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お酒を飲みすぎると腰が痛くなる!?飲酒と腰痛の関係

更新日:2018/05/15 公開日:2015/08/27

腰痛の原因・基礎知識

飲酒後に腰が痛くなった、という経験はありませんか?実は、多量の飲酒は腰痛に影響することがあります。ドクター監修のもと、飲酒により腰が痛くなるメカニズムについて解説します。

なかなか腰の痛みが治らないという場合は、お酒の飲みすぎが原因になっているかもしれません。飲酒と腰痛の関係について解説します。

飲酒が原因で起こる腰痛もある!

腰痛には、お酒を飲むことによって起こりやすくなるものがあります。

膵炎(すいえん)による腰痛

膵炎とは、すい臓などの主な臓器に炎症などの障害が起こる病気です。膵炎には、急性膵炎と慢性膵炎がありますが、どちらも発症原因はアルコールの多飲がもっとも多いといわれており、膵炎による腰痛は、アルコール依存など、不摂生が続く場合に考えられます。急性膵炎の場合は激痛が起こり、慢性膵炎の場合は鈍痛であることが多いと言います。また、腰だけでなく背中も痛みます。

では、多量の飲酒がなぜ膵炎を引き起こすのでしょうか。すい臓は、体に入ってきた食べ物を分解する消化酵素を生成し、膵液として十二指腸に分泌しています。口から食べた物が十二指腸に入ってくると、すい臓はすぐに膵液を分泌し、強力な胃酸を中和するのです。膵液に含まれる酵素の一つに、タンパク質分解酵素があります。この酵素は、すい臓の中では不活性状態で消化能力を持たず、十二指腸に分泌されてからはじめて活性化します。それは、すい臓はタンパク質でできているため、タンパク質分解酵素がすい臓の中で活性化してしまうと、すい臓自身が消化されてしまうからです。

しかし、お酒をたくさん飲むと、膵液の通り道である膵管の出口が腫れて炎症を起こし、膵液がスムーズに流れることができずに、すい臓の中に溜まってしまうことがあります。すると、本来であればすい臓では不活性状態のタンパク質分解酵素が活性化してしまい、すい臓自身が消化作用を受けてしまうのです。この状態を、すい臓の自己消化と呼び、急性膵炎の原因とされています。

また、アルコールには胃酸の分泌を促す作用もあります。胃酸は膵液の分泌を促すため、飲酒は膵炎を引き起こすだけでなく、膵炎を悪化させる原因にもなるとされています。

ぎっくり腰などの腰痛症

飲酒に関係したぎっくり腰の場合、多くは長い時間飲酒しているときの姿勢が問題となります。長時間背中を丸めた状態で飲酒を続けることにより、ぎっくり腰が起こりやすくなると考えられます。

内臓疾患による腰痛

すい臓以外にも、腎臓や肝臓、胃などの内臓疾患が原因で、腰痛が起こることがあります。重篤な疾患だけではなく、胃炎などでも発症します。近年、食生活の欧米化などにより、腎臓や肝臓、胃への負担は大きくなっているといわれています。内臓が弱っているところに飲酒をすると、内臓への負担がさらに大きくなることから、腰痛が起こりやすくなると考えられます。

飲酒による腰痛を起こさないためには

飲酒が原因となる腰痛を起こさないためにも、飲酒時に長時間背中を丸めたような姿勢をとらないことと、内臓に負担をかけない飲酒量や食生活を心がけましょう。慢性膵炎は、1日80g以上の飲酒をおよそ7年にわたって続けた場合に発症しやすいといわれています[1]。自覚症状がないまま悪化していくこともあるので、注意が必要です。これまで飲酒量が多かった方は、できるだけ適正量に抑えるようにし、休肝日を設けることも重要です。一日の飲酒量の基準は以下を参考にしてください。

  • ビール:アルコール度数5度なら500ml
  • 日本酒:アルコール度数15度なら180ml(1合)
  • ウイスキー・ブランデー:アルコール度数43度なら60ml(ダブル)
  • 焼酎:アルコール度数25度なら110ml(0.6合)
  • ワイン:アルコール度数14度なら180ml

また、すい臓に負担をかけないためには、油ものをとりすぎないようにするなど、食生活に気をつけることも重要です。胃酸の大量分泌を防ぐために、香辛料も控えましょう。

参考文献

  1. [1]佐田 尚宏. 診断基準の解説―6.早期慢性膵炎の概念―, 膵臓 2009; 24(6): 676-679

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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