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更年期障害のホルモン剤の副作用

更新日:2016/12/09 公開日:2014/12/26

更年期障害の治療

更年期障害の治療法であるホルモン剤投与の、副作用についてまとめています。エストロゲンを投与し続けることでがんのリスクが高まるといわれていますが真実は如何に?その他の副作用もご確認ください。

更年期障害の治療として、エストロゲンを投与する「ホルモン補充療法」が主流ですが、気になるのが副作用です。以前海外のメディアで「乳がんリスクが高まる」と取り上げられましたが、最近の調査で実は真逆の結果が出たことがわかっています。ホルモン補充療法を受ける前にぜひご確認ください。

更年期障害におけるホルモン補充療法の副作用

女性の心と体の健康には、女性らしさをつかさどる「エストロゲン」と、妊娠のための「プロゲステロン」という女性ホルモンが大きく影響しています。閉経をはさんだ前後5年、計10年間ほどを「更年期」といいますが、40代あたりからエストロゲンの分泌が減少しはじめ、閉経に近づくと坂を転がり落ちるように急激に低下します。

エストロゲンは、生殖機能、脳・中枢神経機能、心臓血管系機能、脂質代謝、皮膚、骨代謝などさまざまな機能を調整する作用を持っているため、エストロゲンが急激に低下した女性の体にはあらゆる症状が出始めます。月経の周期に異常があらわれ、ほてり、発汗、動悸、息切れ、肩こり、頭痛などの不定愁訴があらわれ、日常生活に支障をきたすほどの症状に襲われることもあります。

これを改善するための治療法が、「ホルモン補充療法(HRT)」です。急激に減少するエストロゲンを飲み薬や貼り薬により補充することで、さまざまな症状の軽減をはかるのです。

ここで知っておきたいのが、ホルモン剤を投与することによる副作用です。使用する薬剤により副作用のリスクは異なりますが、体が治療に慣れてくる1~2か月後までに治まるものがほとんどだといわれています。考えられる副作用は以下の通りです。

不正出血

ホルモン補充療法の副作用の代表的なもの。女性ホルモン本来の働きによるものなので、体に悪影響はありません。

乳房のハリ、下腹部の痛みなど

これもエストロゲンの作用によるもの。こうした不快症状はほとんど最初だけで体が慣れてくれば治まります。また、薬の回数や量を調整することでなくすことも可能です。

子宮がんリスク

エストロゲンのみを長期投与し続けると子宮内膜が増殖し、子宮体がんリスクが高まるといわれています。そのため、子宮を有する方の場合はエストロゲンと併用して黄体ホルモン剤(プロゲステロン)も投与する方法が用いられるのが一般的。併用した場合の子宮がんの発生リスクは非常に低くなるといわれています。また、3か月以内であればエストロゲン単体の投与でも子宮に悪影響はないとされています。

上記のほか、胃のむかむかやむくみなどの副作用も出ることがあり、その場合はまずはドクターに相談するようにしましょう。同時に、自分でも副作用を抑えるための工夫をすることも大切です。

例えば、飲み薬は半分に割って飲む、ジェル剤は半量を塗る、最初の3か月程度は黄体ホルモンの影響を避けるなど、ドクターに相談の上お試しください。

乳がんリスクについて

過去に、ホルモン補充療法は乳がんの危険性が高いと海外の研究結果によりメディアに取り沙汰されたことがありました。

しかし、国際閉経学会などの専門機関が再解析したところ、女性ホルモン剤を投与することによって乳がんリスクが高まるという結果は見直されるようになりました。そして、現在では更年期の女性にとってメリットの多い治療法として注目されるようになったのです。

乳がんになるリスクが高い要因として「乳腺疾患の経緯がある」「初産経験が35歳以上」「乳がんになった家族がいる」といった例があげられますが、ホルモン補充療法を受けたことによる要因はこれらより低いことがわかっています。

また、厚生労働省研究班では、2004~2005年秋にかけて「過去10年間以内に乳がんの手術を受けた45~69歳の女性」と、「同世代のがん検診受信者の中で乳がんではなかった女性」に対して調査を実施。

アンケート調査の結果、前者のホルモン補充療法経験者は「5%」、後者では「11%」ということがわかり、乳がんではない女性の方がホルモン補充療法を受けていることが判明しました。その数およそ2倍。つまり、ホルモンを投与している方に乳がんが多いのではなく、むしろホルモン剤を投与したことのない方に比べて乳がんになるリスクは半分以下ということがわかりました。

乳がん以外のリスクについても世間で勘違いされていることは多々あります。現在、世界と日本でもう一度、ホルモン補充治療の解析が実施されています。副作用や不安に感じていることについてはぜひ、担当医にご相談ください。