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低血糖に陥った場合の対処法

更新日:2018/06/05 公開日:2016/03/28

低血糖症のよくある疑問

低血糖を起こすタイミングは毎回同じではなく、人によっても異なります。管理は難しいですが、意識が無くなるなど、いざというときのために、周囲の方と連携しておくことが大切です。低血糖の対処法についてドクター監修のもと解説します。

健康な人でも、糖の摂取が不足すると低血糖の症状が現れることがあり、糖尿病の方は特に引き起こしやすいといわれています。正常な空腹時の血糖値は、約70~110mg/dLですが、70mg/dLを下回る数値が見られれば低血糖ということになります。それでは、低血糖を起こしてしまった場合、どういった対処が必要になるのでしょうか。

低血糖の症状

糖尿病を薬で治療している人が食事制限や急に激しい運動をすることで、低血糖になるケースが多いです。血糖が正常値を下回ると、動悸や空腹感をおぼえ、症状が進行すると倦怠感や重い場合には昏睡状態に陥いることになり、死に至ることもあります。

低血糖を起こしやすい時間や場所を把握する

低血糖は、前触れなく起こることがあるので気をつけましょう。低血糖を経験したことがある方は、自分の症状の特徴やタイミングなどを把握しておく必要があります。一般的に、血糖降下剤を投与した後や食事の直後、空腹時、運動後は、血糖値が変動しやすくなります。低血糖の症状が出ても、低血糖と異なる原因の可能性もあります。血糖値を自己管理している方で余裕のある場合は、血糖値を測って確認しましょう。

はっきりと症状が出ないこともあります。また、空腹時血糖値が70以上でも低血糖の症状を起こすケースもあります。

意識がある場合

低血糖を起こしたときに意識があれば、砂糖またはブドウ糖などの吸収が早い糖分を摂取します。糖分を多く含むジュース類でも構いません。糖分を摂取してから15~20分後には症状が治まりますが、15分経っても症状が変わらなければ、もう一度同じように糖分を摂取してください。

アカルボースなどの薬による低血糖の場合、すぐに糖分が吸収されず回復しにくいことがありますが、ブドウ糖であればすぐに吸収され回復します。低血糖はいつどこで起こるかわからないため、いざというときに備え、ブドウ糖は常に携帯しておきましょう。

意識がない場合

意識のない低血糖に陥ったときに、ブドウ糖を摂取させる場合は、歯茎と唇の間に擦り込むか、携帯しているグルカゴン注射を打つなどの対処をしてもらいます。症状が改善しない場合は病院に搬送してもらい、医師による治療を受けます。重度の低血糖に対し、医師が行なう治療には、ブドウ糖の静脈注射、グルカゴンの筋肉注射、皮下注射があります。

無自覚性低血糖の人はもちろん、低血糖の自覚がある人も、家族や職場の人など身近な人に、低血糖に陥ったときの対処をお願いしておきましょう。

意識が回復した後、再発した場合

低血糖がなぜ起こったのかを糖尿病手帳などに記載し、原因究明や低血糖になったら生じる初期症状などを把握しておきます。医師に受診した際は、その旨を報告し、再発防止について指示を仰ぐようにしましょう。

また、自己判断でのインスリンの調整も低血糖を招きかねないので、医師の指示にしたがって、適切な量を守りましょう。再発したときに備え、ジュースや甘いもの、すぐに購入できるように、小銭を用意しておくとよいでしょう。

糖尿病患者用IDカード

糖尿病患者用IDカードとは、重度の低血糖症で倒れた場合などの緊急時に、周りの人や医療関係者に自分が糖尿病であるということを知らせ、適切な対応をしてもらうためのカードです。糖尿病IDカードには、住所、氏名、電話番号、かかりつけの医療機関名、医療機関の電話番号、主治医名、カルテ番号、飲んでいる薬や治療内容について記載する欄があります。

低血糖の状態になると、動悸や震え、意識障害などの症状があらわれ、言葉で伝えられなくなることがあるので、カードを常に持ち歩いておくことも重要です。

自動車の運転について

低血糖の方は、運転免許交付に際し、いくつかの制限があります。

  1. 低血糖を起こしても症状が軽いうちに自覚することができ、運転をやめ、糖分を補うことが可能な方
  2. 運転前の糖分の摂取などにより、血糖値のコントロールができ、運転中の低血糖を予防できる方

以上の項目に問題がなければ、各都道府県の公安委員会に判断のもと申請手続きをへて免許交付となります。

しかし、上記の項目を理解し、運転上問題ないとしながらも事故を起こしてしまった場合には、免許が取り消されるなどの処分が下されます。

そうならないためにも、自動車を運転する前に以下の事を怠らないようにしましょう[1]。

  • 運転前に血糖値を測定する ※安全な血糖値の目安は100mg/dl以上
  • 空腹状態をさけ、糖分となるものを口に入れてから運転する
  • いつ低血糖状態になってもすぐ対応できるように、車内にはジュースや甘いものを常備しておく
  • 一人で運転することは避ける
  • 運転中に低血糖を起こした場合は、慌てずに車を路肩など安全な場所に移動させたのち、糖分の補給をすみやかに行なう

無自覚低血糖について

通常、低血糖状態になると現れる動悸や頭痛などの症状を自覚できない状態を「無自覚低血糖」といいます。低血糖が頻繁に起こる人や、他の疾患により自律神経障害を起こしている人は、低血糖の状態を把握できず、突然意識を失ったり昏睡状態に陥ってしまいます。特に運転中に無自覚低血糖が起こると、重大な事故につながる可能性があります。

参考文献

  1. [1]国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター. "糖尿病と車などの運転のはなし" 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター.
    http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/080/050/01.html(2018-06-05)