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眼瞼下垂症になる原因と手術での治し方

更新日:2017/11/20 公開日:2014/12/03

目の周辺は皮膚が薄く、目のふち(眼瞼縁)がどこにも固定されず宙に浮いている状態になっているため、たるみなどの加齢性変化(老化現象)が目立ちやすい部位です。まぶたがたれると老けてみえるだけでなく、頭痛や肩こりなどの原因になることもあります。ここでは、「まぶたのたるみ」・「眼瞼下垂」の症状や原因、主な手術法などについて解説します。

眼瞼下垂症とは

上まぶたが下垂し、まぶたが開きにくくなることで、物が見えにくい状態「眼瞼下垂」と呼びます。眼瞼下垂は新生児から高齢者まで発症することがある、極めて対象の広い疾患です。そのためもあって、眼瞼下垂の原因や症状はさまざまです。

まぶたの筋肉について

まぶたの皮膚は、まつげ側に近づくにつれて薄くなり、眉毛側は分厚く固い皮膚となっています。薄い皮膚のすぐ下には皮膚と密に癒着している「眼輪筋(がんりんきん)」※1というまぶたを閉じるための筋肉があります。

眼輪筋の下には脂肪層があり、脂肪層の下には目のふちに「瞼板」(けんばん)※3という軟骨があります。まぶたを開けるのに使われる筋肉には、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)※4とミュラー筋※5の2つがあります。これらは共に瞼板(けんばん)に付着しています。

眼瞼挙筋(がんけんきょきん)は、まぶたや眼球の運動に関わる「動眼神経」が支配しており、自分の意志でまぶたを開けたり閉じたりするための筋肉です。ミュラー筋は自律神経が支配しているため、自分の意志で動かすことはできません。このミュラー筋がまぶたの開閉にどのような役割を果たしているのかについては諸説があり、結論は出ていません。

また、額の筋肉である「前頭筋」も眉毛を上げる作用があります。眼瞼下垂などでまぶたが開けにくい状態では、前頭筋を使ってまぶたを上げることが癖となり、額のしわが深くなります。

眼瞼下垂症になる原因

眼瞼下垂の症状は個人差が大きく、治療法もさまざまです。まずは、眼瞼下垂の種類や症状、原因について見ていきましょう。

眼瞼下垂には、生まれつき下垂している「先天性眼瞼下垂」と、「後天性の眼瞼下垂」があります。先天性眼瞼下垂は生まれつき目が開きにくい状態で、左右で差があるケースも多く見られます。また、これとは別に「真性眼瞼下垂」「偽性眼瞼下垂」という分類をすることもあります。

先天性眼瞼下垂になる原因

先天性眼瞼下垂は出生直後から見られるもので、片眼だけの場合もあれば、両眼の場合もあります。見る機能に障害を及ぼすことはほとんどありませんが、まれに弱視や斜視の原因となるので、予防のためにも注意深く観察することが大切です。

先天性の眼瞼下垂は、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)をコントロールする動眼神経の分岐の異常や、眼瞼挙筋自体が低形成(組織の発育が不十分であること)であることが原因とされています。

後天性の眼瞼下垂になる原因

後天性の眼瞼下垂は、大きく分けると大多数の「腱膜(けんまく)性眼瞼下垂」とその他の眼瞼下垂に分けられます。腱膜性眼瞼下垂は、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)と瞼板(けんばん)の接合部分が伸びたり、ゆるんだりして、瞼板が正常に持ち上がらず、まぶたが開きづらくなっている状態です。

腱膜性眼瞼下垂の原因としては、挙筋腱膜が薄くなったり、断裂したり、瞼板との付着部分が離れてしまうことなどが推定されています。腱膜性眼瞼下垂は、加齢や長期のコンタクトレンズ使用、花粉症やアトピーなどで目をこすることにより生じるとされています。近年、ハードコンタクトによると思われる若い人の膜性眼瞼下垂が増えているといわれています。

後天性の眼瞼下垂には、上述の腱膜性眼瞼下垂の他にも、その数は少ないのですが、ケガによる「外傷性眼瞼下垂」、神経の命令がまぶたの筋肉に伝わりづらくなる重症筋無力症、目を動かす筋肉に炎症が発生する甲状腺眼症(バセドウ病眼症)、まぶたに腫瘍ができ、重みで下垂する眼瞼腫瘍などがあります。

偽性眼瞼下垂になる原因

眼瞼挙筋などに直接異常が生じる「真の眼瞼下垂」とは異なり、「偽性眼瞼下垂」と呼ばれる病態もあります。顔面神経麻痺やまぶたのけいれんが原因で発生することもありますが、圧倒的に多いのが眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)です。

