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溶連菌感染症(溶連菌による咽頭炎、扁桃炎)の病院での検査

更新日:2018/05/18 公開日:2015/11/16

溶連菌感染症の治療と対策

診察で溶連菌感染が疑われた場合、溶連菌に感染しているかどうかを検査で確認する方法は、主に2種類あります。それぞれの具体的な検査方法と特徴、メリット、デメリットについて、ドクター監修の記事でお伝えします。

溶連菌による咽頭炎、扁桃炎に対して行う検査がどのように行われるのか、事前に知っておくとよいでしょう。

溶連菌感染症(溶連菌による咽頭炎、扁桃炎)の検査方法

診察室では、患者さんの年齢、発熱の程度、のどや首の所見、咳の有無など、溶連菌に感染している可能性を見積る項目(Centor Criteria;センター基準)などを確認しながらみていきます。

しかし、溶連菌という細菌感染による咽頭炎・扁桃炎と、そうでない咽頭炎(たとえば、ウイルス感染である伝染性単核球症など)との特徴が、かなりの部分で似ているため、問診と身体診察では、区別できないことがあります。

そのため、判断材料としての検査が必要になるのです。

現在主流となっているのは、次の2つの方法です。それぞれの具体的な検査方法とメリット、デメリットを紹介します。

  • 溶連菌迅速診断キット(咽頭A群レンサ球菌迅速抗原検査)
  • 咽頭細菌培養検査

溶連菌迅速診断キット(咽頭A群レンサ球菌迅速抗原検査)

綿棒でのどの粘膜をこすって調べます。溶連菌の表面にある抗原と検査キット内に用意されている特異抗体(溶連菌にのみ反応する物質)とを反応させることで検出します。

・すでに抗生物質を飲んでいる場合には、この検査に反応しなくなることがあり、その場合は、判断が難しくなります。

<メリット>
・15~20分以内に反応が出るため、その場で判断する際の助けになります。
<デメリット>
・この検査は、溶連菌(A群β溶連菌)のみを調べるものになるため、別の病気の有無はわかりません。

咽頭培養検査

綿棒でのどの菌を摂取し、その後、専用の容器内で、生きている細菌を増やしてから顕微鏡で菌を調べる方法です。溶連菌の検査では、この方法がもっとも確実な診断方法ではありますが、下記の理由により、状況に応じて活用することになります。

<メリット>
・どの抗生物質を用いれば、より効果があるかを判断する材料になります。
・溶連菌だけでなく、ほかの細菌感染の有無も判断できます。
・そのため、治療に難航する場合や再発を繰り返す患者さんの場合には、培養検査を行い耐性菌の有無やより効果が期待できる抗生物質を選ぶ際の資料として用います。
<デメリット>
・生きている細菌を増やしてから顕微鏡で調べる方法のため、検査結果が出るのは数日~1週間以降になります。
・こちらも、抗生物質を服用していると、診断はかなり難しくなります。

溶連菌迅速診断キットは、その場で検査結果が分かる点がすぐれていることから、通常の場合、この検査結果を参考に判断をします。しかし、治療に難航する場合などには、培養検査も必要になってきます。

なお、2つの検査を同時に行うことは、保険適用外となります。また、実際には治療が困難な患者さん以外で、同時測定が必要になる場面はあまり多くありません。

出典

  • Clinical Practice Guideline for the Diagnosis and Management of Group A
  • Streptococcal Pharyngitis: 2012 Update by the Infectious Diseases
  • Society of America, Clin Infect Dis. (2012) 55 (10): e86-e102.