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腰の構造と腰痛が起こるメカニズム

更新日:2017/04/11 公開日:2015/08/27

腰痛の原因・基礎知識

体の中心にある腰は、体全体を支えるだけでなく、さまざまな動きの要となっています。では、腰はどのような仕組みになっていて、腰痛はどうして起こるのでしょうか。腰の構造と腰痛が起こるメカニズムについて、ドクター監修のもと詳しく解説します。

体を曲げる、ねじるなどの動きのほか、上半身を支えるなど、体の重要な役割を担う腰。その分、負担がかかりやすく、けがや痛みが起こりやすい部位です。腰痛が起こるメカニズムを、腰の構造から紐解いていきましょう。

腰の構造

人間の体は、脊椎(せきつい=背骨)からたくさんの骨格が広がって構成されています。骨格の基本となる脊椎は、およそ30個の椎骨(ついこつ)が結合してできています。具体的には、24個の可動性の椎骨(頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個)と、不定形の椎骨(5個が融合して1個となる仙骨と、3~5個のすべて、もしくは一部が融合することで形成される尾骨)によって形成されています。この腰椎と呼ばれる脊椎の一部が、腰というわけです。

椎骨と椎骨の間にはクッションのような柔らかい「椎間板」が挟まっており、これが脊椎にかかる負担を吸収・分散させる働きを担っています。正常な脊椎は、正面から見ると一本の棒のようですが、横から見るとゆるやかにS字を描いています。このS字カーブによって体のバランスが保たれ、人間は頭部の重量を支えながら2本足で立ったり、歩行することができるのです。また、脊椎にはばねのような弾力性があるため、体を前後左右に柔軟に曲げたり伸ばしたりすることができます。

腰痛はどうして起こるの?

脊椎は、体のさまざまな動作に対応できる構造になっている反面、ゆがみにつながりやすい部分です。脊椎がゆがむと体のバランスが保てなくなり、腰痛の原因となります。さらに、脊椎がゆがんだ状態ではあらゆる動作がぎこちなくなり、筋肉疲労やこりを引き起こすことから、ますます腰痛になりやすくなるという悪循環が起こります。特に、猫背の状態が続くと体のバランスが悪くなるため、脊椎に負担がかかりやすく、慢性腰痛症になる可能性が高くなります。

慢性腰痛症は、上述のように構造的に障害がなくても筋肉その他の機能異常によるものが大半を占めておりますが、中には腰椎の障害によって起こることもあります。5個ある腰椎のうち、骨盤や腹筋と一緒に上半身の重みを支える重要な部分である第4、5腰椎に、特に異常が起こりやすいとされています。これは腰椎の前屈・後屈動作を担うのは下位腰椎で、第4,5、第1仙椎に負担がかかるためです。また、腰はもともとスムーズに動かせるよう骨格組織が少なくなっているので、構造的にもろいという特徴があります。もろい上に負荷がかかりやすい部位のため、腰椎に異常が起こりやすく、これが腰痛の原因となるのです。

腰椎の異常のほか、椎間板の線維輪に亀裂が生じて中にあるゼリー状の髄核(ずいかく)が外に飛び出すことでも腰痛が起こります。これが、椎間板ヘルニアです。

※椎間板ヘルニアについて、詳しくは『腰痛の種類(2)椎間板ヘルニア』をご覧ください。

また、神経の圧迫、関節の炎症、骨量の減少などによっても腰痛は起こります。腰は、体を支える大黒柱のような存在である分、さまざまな負荷がかかりやすく、痛みやすい部位です。痛む原因もさまざまなので、腰痛症はどんなに健康な人にも起こりやすい疾患です。できるだけ腰に負担のない生活を心がけ、腰痛症の予防につなげましょう。

※腰痛の要因と予防、改善方法については『腰痛が起こる要因と改善・解消のための対策』をご覧ください。

腰痛をともなう疾患

※疾患とは病気のことです。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板とは、脊椎を構成する椎骨と椎骨の間でクッションのような役割をし、腰がスムーズに動くようサポートしている組織です。

この椎間板の一部が膨隆(ぼうりゅう)したり、髄核が飛び出す症状を「椎間板ヘルニア」と言い、腰椎(腰の部位にある椎骨)の間にある椎間板に起こったものを「腰椎椎間板ヘルニア」と言います。

無症状のことも多いですが(その場合、特に治療は必要ありません)、膨隆(ぼうりゅう)した椎間板や、そこから飛び出した髄核が脊柱管の中から伸びる神経根を圧迫してしまうと、痛みやしびれなどのさまざまな症状が現れます。

骨粗鬆症

骨粗しょう症は自覚症状が現れにくいため、骨折して初めて骨粗しょう症がわかったというケースも少なくありません。

思い当たるきっかけがないのに、あるいは物を持つなどの日常生活動作で脊椎の圧迫骨折を起こすことで突然、背中の痛みや腰痛が起こります。動いたり、前かがみになると痛みが増し、寝返りをうてない、仰向けに寝られないといった症状も見られます。これが2~3か月続きます。

