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過敏性腸症候群(IBS)とうつ病の関係とは

更新日:2016/12/09 公開日:2016/03/21

過敏性腸症候群(IBS)のよくある疑問

過敏性腸症候群(IBS)の患者さんでは、うつ病や不安症が合併していることが多いといわれています。ここでは、ドクター監修のもと、心の病気と過敏性腸症候群の関係や、過敏性腸症候群の治療における抗うつ薬・抗不安薬の使用について解説します。

過敏性腸症候群(IBS)の患者さんでは、うつ病や不安症などといった心の病気を抱えているケースが多いことが知られています。心の病気を治療することで、過敏性腸症候群の症状は改善するのでしょうか。ここでは、うつ病や不安症と過敏性腸症候群の関係について解説します。

うつ病があると過敏性腸症候群(IBS)を発症しやすい

過敏性腸症候群は、うつや不安といった心理的側面と密接な関係があります。さまざまな臨床研究によって、うつ病と不安症が過敏性腸症候群を発症するリスク要因になることが分かってきました。逆に、過敏性腸症候群は単独ではうつ病や不安症のリスク要因にはなりませんが、検査をしても胃や腸に異常が認められないのに不快な症状が続く「機能性消化管疾患」という病気全体でみると、機能性消化管疾患があることでうつ病や不安症の発症リスクが高まります。

過敏性腸症候群は、感染性胃腸炎がきっかけで発症することがありますが、うつがあると、感染後に過敏性腸症候群を発症するリスクが高まると指摘されています。

抗うつ薬や抗不安薬も治療の選択肢のひとつ

過敏性腸症候群に対する治療は、消化器そのものに対する治療と心理的側面に対する治療のふたつを組み合わせて行います。日本消化器学会の治療ガイドラインでは、まず消化器機能を改善する治療を行い、効果が出なければ抗うつ薬などを使用し、心理的側面に対する治療を行うとされています。

うつ病や不安症がある患者さんでは、それらを治療することで過敏性腸症候群の症状が軽減すると考えられるため、抗うつ薬や抗不安薬の使用が検討されます。抗うつ薬のうち、臨床試験などによって過敏性腸症候群に対する効果が認められているのは、三環系抗うつ薬とSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の2種類です。いずれの薬も、脳に働きかけることで抗うつ作用をもたらしますが、それ以外にも、腹痛に対する鎮痛作用によって症状の軽減に寄与すると考えられています。

抗うつ薬や抗不安薬は副作用も出やすい

抗うつ薬や抗不安薬は、過敏性腸症候群の症状改善に効果がある一方、副作用も出やすい薬です。三環系抗うつ薬は、腹痛や下痢に効果があるのに対して、便秘は改善されないと指摘する研究結果がありますが、便秘は三環系抗うつ薬の代表的な副作用のひとつです。ほかにも、眠気や口渇などの副作用があります。また、抗不安薬のなかには依存性が生じる薬もあります。

過敏性腸症候群の治療では、薬を使用することによるメリットとデメリットのバランスを考えて、他の治療で効果が得られない場合に抗うつ薬や抗不安薬が使用されるべきです。