スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

慢性胃炎の原因と症状、治療法

更新日:2016/12/09 公開日:2015/12/08

腹部膨満感をともなう病気・症状

胃もたれや胸やけ、膨満感、食欲不振など、胃の不快な症状が長期間続く場合は、慢性胃炎の可能性があります。ここでは、慢性胃炎とはどんな病気で、原因や治療法にはどういったものがあるのか、ドクター監修の記事にて詳しくお伝えします。

慢性的に胃の不快な症状に悩まされる慢性胃炎について、以下で詳しく解説します。

慢性胃炎とは

胃炎とは胃の粘膜に炎症が起こる状態ですが、大きく急性胃炎と慢性胃炎に分類されます。急性胃炎は、ストレスやお酒の飲み過ぎなどの原因を受けてから短期に症状を起こし、原因を取り除くと回復しやすいのが特徴です。

これに対して、慢性胃炎は、胃炎が長期間、くりかえし起こることで胃粘膜が変化してしまう状態で、完治するのは難しいといわれています。では、慢性胃炎はどのような原因で起こるのでしょうか。

原因

慢性胃炎の原因は、以前は「加齢」によるものといわれていました。

そもそも、食べ物を消化する胃液は、自分の胃の粘膜を溶かしてしまうほど強い力を持っています。しかし、そうならないのは、胃壁から分泌される粘液が、胃粘膜を保護してくれているためです。しかし、歳をとると胃粘膜を守る防御機能が徐々に衰えるといわれています。そのため、「加齢」が慢性胃炎の原因と考えられていました。

ところが、1982年にピロリ菌が発見され、その考えは大きく覆されました。現在では、慢性胃炎の原因のほとんどがピロリ菌の感染によるものだと明らかにされています。

ピロリ菌は、正式にはヘリコバクター・ピロリ菌と呼ばれる細菌のことで、日本人の約半数が持っているといわれており、その多くが、5歳くらいまでの間に家族から感染したと考えられます。

感染したピロリ菌が胃に棲みつくと、ピロリ菌がアンモニアを生成します。そして、ピロリ菌が発生したアンモニアが胃の粘膜を刺激することで、炎症を起こさせ、慢性胃炎になります。また、慢性胃炎が長く続くと胃の粘膜が萎縮(※)する「萎縮性胃炎」に移行し、胃がんになるリスクが高まるといわれています。

※ここでいう萎縮とは、胃の粘膜が薄くなることをさします。

幼少期に感染したピロリ菌が原因で、30歳頃から萎縮性胃炎になるケースが増えてきているようです。

症状

慢性胃炎になると胃の働きが低下するため、胃部の膨満感が起こります。

他にも症状として、胃もたれや胸やけ、食欲不振などもおこります。なんとなく胃に不快感があるといった軽い場合もあれば、炎症が強くなると胃痛や吐き気、嘔吐など急性胃炎のような激しい症状が現れることもあります。

慢性胃炎の治療法とは

現在では、ピロリ菌を除菌する治療法が主なものです。その理由は、ピロリ菌を除去することは慢性胃炎の進行を抑制し、臨床試験で萎縮した胃粘膜の改善が認められたからです。

ピロリ菌の除菌治療は、ピロリ菌の感染検査と内視鏡検査によって「ピロリ菌が存在する慢性胃炎」と診断された場合に行われます。治療内容としては、2種類の抗生剤を7日間服用後、8週間たってから再び検査をし、まだピロリ菌が確認されたら2回目の除菌治療を行うというものです。なお、除菌療法を行った場合のピロリ菌を完全に除去できる割合は、60~70%といわれています。

なお、慢性胃炎のピロリ菌の除菌療法は、2013年2月から健康保険が適用されるようになりました。ただし、健康保険が適用されるのは2回目の除菌治療まで。慢性胃炎以外にも、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の場合のピロリ菌の除菌療法にも健康保険が適用されます。

また、ピロリ菌の除菌療法は、若いうちに行うと、萎縮性胃炎の予防効果もあるといわれています。そのため、若い世代の人でも、胃の不調を感じたら早めに医療機関を受診し、検査してみるとよいでしょう。

この病気・症状の初診に向いている科 内科