ぎっくり腰

重い荷物を持ち上げた時にギクっとなるイメージが大きいと思いますが、それ以外にも、ゴミを拾おうとして前屈みになる、くしゃみをする、階段を上がるなど、ちょっとした動作で発症することもあります。

内臓疾患

内臓の病気すべてに当てはまるわけではありませんが、下記のような腰痛の症状が見られたら、内臓の疾患を疑ってみましょう。

・どんな姿勢でも楽にならないなど、安静にしていても痛む。

・動作による痛みの悪化がない

・症状がだんだんひどくなっている。

・空腹時に痛み、食事中はやわらぐなど、食事に関連して痛みが変わる。

・排尿時に痛んだり、血尿がでる。

・生理のときに痛みが強まる。

尿道結石

腰に激痛が走るのは結石が腎臓から尿管にでてきた場合です。尿管は腎臓と膀胱をつないでいる、やわらかくて細い管です。ここに硬い石が詰まることにより、激痛が引き起こされている可能性があります。

子宮内膜症

内膜症により子宮とその周りにある卵管や卵巣、腸が癒着してしまうため、生理時以外にも下腹部が強く痛むことがあります。生理中と関係ない時期の生理痛や性交時や排便時におしりの奥のほうに突き上げるような痛みを感じることもあります。この「下腹部の痛み」を腰痛と勘違いしている場合があります。

腎臓の疾患と腰痛

後腹膜(腹膜の後ろにある臓器)の臓器である、十二指腸や膵臓、腎臓に異常が起こると、腰に痛みが出やすくなります。また、内臓の病気による痛みの場合は、胸や腰椎のあたりに痛みが出ることが多いため、腰と同じくらい背中が痛いと感じることも多いとされます。膵炎による腰痛は、アルコール依存など、不摂生が続く場合に考えられます。急性膵炎の場合は激痛が起こり、慢性膵炎の場合は鈍痛であることが多いと言います。また、腰だけでなく背中も痛みます。

飲酒に関係したぎっくり腰の場合、多くは長い時間飲酒しているときの姿勢が問題となります。長時間背中を丸めた状態で飲酒を続けることにより、ぎっくり腰が起こりやすくなると考えられます。

水腎症

水腎症を発見する原因の多くは、腰痛などの症状がきっかけになることが多いです。その原因を探すために、医師が患者に、質問をして状態をみる問診や、身体を触って痛む部位などから原因を見つけ出していく触診が重要視されます。その後、さらなる原因を特定していくために血液検査や尿検査を行い、必要に応じて超音波検査やCT・MRIなどの画像検査、そして尿路造影という検査を進めていきます。

水腎症の治療は、尿が出なくなっている閉塞部分の治療が基本です。原因となっている疾患を根本的に治療することで閉塞を解除します。

腰痛の治療

病院での治療

腰痛には、骨・関節・筋肉の損傷が原因になっているもの、内臓疾患が影響しているもの、心因性のものなどがあり、それぞれで専門の科が異なります。

腰部の骨・椎間板・関節・筋肉の損傷が原因の場合は整形外科、心因性の場合は心療内科や精神科、内臓疾患が原因の場合は内科が適しています。ただし、腰痛がどこから来ているものかは自分では判断できないので、まずは整形外科を受診し、原因を特定することから始めましょう。ある程度原因が特定されたら、それぞれの専門科へ紹介してもらうことになります。

なお、心因性の腰痛であると診断された場合は、整形外科と心療内科・精神科の両方に通うことをおすすめします。整形外科では、消炎鎮痛剤などの薬物療法により、腰の痛み自体をやわらげる治療が行われます。心療内科や精神科では、心理療法やカウンセリング、抗不安薬などの薬物療法により心のケアを行い、腰痛を起こしている根本要因をなくすようアプローチしてくれます。内臓の疾患が原因になっている場合は、まずは原因となる疾患の治療が先決となります。

自宅でのケア

背骨のゆがみや筋肉疲労、病気、ストレスなど、腰痛の原因はさまざまです。中には、骨密度が低下することにより起こる「骨粗しょう症」による腰痛もあるのですが、これが、食事が大きく関係する腰痛になります。

骨粗しょう症による腰痛と食事が関係すると言えるのは、骨粗しょう症の原因にカルシウムなどの栄養不足があるためです。体内にあるカルシウムは、そのほとんどが骨と歯に蓄えられていますが、体内のさまざまな働きに必要になることから、血液にも一定の量が蓄えられています。しかし、食事により必要な量のカルシウムが摂取されないと、足りない分を補おうと、血中にあるカルシウムが使われてしまいます。これが長く続くと、骨粗しょう症を招いてしまうのです。このような理由から、骨粗しょう症による腰痛を防いだり改善させるためには、食事による栄養摂取が重要と考えられるのです。

腰痛の予防と改善に効果的な栄養素には、カルシウムを含め4つがあげられます。

・カルシウム

・ビタミンD

・マグネシウム

・タンパク質

また、リンが増えるとカルシウムが減ってしまうので、摂りすぎには注意しましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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