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加齢黄斑変性の治療方法

更新日:2016/12/09 公開日:2015/06/30

加齢黄斑変性の基礎知識

日本人に多い滲出型の加齢黄斑変性。主な治療方法には、「抗VEGF療法」「光線力学的療法」「レーザー光凝固術」の3つがあります。それぞれの治療方法には、どのような違いがあるのでしょうか?ドクター監修のもと、詳しく解説します。

加齢黄斑変性には、「滲出型」と「萎縮型」という2つのタイプがあります。萎縮型は進行速度がゆっくりですが、現在のところ有効な治療法が見つかっていません。定期的に検査を受けて、経過観察をしていくのが基本です。そこで、ここでは滲出型の代表的な治療法をご紹介いたします。

抗VEGF療法

滲出型は、「新生血管」という異常な血管が発生し、網膜の中心部にある「黄斑」が障害されることで起こります。網膜の細胞は常に新陳代謝をくり返していますが、年をとると新陳代謝で生じた老廃物がうまく処理されず、網膜とその外側にある脈絡膜の間に溜まってしまいます。すると、これを排除するために炎症が起こり、炎症を鎮めるために化学物質が発生します。ところが、この化学物質は血管の発生を促す「血管内皮増殖因子(VEGF)」を放出するため、脈絡膜から新生血管が生えてしまうのです。

「抗VEGF療法」は、血管内皮増殖因子の働きを阻害する「VEGF阻害薬」を眼内に注射することで、新生血管の増殖や成長を抑制するという治療法です。治療の際は、点眼麻酔をし、「開瞼器(かいけんき)」で、まぶたを開けた状態に固定した上で、「硝子体」に直接注射します。

従来の治療法では、病気の進行を抑えて視力の低下を防ぐことを目標にしていましたが、抗VEGF療法では、視力を改善する効果も期待できます。ただし、新生血管が完全になくなるわけではないので、くり返しの治療が必要になります。また、保険が適用されても3割負担なので、治療費は高額となります。

光線力学的療法(PDT)

「光線力学的療法(PDT)」は、レーザーを使って新生血管を内側から壊す治療法です。腕の静脈に光に反応する「ベルテポルフィン」という薬剤を注射すると、正常な血管には取り込まれず、新生血管にだけ集まります。そこで、特殊なレーザーを新生血管に照射すると、ベルテポルフィンが化学反応を起こし、毒性の強い活性酸素が発生。活性酸素が新生血管の血液と結びついて血栓をつくるため、新生血管を閉塞させることができるのです。

光線力学的療法で使われるレーザーは、出力が弱いため、新生血管が黄斑の中心窩(ひときわ感度が高い部分)に及んでいても、ダメージが少なくて済むのが特徴です。

なお、ベルテポルフィンは、レーザー以外の強い光にも反応。点滴後48時間以内に強い日光や白熱電球に当たると、「光過敏症」になることがあります。このため、光線力学的療法を受ける際は、2・3日の入院が必要です。

治療後は3ヶ月ごとに検査を行い、必要に応じて追加治療を実施します。1回の治療で新生血管が完全に閉塞するケースは少ないため、通常は何度か継続して治療を実施します。

レーザー光凝固術

「レーザー光凝固術」は、高出力のレーザーで新生血管を焼き固める治療法です。治療の際は点眼麻酔をし、特殊なコンタクトレンズを装着します。そして、事前に位置を確認しておいた新生血管に、直接レーザーを照射。新生血管が破壊されると、黄斑のむくみや出血がなくなり、病気の進行を抑えることができるのです。

ただし、強力なレーザーを使うため、新生血管とともに、正常な周囲の組織にもダメージを与えてしまいます。このため、新生血管が中心窩から離れている場合でないと行えません。ダメージを受けて壊死した部分は、光を感じられなくなる「暗点」になりますが、中心窩が保たれていれば、視野の真ん中の1番見たい部分は見ることができます。

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