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認知症に有効とされるDHAの効果とは?

更新日:2018/08/29 公開日:2015/08/27

DHA・EPAの効果

DHAは「頭をよくする」成分であることが広く知られています。DHAは子どもの脳の発達に大きく関係するとともに、認知症のように加齢による脳機能の衰えにもよい効果があるのではないかと考えられています。ここでは、脳の認知機能とDHAはどのように関係し、どんな効果が期待できるのか、ドクター監修のもと解説します。

OKマークの医療従事者

脳にとってDHAは必須の栄養素

脳にとってDHAはなくてはならない栄養素です。意外かもしれませんが、脳の半分強は脂質でできている「脂っぽい」臓器です。その脳を構成する脂肪酸の約1割はDHAなのです。DHAは脳の細胞を形作る膜(細胞膜)に多く含まれており、神経の新生、神経同士のつながり(シナプス)形成、神経突起の伸長など、脳が活動する上で重要な機能を担っています。

DHAは脳に多く含まれる成分ですから、それが足りなくなれば脳に何らかの不具合が起きても不思議ではありません。実際に、健康な人と比べて、高齢者やアルツハイマー型認知症の人の血液や脳にはDHAの量が低かったという報告があります。これらの知見から、DHAは脳の老化や認知症発症と大きく関わっていることが推察されます。

DHAをたくさん摂れば認知症にならない?

では、DHAを積極的に摂れば脳の老化や認知症発症を防ぐことができるのでしょうか。

日常的にDHAを含む魚を継続的に食べている集団とそうでない集団を比べると、魚を食べている集団の方が認知機能の低下のリスクが低いことが判明しています。それならば、今からでもDHAを多く摂れば認知症にならない、すなわちボケないままでいられるのではないでしょうか。

しかし、残念ながら、その答えはハッキリとはしていません。DHAによる認知症の予防・改善については多くの臨床試験が行われていますが、試験によって「有効性あり」という結果が出たり、「改善なし」という結果が出たりしていて、まだ結論付けるのができない状況です。

とはいえ、これらの研究はざっくり「高齢者」「軽度の認知障害がある高齢者」「アルツハイマー型認知症の患者」をひとまとめにして行ったものが多く、一部の人だけを抜き出してみると効果が出ている研究もあります。このことから、DHA摂取の効果がありそうな対象者を選んで試験をしてみたら、もう少しハッキリした結果が得られるかもしれません。

では、どのような人ならDHAによる認知症の予防が期待できるのでしょうか。可能性として、アルツハイマー型認知症など明らかな認知症と診断された人ではなく、まだ病状が軽度にとどまっている記憶障害、認知機能障害レベルの人であれば、DHAによって認知症が防げる可能性があるかもしれません。試してみたい人は、魚をたくさん食べて、DHAを通常より1g/日ほど多く摂るようにする状態を半年以上続けてみましょう。

年を取れば誰しも、物忘れが多くなります。物忘れが気になる年代になる前から、DHAを多く含む青魚などを積極的に摂り、運動や趣味で身体を動かしながら健康的な毎日を送ることが、脳の健康を守り、認知症を遠ざけることにつながります。

参考文献

  1. ・橋本道男. 脳・神経機能維持とn-3系脂肪酸. 日薬理誌 2018; 151: 27-33