スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

小児と成人の溶連菌感染症(咽頭炎、扁桃炎)の特徴的症状、イチゴ舌、のどの痛み、発疹について

更新日:2016/12/09 公開日:2015/11/24

溶連菌感染症の治療と対策

のどに感染する溶連菌感染症の特徴的な症状である「のどの痛み」「発疹」「イチゴ舌」について、ドクター監修の記事でそれぞれ解説します。溶連菌の感染により具体的にどのような症状がみられるのか把握しておきましょう。

溶連菌感染症の特徴的な症状に、「のどの痛み」「発疹」「イチゴ舌」などがあげられます。ここでは、それぞれの症状について詳しく解説します。

溶連菌によるのどの痛み

のどの痛みは、溶連菌感染症(咽頭炎、扁桃炎)の主症状とも言えます。溶連菌がのどに感染して、比較的強いのどの痛みや発熱を生じさせます。

また、溶連菌の感染により、のどが赤く腫れ、扁桃に白色の滲出物(しんしゅつぶつ:扁桃をおおう分泌物)がつくことがあります。

一般に咽頭炎・扁桃炎では、高熱とともに扁桃に白色滲出物が付着することも多いことから細菌感染とみなされやすいのですが、小児の滲出物を伴う扁桃炎を調査した研究では、ウイルスが42%(そのうちアデノウイルスが約46%)、溶連菌が約12%と報告されています。つまり、この滲出物があるか否かは、細菌感染の有無を示唆するものではないのです。

小児の場合、成人と異なる症状が出ることも

小児の場合、時に吐き気吐、腹痛などの症状が前面に出ることもあります。

危険なサイン

これらは、緊急性の高い病気(喉頭蓋炎、扁桃周囲膿瘍など)の可能性も考えた対応が必要になりますので、かかりつけ医がいる方は、すみやかに相談し、指示を仰ぎましょう。

かかりつけ医がいない場合は、地域の総合病院や救急病院などへ、受診する前に、まず相談しましょう。

●危険なサイン(緊急対応も考慮した対応が必要となる症状)

  • のどの痛みがつらい(特に「人生最大の咽頭痛」は、迷わず受診)
    (飲み込む動作をした際ののどの痛み(嚥下時痛)も注意が必要で、痛みが強かったり、悪化傾向があるなら、早めに受診)
  • つばが飲み込めない(小児の場合、よだれを流している)
  • くぐもった声(話す声が不明瞭になったなど)
  • 呼吸が苦しい(呼吸窮迫)
  • 息をするときに音がする(喉頭喘鳴(stridor))
  • 口を大きく開けられない(開口障害)

セルフケアのコツ

  • のどが痛いときには、刺激を与えるような熱いものや、辛いものは控えましょう。
  • 十分に水分をとりましょう。牛乳や麦茶などしみないものがよいでしょう。
  • のど越しのよいものだと、食べやすいでしょう。ゼリー、プリン、豆乳(豆腐もよい)など。

溶連菌による発疹(紅斑)

小児に見られる症状である。

A群β溶血レンサ球菌感染(咽頭感染が最多)によって産生されるエリスロトキシンが、全身の特徴的な発疹(紅斑)を引き起こす。この症状を「猩紅熱(しょうこうねつ)」と呼びます。看病をする親としては、見ていてつらいものですが、結論から言いますと、のどに感染した溶連菌が、のどの症状に加えて、この発疹を伴ったとしても、伝染力や予後(病気の進行具合,治療の効果などすべてを含めた見通し)に違いは生じません。

また、理由は不明ながら,猩紅熱は近年比較的まれな疾患になってきています。

※疾患(しっかん)とはいわゆる病気のことです。

皮疹(紅斑)の特徴と自然経過

  • 典型的な場合,紅斑は発病の当日から2日目頃に上半身に現れ,四肢(手足)に広がる。ワキや股の内側など摩擦の多いところから出現しやすい。
  • 紅斑は小丘疹(数mm大のポツポツ)からなる。皮膚をなでると特徴的な紙やすり状の感触がある。
  • 口囲蒼白,イチゴ舌などの症状をともなう。
  • 紅斑は、発病から6~9日後には沈静化し,その数日後に手のひらや足のうらに落屑(乾燥した皮膚の表層が、ポロポロと剥がれ落ちる)がみられる。
  • 麻疹や川崎病、全身性のアレルギー反応(たとえば、薬疹)などと症状が似るため、鑑別(区別をつけること)が必要となる。

セルフケア

溶連菌感染症が原因であれば、基本的に塗り薬は必要ありません。

かゆみがある場合には、抗ヒスタミンのぬり薬などが処方されます。

溶連菌によるいちご舌

前述した「猩紅熱」の際、皮疹とともに出現する症状の1つとしてイチゴ舌があります。

イチゴ舌の特徴と自然経過

  • 溶連菌感染の発病初期に、白いイチゴ舌(赤い乳頭をともない白い外被(苔のような、もの)をもつ舌)として出現します。発病3~4日目には、白い外被が脱落し、赤いイチゴ舌(赤い乳頭をともなう赤い舌)となります。
  • 川崎病などと症状が似ているため、鑑別(区別をつけること)が必要となります。

いずれの症状においても、溶連菌感染を治療する抗生物質の服用はとても重要です。

しっかりと治療するためには、症状がおさまっても指示された期間はしっかりと最後まで抗生物質を服用しましょう。

3つの症状を写真で紹介

今回ご紹介した3つの症状について、実際の写真をご紹介します。(外部リンクにジャンプします)

溶連菌による のどの赤み(写真)

愛知県衛生研究所ホームページより「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎について」
http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/67f/a_youren.html 2015年11月4日確認

溶連菌による発疹(紅斑)(写真)
NIID国立感染症研究所ホームページより「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは」より
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/340-group-a-streptococcus-intro.html 2015年11月4日確認
溶連菌によるいちご舌(写真)
NIID国立感染症研究所ホームページより「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは」より
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/340-group-a-streptococcus-intro.html 2015年11月4日確認

 

出典

  1. 小児上気道炎および関連疾患に対する抗菌薬使用ガイドライン
    私たちの提案草刈 章ら, 外来小児科, 8巻2号 146-173, 2005
  2. Putto A. Febrile exudative tonsillitis: viral orstreptococcal? Pediatrics 1987; 80: 6-12
  3. 見逃し症例から学ぶ日常診療のピットフォール 生坂政臣(著) 医学書院
  4. 聞く技術 答えは患者の中にある 上巻 Jr. Lawrence M.Tierney、山内豊明 (翻訳) 日経メディカル (編集) 日経BP社
  5. 今日の臨床サポート 急性咽頭炎 (溶連菌咽頭炎を含む)詳細情報 執筆:上山伸也 東京医科大学病院 感染制御部、監修:山本舜悟 京都大学大学院 エルゼビア・ジャパン(2015年10月12日確認)
  6. ハリソン内科学第4版 福井次矢, 黒川清 (監修) メディカルサイエンスインターナショナル
  7. 標準小児科学第3版 前川喜平、辻芳郎、倉繁隆信(編集) 医学書院

この病気・症状の初診に向いている科 内科