きく膨張し、大腸を刺激する便秘薬です。習慣性はほとんどなく、慢性便秘にはもっとも安全といわれていますが、悪心や嘔吐、腹部の膨満感などを感じることもあります。
これらの症状はほかの重大な病気の初期症状であることもありえますので、なるべく早く医師に相談をするとよいでしょう。
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