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病院で行われる腰痛の検査方法

更新日:2018/05/15 公開日:2015/08/27

腰痛の治療

腰痛がなかなか治らない、痛みがひどく生活に支障をきたすという際は、医療機関を受診して検査をしてもらいましょう。ドクター監修のもと、病院で行われる腰痛の検査方法をご紹介します。

腰痛の検査は、問診・診察→各種テストという手順で行われます。その後、原因や症状が起こっている部位を詳しく調べるために、画像検査を行うこともあります。それぞれの方法について具体的に見ていきましょう。

問診・診察時の検査

腰痛は、原因や種類によって痛みの出方に以下のような特徴があります。問診・診察時にこれらを確認することで、ある程度、疾患の種類が憶測できるとされます。

前屈で痛みが増し、後屈で痛みがやわらぐ場合
椎間板ヘルニアの疑い
後屈で痛みが増し、前屈で痛みがやわらぐ場合
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)、腰椎分離症(腰椎分離すべり症)の疑い
下肢のしびれをともなう場合
椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症(腰椎分離すべり症)の疑い
動くと痛みが増し、安静時に軽減する場合
腰椎椎間関節の捻挫(いわゆる、ぎっくり腰)、筋・筋膜性腰痛症の疑い
安静時に痛みが増し、動くと軽減する場合
腰椎椎間関節症、変形性腰椎症の疑い

※それぞれの腰痛について、詳しくは下記をご覧ください。

各種テストによる検査

診察時に、主に行うテストをご紹介します。

SLRテスト(下肢伸展拳上テスト/ラセーグ兆候)

仰向けになり、ヒザを伸ばして片足を持ち上げていきます。角度が70度以下で痛みがある場合は坐骨神経痛があると判断され、この症状をともなう腰椎椎間板ヘルニア、脊椎すべり症、脊柱管狭窄症などの可能性があると診断されます。痛みがない場合は、股関節痛をともなう腰痛と判断されます。

SLRテストで痛みが出た場合は、ブラガードテスト(足首をつま先が上に向くよう曲げたときに痛みやしびれが出るかどうかを診るテスト)やボンネットテスト(関節を内転・内旋させて、痛みが増すかどうかを診るテスト)を行い、さらに詳しく診断します。

ケンプテスト

立った状態、または座った状態の患者の後方に施術者が立ち、片手で患者の肩、反対側の手で大腿を支え、体幹をわずかに体の内側に曲げます。このとき、腰椎(腰の部分)に局所的な痛みがある場合は、椎間板の損傷や腰部脊柱管狭窄症が疑われます。また、坐骨神経に沿った痛みやしびれが曲げた側に生じれば、椎間板の外側のヘルニア、逆側に生じれば、内側のヘルニアの可能性が高いと診断されます。

深部腱反射テスト

腱反射は、脊髄を介して情報が返ってくる性質を利用し、どの部分の腱反射がなくなっているかで脊髄の問題か所を判断します。

膝蓋腱反射(しつがいけんはんしゃ)
座った状態で、ヒザの下を打腱鎚で軽く叩きます。反射がなければ、3番と4番の腰椎間にある椎間板にヘルニアの疑いがあります。
アキレス腱反射
膝蓋腱と同様にアキレス腱を叩きます。反射がなければ、5番腰椎と1番仙椎間の椎間板にヘルニアの疑いがあります。

知覚検査

ピンを使った痛覚検査、温・冷水での温感検査、毛筆などを使った触覚検査などを行います。感覚が低下している場合は、神経根障害(椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊髄腫瘍など)、脊髄障害(横断性脊髄炎、多発性硬化症、脊髄腫瘍)などの可能性があると診断されます。

この他、筋力の低下度合いを調べる「徒手筋力テスト(MMT)」などもあります。

神経ブロックによる検査

末梢神経の根本にあたる「神経根」が障害を受けると、腰痛や下肢のしびれなどが現れます。このような症状を引き起こしやすいのが、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症です。

これらの疾患がわかった際、どの部位の神経根が痛みの原因になっているかを特定するために行われるのが、神経ブロックです。あらかじめMRIやCT画像によって予測をつけた神経根に直接、局所麻酔薬を注射します。痛みがやわらぐようであれば、注射をした神経根が腰痛の原因になっている箇所と診断できます。

画像検査

原因、疾患を特定するために、画像検査を行うこともあります。主な検査方法をご紹介します。

X線(レントゲン)検査

脊椎のゆがみや不安定(がたつき)、骨折など、骨の状態を確認するために行います。椎間板ヘルニアの場合は、椎間板の狭小化(椎間板が潰れて狭くなった状態)の有無もわかります。

MRI検査

レントゲンには映らない軟骨、靭帯、筋肉、神経の状態をチェックするために行います。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症による神経の圧迫状態を確認するのに欠かせない検査です。

CT検査

骨・神経の状態を断面・立体図として把握するために行います。骨棘(こっきょく)、分離症の有無などを詳細にチェックできます。

造影検査

主に、以下の種類があります。

脊髄造影(ミエログラフィー)
脊髄周辺に造影剤を注入して、X線やCT撮影を行います。脊柱管内の神経組織圧迫や、脊柱管が狭まった位置・程度を把握します。
神経根造影
神経根に造影剤や麻酔を注射して、X線やCT撮影を行います。麻酔注入による痛みやしびれの変化を調べ、患部を特定します。
椎間板造影(ディスコ)
椎間板内に造影剤や麻酔を注射し、X線やCT撮影を行います。MRIでは診断が難しい外側ヘルニアや椎間板性疼痛(ついかんばんせいとうつう)などを診断します。

この他、血液検査、骨密度検査、自律神経検査(発汗テスト、心電図、血流量の検査など)、電気生理学的検査(筋電図、神経伝達速度測定など)、心理検査などが行われることもあります。

最近は、より精密な検査で腰痛やしびれなどの原因を究明し、適切な治療につなげるための「脊椎脊髄ドック」を行っている医療機関もあります。腰痛がなくても脊椎や脊髄の健康状態を知っておきたい場合や、本当に手術が必要か、セカンドオピニオンを求める場合などに受診がおすすめされています。気になる方は、試してみてもいいでしょう。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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