唇にできる口唇ヘルペスや下半身にできる性器ヘルペスなど、さまざまな部位に症状が現れるヘルペス。その理由は、感染したヘルペスウイルスの種類が異なるからです。私たちが日常生活で感染しやすいヘルペスウイルスの存在をチェックしてみましょう。
人に感染するヘルペスウイルスは8種類
ひと口にヘルペスウイルスといっても、人間に感染するヘルペスウイルスはひとつではありません。実に8種類ものウイルスが知られており、感染するウイルスにより、引き起こされる病気や症状はまったく異なります。まずは、ヘルペスウイルスのバリエーションと、それぞれのウイルスが原因で起こる病気を紹介します。
(1)単純ヘルペスウイルス1型…口唇・性器ヘルペス、脳炎など
(2)単純ヘルペスウイルス2型…性器ヘルペス、新生児ヘルペスなど
(3)水痘・帯状疱疹ウイルス…水痘、帯状疱疹、髄膜炎、脳炎など
(4)EBウイルス…日和見リンパ腫、伝染性単核症、上咽頭癌など
(5)サイトメガロウイルス…脳炎、網膜炎、肝炎など
(6)ヒトヘルペスウイルス6…突発性発疹、壊死性リンパ節炎など
(7)ヒトヘルペスウイルス7…突発性発疹など
(8)ヒトヘルペスウイルス8…カポジ肉腫など
代表的なのは、単純ヘルペスウイルスと水痘・帯状疱疹ウイルス
私たちが日常生活で注意したいのは、単純ヘルペスウイルス1型による口唇ヘルペス、単純ヘルペスウイルス2型による性器ヘルペスです。日本人の場合、単純ヘルペスウイルス1型には40~70%、2型には5~10%の人が感染しているといわれており、どちらも再発をくり返すのが特徴。また、水痘・帯状疱疹ウイルスによる水ぼうそうと帯状疱疹は誰でもかかりやすい病気ですが、一般的に1度かかると2度とかからないといわれています。
それぞれ、水ぶくれができるという症状は共通しているものの、病変が出現する部位が異なります。口唇ヘルペスの場合は唇の周り、性器ヘルペスの場合は性器やおしり、水ぼうそうは顔や手足、頭髪や口の中など全身に水ぶくれができます。
また、水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。ヘルペスウイルスは何十年も身体の中に潜伏しており、加齢やストレス、過労などが引き金になってウイルスに対する免疫力が低下すると、再び活動を始めるからです。
帯状疱疹は、身体の左右どちらかの神経に沿って帯状に現れるのが特徴で、胸から背中にかけて、また顔面や目の周りに発症することも。赤い発疹と水ぶくれに加え、ピリピリと刺すような痛みをともないます。
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