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糖質の過剰摂取で太るメカニズム

更新日:2017/08/22 公開日:2015/10/30

糖質制限ダイエットが注目を集めていますが、健康的に実践するためには、糖質のとり過ぎによって太る仕組みを理解しておくことが役立ちます。体内に摂取された糖質は、どのように脂肪になっていくのか、そのメカニズムを見てみましょう。

とりすぎた糖質で太るのはなぜ?

食事などから体内に摂取された糖質は、消化器官での分解を経て小腸でブドウ糖として吸収され、活動するうえでのエネルギー源となります。小腸から吸収されたブドウ糖の一部は血液中に放出されて全身に運ばれ、細胞に取り込まれてエネルギー源となります。この時、ブドウ糖を細胞に取り込む手助けをしてくれるのがインスリンです。

インスリンは、膵臓のβ細胞(ベータ細胞)で作られるホルモンです。食事をとって血糖値が上がると、膵臓が素早く血糖値の上昇に反応してインスリンを分泌します。そして分解されてブドウ糖となった糖質の大半は、インスリンの働きによってエネルギーとして利用され、それ以外の少量はグリコーゲンという物質に変えられ、肝臓や筋肉に蓄えられます。こうしてインスリンによって食後に増えた血糖は速やかに処理され、一定の値に保たれているのです。

ところが、グリコーゲンとして蓄えきれなかったもの、つまり過剰に摂取した糖質は、血糖値を下げようとするインスリンの働きによって脂肪細胞などにどんどん蓄えられます。こうして蓄えられた脂肪が蓄積して、やがて肥満となってしまいます。これがとりすぎた糖質が脂肪となり、太ってしまうメカニズムです。

糖質を多く摂ると脂肪は燃焼されにくい

脂肪が燃焼するには、体に蓄えられた中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールに分解されて血中に放出される必要があります。遊離脂肪酸が筋肉(特に持久力のある赤筋繊維)に運ばれると、二酸化炭素と水に分解され、このときに生じるエネルギーで筋肉を動かします。軽めのランニングなどの運動を長時間継続する有酸素運動で脂肪が燃焼されやすいといわれるのはそのためです。

中性脂肪の分解は、ホルモン感受性リパーゼによって促されます。このホルモン感受性リパーゼの働きは空腹時には強まりますが、満腹時には弱まります。食事をした直後は血糖値が上昇し、インスリンが分泌されます。インスリンにはホルモン感受性リパーゼの働きを弱め、脂肪の分解を抑制する作用があります。

糖質をたくさん摂取しているかぎりは、糖質やグリコーゲンが先にエネルギーになり、脂肪は燃焼を始めません。過剰に糖質を摂取していると、脂肪がなかなか燃焼しないばかりか、余分な糖質が脂肪となって蓄積されて増えていくという悪循環が起こります。ですから、糖質の過剰摂取で太る悪循環を断ち切るためには、糖質・脂質の摂取量を減らして脂肪が燃えやすくなるようにすることも大切なのです。

ただし、血中の遊離脂肪酸が多いことが健康を意味するわけではありません。多すぎる遊離脂肪酸は動脈硬化、肥満、心筋梗塞などとも関連しています。糖質を過剰に摂取することが太ることにつながっていくわけですが、だからといって極端に糖質の摂取を制限することはおすすめできません。無理に糖質をカットすると、健康に悪影響をきたす恐れもあります。自分の体調や活動量を見極めながら、あくまで摂り過ぎないようにすることが大切です。

糖質制限による健康影響についての注意事項

糖質制限の効果や安全性については諸説あります。例えば、効果に関して、63名の肥満の男女を低炭水化物食群とカロリー制限低脂肪食群に分けて行った研究で、6か月後では低炭水化物食群の減量幅が大きかったが、1年後になると両者の違いは見られなかったとしています[1]。また、日本糖尿病学会は運動療法と総エネルギー摂取量の制限を重視し、糖質制限に関して、「総エネルギー摂取量を制限せずに、炭水化物のみを極端に制限して減量を図ることは、その本来の効果のみならず、長期的な食事療法としての遵守性や安全性など重要な点についてこれを担保するエビデンスが不足しており、現時点では薦められない」としています[2]。当コンテンツはあくまでも糖尿病などのリスクを持たない健康的な人を対象としていること、また、健康的な人の場合でも糖質制限を取り入れることでの長期的な効果や、健康への影響について否定的な意見があることにご注意ください。

参考文献

  1. [1]Gary D. Foster, et al. A Randomized Trial of a Low-Carbohydrate Diet for Obesity, N Engl J Med 2003; 348: 2082-2090
  2. [2]日本糖尿病学会. "日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言" 日本糖尿病学会. http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=40(参照2017-06-29) 

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