スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

病院で行われる耳鳴り治療

更新日:2018/05/15 公開日:2015/04/30

耳鳴りを治療・改善するには

耳鳴りは、原因と思われる病気の治療を行っても完全に消えないケースも少なくありません。そのため、耳鳴りを治すには、病気の治療だけでなく、耳鳴りを軽減させるための対症療法も行っていきます。ドクター監修のもと、耳鳴りを軽減させる対症療法をご紹介します。

耳鼻咽喉科では、耳鳴りに対してどのような治療が行われるのでしょうか?ここでは、耳鳴りの症状に対する対症療法についてご紹介します。

耳鳴りを治療するには

耳鳴りが起こるメカニズムについては、まだはっきり解明されていない部分も多いです。そのため、原因と思われる病気を治療しても、耳鳴りが完全に消えないケースも少なくありません。また、検査をしても原因を特定できないこともあります。よって、耳鳴りの治療では、原因と思われる病気の治療と併せて、耳鳴りを軽減するための対症療法も行っていきます。

耳鳴りを軽減させるための薬物療法

耳鳴りを軽減させるための治療では、薬物療法を行うのが一般的です。どのような薬が用いられるのかを見ていきましょう。

抗不安剤

いわゆる「精神安定剤」のことで、不安をやわらげると同時に、筋肉や神経、血管などの緊張を解く作用があります。耳鳴りは意識するほど症状が悪化してしまうので、精神を安定させて気にならないようにすることが大切です。

抗うつ剤

耳鳴りの苦痛が強い人の中には、うつ病を患っている人もいます。そういった場合は、うつ症状を改善することで、耳鳴りも軽減されることがあります。

抗けいれん剤(筋弛緩剤)

筋肉の緊張やけいれんをやわらげる薬です。肩こりや頭痛など、筋肉の緊張にともなう耳鳴りに用いられます。

末梢血管拡張薬・血流改善剤

末梢血管の血流を改善し、内耳や脳の代謝を高めることで耳鳴りを軽減させます。

ビタミン剤

ビタミンB12には、神経細胞の代謝を促したり、神経の修復を促す作用があります。この他、ビタミンB1やB3、B6などが用いられることもあります。

自律神経調整薬

自律神経をコントロールしている脳の視床下部に作用し、自律神経のバランスを整える薬です。1~2か月ほど服用し続けることで、効果を得られるとされています。自律神経失調症や更年期障害による耳鳴りに用いられます。

局所麻酔薬・ステロイドホルモン剤

急性の激しい耳鳴りなど、症状をすぐに抑える必要があるときは、局所麻酔の静脈注射を打ったり、ステロイドホルモンを中耳から注入して内耳に染み込ませます。どちらの方法も即効性がありますが、効果は一時的なものです。

その他の治療法

薬物療法以外にも次のような方法が用いられることがあります。

マスカー療法

滝や波の音などを聞いていると、耳鳴りがしていても気にならなくなります。こうした現象を応用したのが、耳鳴りに近い周波数の雑音を補聴器のような機械で1~2時間聞く「マスカー療法」です。耳鳴りが小さくなったり消えたりするわけではありませんが、意識が向かなくなることで改善されることがあります。ただし、効果には個人差があります。また、持続期間も短く、もっとも短い人では5分くらい、長い人でも1~2日ほどとされています。

星状神経節ブロック

「星状神経節」とは、喉に左右一対ずつある交感神経のかたまりです。ここに少量の局所麻酔を打ち、一時的に交感神経を麻痺させて緊張を緩め、内耳への血流をよくすることで耳鳴りを軽減させようとするのが「星状神経節ブロック」です。効果には個人差がありますが、早い人なら一度目から耳鳴りが軽減するようです。ただし、中にはまったく効果が出ない人もいます。

TRT

「TRT」とは「Tinnitus Retraining Therapy」の略で、直訳すると、「耳鳴りを順応させる療法」という意味です。私たちの周りにはたくさんの音がありますが、すべてを意識して聞いているわけではありません。必要な音だけを意識し、冷蔵庫やエアコンの雑音などの関心のない音は、聞こえていても素通りさせています。TRTとは、耳鳴りの音も雑音として素通りさせようという治療法です。具体的には、耳鳴りの不安を取るためのカウンセリングをした後、あまり大きくない雑音を聞かせ、その雑音の中で耳鳴りを聞かせることで、耳鳴りに意識が向かないように訓練していきます。即効性のある方法ではないので長期的に行っていく必要がありますが、一度耳鳴りを素通りさせることができた人は、効果が永続的に持続するようです。

根本治療と共に対症療法も行うことで、耳鳴りの改善を早めることが可能かもしれません。気になる方は、医師に相談してみましょう。