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妊娠糖尿病が妊婦にもたらす合併症(3)羊水過多症

更新日:2016/12/09 公開日:2015/09/28

糖尿病が妊婦・子供に与える影響

妊娠糖尿病になると、お腹の赤ちゃんが浮かんでいる「羊水」が増えすぎる「羊水過多症」になることがあります。ドクター監修のもと、羊水過多症の症状と、それが招くリスクについて解説します。

妊娠糖尿病の合併症の1つに「羊水過多症」があります。どのような症状で、母体と胎児にどのようなリスクがあるのか、詳しく見ていきましょう。

羊水とは

胎児は「卵膜」という3層の膜と胎盤とでできた「羊水腔」という袋状の空間にいます。「羊水」とは、羊水腔を満たしている液体のことで、胎児はこの中で育っていきます。

羊水には、母親の動きが胎児に影響しないよう、胎児を衝撃から守るクッションの役割がありますが、もう1つ重要なものに、胎児の肺や腎臓の機能を発達させる働きがあります。妊娠時期が進むにつれて、胎児は羊水を飲んだり、尿として排泄することをくり返すようになります。羊水を肺にまで取り込むことで肺呼吸の練習をしたり、飲んだ羊水の成分を吸収してから腎臓で尿をつくって排泄することで、腎臓の機能を少しずつ発達させるのです。

妊娠初期の羊水の成分は、卵膜の一番内側にある「羊膜」や、胎児の皮膚からしみ出してきたものです。しかし、妊娠中期以降になると、胎児が飲む羊水の量や尿の量が増えてくるため、羊水の成分のほとんどは胎児の尿になります。ちなみに、尿中の老廃物は、臍帯(さいたい)を通じて母体へと排出されています。

羊水過多症とは

羊水の量は、胎児の成長段階によって変わり、一般的には30~35週にピークを迎え、40週を過ぎると減少していきます。妊娠数週に関係なく、羊水の量が増えすぎて800mlを超えた場合は「羊水過多」と診断されます。「羊水過多症」とは、羊水過多に、お腹の張りや圧迫感、呼吸困難、むくみ、静脈瘤などの自覚症状をともなう場合を言います。

羊水過多症は、妊娠糖尿病の合併症として起こるほか、胎児に消化器系などの異常があって羊水の吸収量が低下している場合にも起こります。

羊水過多症のリスク

羊水過多症になると、次のようなリスクが高くなります。

流産

赤ちゃんが妊娠の早い時期に死んでしまうことで、具体的には妊娠22週未満の出産のことを指します。

早期産

赤ちゃんが早く生まれすぎてしまうことで、妊娠22週~37週未満の出産のことを指します。早期産で生まれると、赤ちゃんの出生体重が小さかったり、体の機能が未熟な状態であることが多くなります。

さかご

お腹の中で足のほうを下(母体の子宮方向)に向けた姿勢でいる胎児のことです。ほとんどの場合、出産までに自分で回転して頭を下にしますが、出産間近になっても直らない場合は、経膣分娩(けいちつぶんべん)では、スムーズに出てくるのが難しくなるため、リスクを避けるために帝王切開になるのが一般的です。

前期破水

陣痛がくる前に赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ、羊水が外に流れ出すことです。このとき、膣から子宮内にバイ菌が入ると、胎児が細菌感染を起こすことがあります。

常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)

胎盤は、お産のときに赤ちゃんが出てからはがれるものですが、妊娠中や分娩中にはがれてしまうのが「常位胎盤早期剥離」です。胎児は、胎盤を通じて母親から栄養や酸素を受け取るとともに、老廃物や二酸化炭素を渡しています。そのため、胎盤がはがれると胎児への酸素や栄養の供給ができなくなり、母子ともに危険な状態に陥ります。

陣痛微弱

陣痛は、赤ちゃんを外に押し出すために子宮が収縮するときの痛みで、スムーズなお産に欠かせないものです。陣痛が強くならなかったり、途中から弱まることを「陣痛微弱」と言い、この状態が続くと、母体が疲れて分娩が順調に完了できなくなる可能性が高くなります。

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