眼瞼下垂でよく見られる症状

次に、眼瞼下垂で多く見られる症例について解説します。

加齢によって進行する眼瞼下垂

加齢・老化によってさまざまな原因でまぶたが開きにくくなることを総称して「老人性眼瞼下垂」(加齢性眼瞼下垂)と呼んでいますが、これがもっとも多い眼瞼下垂です。老人性眼瞼下垂(加齢性眼瞼下垂)は、単一の病態ではないことが多く、腱膜(けんまく)性眼瞼下垂と眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)の両方を併発していることが大多数です。

臨床の現場では、この腱膜性眼瞼下垂と皮膚弛緩症が圧倒的に多いようです。しかし、中にはめずらしい病気に起因するものや、まれな病態による眼瞼下垂の例も報告されています。治療を行う際は医師に相談し、問診や診察をしっかり受けることが大切です。

また、どのような年齢層の患者であっても、眼瞼挙筋に機能不良がある場合は、先天性の要因が含まれている可能性があります。できれば若いころや幼少時の写真を持参し、医師に参考にしてもらった方がよいでしょう。

手術によって発生する眼瞼下垂

また、「開瞼器」という、白内障などの手術で目を開いた状態に保つ器具を使用すると、術後に眼瞼下垂になることがあるともいわれています。しかし、これは数か月~1年で自然治癒することもあるため、急いで眼瞼下垂の治療を受けると、後に過矯正(開きすぎ・ビックリ眼)となりやすいとされています。しばらく様子を見て、改善しない場合はまぶたを上げる手術を行います。

眼瞼下垂がもとで起こるトラブル

眼瞼下垂はまぶたをきちんと上げることが困難になるため、まぶたを上げようと無意識におでこに力が入り、常にシワが寄るようになったり、視野の狭まりによって眼精疲労や頭痛、肩こりなどさまざまなトラブルを招くことがあります。以下のような症状があるときは、眼瞼下垂の可能性を疑ってみたほうがよいかもしれません。

  • 肩や首筋のこり・疲労
  • 頭痛やめまい、手足のしびれ
  • 線維筋痛症(全身が異常に痛む症状)や、くいしばりによる歯痛、顎関節症
  • 冷えや便秘、下痢、多汗などの自律神経失調症
  • 睡眠障害
  • 気分が落ちこむ、わけもなくイライラするなどの不安障害
  • まぶたの開きが悪い、まぶたが重いなどの開瞼障害
  • まぶたや顔面の痙攣
  • 非アレルギー性の喘息 など

眼瞼下垂の手術での治し方

まぶたは繊細で複雑な構造をしています。また、目立つ部位でもあり、わずかな左右の差でも気になります。そのため眼瞼下垂を手術する際は、「目が開くようにする」という機能面だけでなく、左右のバランスや二重の形など、外見面においても配慮を行う必要があります。

先天性眼瞼下垂および後天性眼瞼下垂は、手術による治療が基本です。大別すると以下の3種類があります。治療には保険適用のものと自費の場合とがあります。また、日帰り手術が可能なものと、入院が必要なものがあります。

眼瞼挙筋腱膜前転術(がんけんきょきんけんまくぜんてんじゅつ)

眼瞼の挙筋腱膜とつながっている眼窩隔膜(がんかかくまく)を丁寧に剥離したうえで前方に移動させ、挙筋腱膜(きょきんけんまく)とともに、まぶたの縁にある瞼板(けんばん)という軟骨に縫合固定する手術です。上まぶたを上げる働きをする眼瞼挙筋自体は収縮するのに、挙筋先端部の腱膜部分が瞼板から外れていて下垂が起こる場合は、この方法が有効です。

眼瞼挙筋短縮術(がんけんきょきんたんしゅくじゅつ)

まぶたの裏側に存在する結膜(けつまく)という薄い膜から挙筋腱膜やミュラー膜を剥離し、瞼板(けんばん)にまとめて固定することで、挙筋のずれを整復する手術です。幼少期で下垂が比較的軽い場合などに用いられます。

前頭筋(ぜんとうきん)吊り上げ術

眉毛を上げる筋肉である前頭筋(ぜんとうきん)とまぶたをつなぎ、眉毛を持ち上げることで上まぶたが開くようにする手術です。特殊な人工糸を使って吊り上げたり、大腿外側の筋膜や、こめかみの筋膜などを取り出して吊り上げる方法が主流です。こちらは眼瞼挙筋の機能があまりない場合に適応されます。

眼瞼下垂の手術について詳しくは、『「眼瞼下垂症」の手術と治療方法』をご覧ください。

まとめ

眼瞼下垂は先天性のものから加齢によるもの、コンタクトの影響によるもの、目のこすりすぎや外傷性のものなどさまざまな原因によって引き起こされます。これらは手術によって回復が見込めますので、症状や原因をチェックするとともに、医師とじっくり相談し、適切な治療法を見極めるようにしましょう。

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