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糖尿病がもたらす合併症(8)認知症

更新日:2016/12/09 公開日:2015/09/27

糖尿病がもたらす合併症

近年、糖尿病が認知症を合併する可能性があることがわかってきました。ドクター監修のもと、糖尿病が認知症にどのように影響するのか、また、発症した場合の対応法について解説します。

糖尿病が進行すると全身にさまざまな合併症が起こりますが、近年「認知症」もその1つとして注目されています。糖尿病と認知症の関係と、合併した場合の対応法について解説します。

糖尿病患者は認知症になるリスクが高い

認知症とは、正常であった記憶や思考などの能力が、脳の病気や障害のために低下していく症状です。いくつかの種類がありますが、もっとも多いのが「アルツハイマー型認知症」で、認知症のおよそ半数を占めます。次いで多いのが「脳血管性認知症」と「レビー小体型認知症」。それぞれ全体の20%を占めています。

糖尿病を患っている高齢者は、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症に対して発症リスクが高まり、アルツハイマー型認知症は約1.5~2倍、脳血管性認知症は2~3倍起こりやすくなるという報告があります。

糖尿病で認知症のリスクが高まる理由

アルツハイマー型認知症がどのようにして起こるのかは、まだはっきりと解明されていませんが、脳の中に「アミロイドβ」という異常なタンパク質が沈着していくことが病気の要因と考えられています。糖尿病は、血糖値を下げる「インスリン」というホルモンの分泌量が低下したり、働きが悪くなることで慢性的に血糖値が高くなる病気ですが、血中のインスリン濃度が変化することで、アミロイドβの蓄積が促進されたり、分解が抑えられる仕組みがあると推測されています。

一方、脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因となって起こる認知症です。糖尿病は動脈硬化を進行させやすいことから脳血管障害を起こしやすいため、脳血管性認知症を合併しやすいと考えられています。

また糖尿病で飲み薬やインスリン注射を使っている人は、こうした薬の効果が強く現れ過ぎると血糖値が異常に下がりすぎて「低血糖」になってしまうことがあります。低血糖も、認知症を起こす要因の1つと考えられています。というのも、脳はブドウ糖をもっとも消費する臓器なので、低血糖が起こると脳の活動に必要なブドウ糖が供給されず、認知機能に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

早めの対応が大切

糖尿病の治療では血糖コントロールが欠かせません。しかし、認知症を合併すると、物忘れがひどくなる、記憶があいまいになる、使っていたものの使い方がわからなくなるといった症状が現れ、自分で食事や薬の管理をしていくのが困難になります。そのため、血糖コントロールに支障が出て糖尿病を悪化させる可能性があるうえに、低血糖を起こす誘引にもなります。

認知症の初期段階では「同じことを何度も言ったり聞く」「置き忘れ・しまい忘れが目立ち、物を失くす」「これまで興味のあったことに関心がなくなる」といった徴候が見られがちです。気になる行動や兆候がある場合は、早めに担当医に相談しましょう。

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