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おねしょが治らない!大人の夜尿症対策

更新日:2017/03/22 公開日:2016/02/21

夜尿症の予防・対策

大人なのにおねしょをしてしまう「大人の夜尿症」は、実は意外とありふれた病気です。羞恥心から表面化しにくいケースもありますが、悩まず治療することも大切です。ドクター監修のもと、大人の夜尿症の症状や対策などを解説します。

多くの場合、年齢とともに治まっていく夜尿症。ですが、成人の0.5%くらいが夜尿症であるといわれており、「大人はおねしょをしない」というのは間違った常識です。なかなか人に相談できない大人のおねしょ、どう対処したらいいのでしょうか。

まずは適切な治療を

実は大人の夜尿症(おねしょ)は珍しくない病気です。大人全体の0.5%に見られ、思春期以降の夜尿症の患者数は女性に多いといわれています。しかし、羞恥心からなかなか受診することがなく、実際にどれほどの方が悩んでいるかはよくわかっていません。欧米では約3%の大人に夜尿症があるというデータがあります。

「自分だけがおかしいのでは」と悩むことはありません。泌尿器科または夜尿症専門の「夜尿外来」を、思い切って受診してみましょう。

大人の夜尿症の原因

大人の夜尿症の原因として、「抗利尿ホルモン」の不足がもっとも多いとされています。抗利尿ホルモンとは尿量を抑制するホルモンのことで、体内の水分量を調節する働きがあります。通常であれば夜間の就寝時は抗利尿ホルモンが多く分泌されるため、朝までトイレに起きずに済むのですが、このホルモンが十分に分泌されていないと夜間に多量の尿が作られて膀胱からあふれてしまい、夜尿症となります。

抗利尿ホルモンが原因の場合は、薬でコントロールが可能です。また睡眠ホルモンであるメラトニン(国内では未認可)を服用すると、間接的に抗利尿ホルモンを増やし、夜間の排尿回数を抑えられるという報告もあります。

一方で、大人になってから突然起こる夜尿症の場合、心因的な影響によるものも考えられます。排尿のコントロールは自律神経によって行われていますが、自律神経は感情と深い関連性があるため、強いストレスにより、夜尿症を引き起こすことがあるのです。

一次性と二次性の違い

夜尿症には、一次性と二次性の違いもあります。

一次性夜尿症(全体の80~90%)

子供のころからのおねしょが大人になっても継続しているものです。

治療法には薬物療法やアラーム療法といったものがあります。薬物療法では夜尿症のタイプに合わせて、「抗利尿ホルモン剤(デスモプレシン:ミニリンメルト)」や「抗コリン剤(コハク酸ソリフェナシン:ベシケアなど)」、「三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩:トフラニールなど)」などが処方されます。

また、アラーム療法は専用のアラーム装置を用いた治療法で、夜尿によってパンツ(おむつ・パッド)が濡れた時にブザーやバイブレーション機能が働き、その刺激で瞬間的に睡眠深度が浅くなることで、反射的におしっこを止めるようになり、さらに膀胱に尿を溜める力がついていき、朝まで排尿を我慢できるようになります。効果が出るまでには平均1~3か月、もしくはそれ以上かかる場合もあります。

以前病院に行ったけど治らなかった、という方も、もう一度受診してみてください。医学は日々進歩しています。前よりももっと自分に合った方法が見つかるかもしれません。

二次性夜尿症(全体の10~20%)

一度はなくなった夜尿が、半年から1年以上の期間を置いて再発した場合を指します。子供のころのおねしょは成長とともになくなったものの、大人になっていきなりおねしょをするようになった場合などがこれに当てはまります。

原因としては前述のとおり、過度のストレスなど心因性のものが多く見られます。この場合は適切な心理カウンセリングを受けると完治することがあります。また、アルコールの過剰な摂取や睡眠薬の服用が原因となることもあります。

夜尿症の中には重大な病気が隠れていたりする事があります。気をつけたいのは腎臓や膀胱の病気、または脳血管障害など神経の病気が背後に隠れている場合があり、病気の早期発見と治療が必要です。夜中に尿量が増える糖尿病や尿崩症、睡眠時無呼吸症候群、頻尿や尿漏れをともなう膀胱・前立腺疾患の可能性も考えられます。詳しくは、『重大な病気が隠れていることもある大人の夜尿症』をご覧ください。

生活の中で気をつけるべきこととは

寝る時間を決め、夜ふかしをしない。規則正しい生活を

規則正しい生活をするようにしましょう。寝る前には、必ずトイレに行く習慣をつけ、寝ている間は体を冷やさないようにしましょう。また、質のよい睡眠を取ることも大切です。熟睡することで、抗利尿ホルモンの分泌がよくなり、夜間の尿量を少なくする事ができます。

尿を溜める、排出する機能は自律神経がつかさどっています。生活リズムを整えることは、自律神経を活性化させることに繋がります。しっかり尿を溜めることができるようになります。

水分のとり方に気をつけて、お酒を飲みすぎない

夕方からの飲水はできるだけ控えましょう。特にアルコールは利尿作用もあり、夜間の尿量が多くなります。コーヒーやお茶などカフェイン類、果物など水分やカリウムを多く含む食物も利尿作用があるのでできるだけ控えましょう。また、泥酔してそのまま寝てしまうと、夜間の尿意に気づかないことがあります。

ストレスを溜めない

ストレスは自律神経の働きを鈍らせます。日ごろからストレスや疲れを溜めないように適度に休息をとるように意識しましょう。ストレスでよく眠れない、眠りが浅い、嫌な夢を多くみるなどの睡眠障害も夜尿を引き起こしやすくなります。

夜尿症は、その夜尿について悩むこと自体がストレスとなって改善を妨げていることもあります。思い切って専門医に相談すれば安心感から夜尿が軽減することもあるので、一度受診して相談してみることをおすすめします。

膀胱訓練・骨盤底筋体操

膀胱訓練:膀胱に尿を溜める練習をしましょう。尿意があってから5分、10分とがまんする時間を延ばしていきます。1回の排尿量が、200ml~300mlを目標に、トイレに行くのをがまんしてみます。ただし膀胱訓練が適さない時もあるので、医療機関に相談するようにしましょう。

骨盤底筋体操:肛門・尿道・膣をぎゅっと5秒間ほど締めた後に、緩める動作を、4~5回くりかえす体操を行ないましょう。骨盤底筋を鍛えることで、尿漏れを防ぎ、尿を溜めることができるようになります。

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