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はしか(麻疹)が原因で起こる合併症

更新日:2016/12/09 公開日:2016/03/08

はしか(麻疹)の基礎知識

はしかは、高熱や発疹などの症状が強く現れ、重症化しやすい病気ですが、そのために体力を消耗し、命を脅かすような合併症を引き起こすこともあります。今回は、はしかによって起こる合併症にどんなものがあるのかを解説していきます。

はしかが原因で起こる合併症の種類や、予防方法を見ていきましょう。

はしか(麻疹)が原因で起こる合併症

はしかにかかると、体力を消耗し、抵抗力が下がるので、細菌などに感染しやすくなり、30%の人が合併症にかかるといわれています。合併症の中には、重症化すると命を落とすものもあり、2001年のはしかの流行の際は、約30万人の感染者のうち、80名前後が合併症で亡くなったと推定されています。

はしかが原因で起こる合併症には、次のものがあります。

肺炎

はしかに合併する肺炎には、ウイルスの増殖にともなう免疫反応・炎症反応によって起こる「ウイルス性肺炎」、ほかの細菌への二次感染で起こる「細菌性肺炎」、肺ではしかウイルスが持続感染して生じる「巨細胞性肺炎」の3種類あります。肺炎は、はしかの合併症の約半数を占め、人工呼吸器が必要になったり、死に至ったりすることもある非常に危険な合併症です。

中耳炎

細菌の二次感染によって、中耳(鼓膜の奥の部分)に起こる炎症で、耳が痛くなったり、耳から膿が出たりします。中耳炎は、はしか患者の5〜15%くらいに見られます。

クループ症候群

声帯やのどの周辺がウイルスや細菌の感染によって炎症を起こす病気の総称で、小児(特に乳幼児)によく見られます。ケンケンという乾いた咳、犬の遠吠えや、アシカの鳴き声に似た咳をするのが特徴です。また、息を吸うときにヒューヒュー音がしたり、声がかすれたり、呼吸困難に陥ったりもします。

心筋炎・心外膜炎

「心筋炎」は心臓の筋肉に起きる炎症、「心外膜炎」は心臓を覆う膜に起きる炎症で、どちらも、まれに見られる合併症です。また、はしかになった半数以上の人に、一過性の心電図異常が見られますが、重大な結果になることはあまりないようです。

脳炎

脳に起きる炎症です。はしかの1000例に0.5~1例ほどしか見られませんが、発症すると5%の人が死に至る重篤な合併症です。一命を取り留めても、20〜40%の人に後遺症が残ります。

亜急性硬化性全脳炎

はしかウイルスの感染によって、ゆっくりと進行していく脳炎です。はしかにかかってから7〜10年後に発病し、知能障害や運動障害が徐々に進行していきます。発生頻度は、はしかの10万例に1人と極めてまれです。

合併症の予防・対策

はしかそのものを治す特効薬はないので、発症したら対症療法で乗り切るしかありません。このため、合併症を予防するには、はしかにかからないようにすることが重要です。そのためには、ワクチンを接種し、はしかウイルスへの免疫を獲得しておくことが大切です。はしかのワクチンは、2回接種することで、免疫を確実に獲得できるといわれています。また、はしかに一度かかった人にも抗体はつくられます。

過去に2回ワクチンを受けたかどうか、はしかにかかったことがあるかどうかが、曖昧な人は、免疫の状態を調べる「抗体検査」を受け、必要に応じてワクチンを接種しておきましょう。抗体を持っている人がワクチンを接種しても問題はありません。

また、はしかを発症したら、注意深く経過観察をすることが、合併症を防ぐポイントになります。発疹が出てから4日以上発熱が続いたり、一度下がった熱が再び上昇する際に、顔色が悪くなったり、呼吸が苦しくなったりした場合は、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。そして、病院で薬を処方してもらったら、医師の指示を守って、最後まできちんと服薬しましょう。