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腰痛に効く薬の種類と効果、服用時の注意点

更新日:2018/05/16 公開日:2015/08/27

腰痛の治療

腰痛に襲われたとき、頼りにしたいのが薬。でも、どんな薬の種類が腰痛に効くのか、どのような効果があるのか、服用時の注意点はあるのかなど、気になることも多いはず。ドクター監修のもと、腰痛の治療薬について詳しくお伝えします。

ほとんどの腰痛では、まず痛みを緩和させる対症療法を行いながら、安静にして様子を見るという保存療法がとられます。そのメインとなるのが、薬物療法。使用される薬の種類と服用時の注意点について、詳しく解説します。

腰痛の薬物治療で主に使われる薬の種類

腰痛は、骨や関節、靭帯、筋肉のいずれかに、なんらかの障害があって起こることがほとんどなので、治療薬としては、痛みを緩和させる鎮痛剤がメインとなります。主な鎮痛剤には、以下のようなものがあります。

【非オピオイド系】非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs/エヌセイズまたはNSAID/エヌセッド)

非オピオイド系(※1)鎮痛薬に分類され、腰痛の治療薬として一般的に使われる薬剤です。痛みの原因物質を作り出す酵素「シクロオキシゲナーゼ(COX)」の働きを妨げることで、痛みや炎症を抑え、熱を下げます。ステロイドではない抗炎症薬(消炎解熱剤)すべてが含まれます。主なものには、アスピリン(商品名:バファリンなど)、ロキソプロフェン(商品名:ロキソニンなど)、ジクロフェナク(商品名:ボルタレンなど)、座薬でも使われるインドメタシン(商品名:インダシンなど)があります。

※1:オピオイドとは、強い鎮痛作用のある医療用麻薬のこと。

急性腰痛などで一時的に服用する際には特に問題ありませんが、長く飲み続ける場合には、以下のような副作用に注意が必要です。

非ステロイド性抗炎症薬には胃酸の分泌を増やしたり、胃粘膜の血行を妨げる作用があるため、胸やけ、消化不良、吐き気、下痢、胃痛などを起こすことがあります。長期に服用すると、胃炎や消化性潰瘍の原因になることもあります。

血小板の血液凝固作用を阻害する働きもあるため、消化管出血のリスクが高まります。

1~2%の人に、体液が排出されにくく腫れが起こる状態があったことが報告されています。長期の服用により、腎臓病のリスクが高くなる可能性があります。

アスピリン以外の非ステロイド性抗炎症薬を大量、かつ長期に服用すると、心臓発作や脳出血、脚の血栓形成などのリスクが高まることが報告されています。

  • 消化器官の不調
  • 出血
  • 体液の貯留
  • 心臓と血管への影響

これらの副作用は、高齢になるほど現れやすいといわれています。最近は、胃腸障害を抑えた「COX-2選択的阻害薬」と呼ばれる新しいタイプも開発されているので、胃が弱い方、高齢の方は医師や薬剤師に相談してみてください。

【非オピオイド系】アセトアミノフェン

アセトアミノフェン(商品名:カロナールなど)は、非ステロイド性抗炎症薬のアスピリンとほぼ同じ鎮痛・解熱作用を持つ薬です。ただし、炎症に対する効果はほとんどありません。

血液の凝固作用や胃腸への影響がほとんどなく、副作用を心配せずに使える点がメリットとされていますが、大量・長期に服用した場合は、腎機能障害や肝臓障害を起こす可能性があるといわれています。

オピオイド

強い鎮痛作用のある医療用麻薬のことで、非ステロイド性抗炎症薬では効きめがない強烈な腰痛の際に処方されることがあります。脳や脊髄、末梢神経などに存在するオピオイド受容体に作用して、痛みの伝達自体が脳に伝わりにくくなります。精神・身体への依存形成は抑制されています。主なものには、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルといった強オピオイド、トラマドール、コデインなどの弱オピオイドがあります。

服用開始時には眠気、便秘、吐き気、嘔吐、かゆみが起こることがあります。服用後の運転は絶対に避けましょう。また、転倒にも注意が必要です。良性前立腺肥大症の男性は、尿閉を起こすこともあるという報告もあります。。高齢者の場合は、錯乱症状になることもあるとされるので、注意してください。

痛みがある状態でオピオイドを使用しても中毒作用はおきませんが、薬剤を中止すると離脱症状が現れる身体的な依存が生じることがあります。腰痛が軽減されたらオピオイドの使用はやめ、非オピオイド系の鎮痛薬に切り替えましょう。

神経障害性疼痛(とうつう)治療薬

神経伝達物質(痛みを伝える物質)の過剰放出が原因で起こる「神経障害性疼痛」は、慢性の腰痛症に見られることが多いとされます。この場合、非オピオイド系鎮痛薬など一般的な消炎鎮痛剤は効きめがないため、神経伝達物質の放出を抑える神経障害性疼痛治療薬が必要となります。2011年にプレガバリン(商品名:リリカ)、2012年に弱オピオイド系のトラマドールとアセトアミノフェンの配合薬(商品名:トラムセット)が発売され、慢性腰痛治療にもよく使用されるようになりました。

プレガバリンには眠気やふらつき、めまいなどの副作用、トラマドールとアセトアミノフェンには胃のムカつきや嘔吐、便秘、眠気などの副作用が見られることがあるため、服用開始時には少量で様子をみながら、徐々に量を増やしていくことが推奨されています。

抗うつ薬

最近では2016年3月にデュロキセチンというセロトニンやノルアドレナリン再取り込み阻害薬に分類される抗うつ薬が慢性腰痛症の適応に追加されました。デュロキセチンはセロトニンやノルアドレナリンの神経末端シナプスでの再吸収を阻害することでこれらの濃度を増加させ、下行性疼痛抑制系(抑制性ニューロン)の活性を高めることが知られています。抑制性ニューロンの働きが高まると、痛みの末梢神経から脊髄神経への伝達が弱まり、痛みを感じなくなります。他の痛み止めが効かない場合に有効なことがあります。初回は20㎎から内服を開始し、60㎎で維持します。副作用には眠気などがあります。

この他、抗てんかん薬、筋緊張弛緩薬、血管拡張薬、抗不整脈薬などが補助的に使用される場合もあります。すべて、痛みをやわらげるサポートをするものです。抗うつ薬や抗てんかん薬は、鎮痛剤としてだけでなく、ストレスなどによる心の不調をケアするためにも使われます。

治療薬服用時の注意点について

薬には多数の種類があり、その組み合わせによって効果や副作用はさまざまです。また、個々の体質による影響も大きいので、処方薬は医師から指示・処方されたとおりに服用しましょう。

また、腰痛は、原因がはっきりわからなかったり、診断までに時間がかかる場合もあります。それを調べる目的で薬を投与し、様子をみながら変更していくこともあるので、薬の効き具合、副作用の有無などについて医師にはっきりと伝えるようにしましょう。

そのため、薬物治療はあくまでもひとつの治療として捉え、薬物のみに依存しないほうがよいでしょう。

薬による治療はもちろん大切です。しかし、それだけに頼らず、腰痛の根本的な要因をなくすことも重要です。生活習慣を見直す、適度な運動をとり入れるなど、薬以外のアプローチも心がけてください。

腰痛治療における外用薬について

腰痛治療における外用薬については、湿布やローション、軟膏など広く一般的に使われています。しかし、その効果については医学的根拠がみられないとされており、あくまでも対症療法として捉え、腰痛の根本的な改善を図るために、他の治療法も行なうようにしましょう。

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