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口唇口蓋裂とは?原因と治療法、成長発達まとめ

更新日:2018/06/21 公開日:2016/04/27

口唇口蓋裂の基礎知識

先天異常の一つである口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)。口唇口蓋裂の原因は一つではなく、治療法もそれぞれに合わせて行います。口唇口蓋裂とはどんな病気なのか、原因や治療法、その後の成長発達について、ドクター監修の記事で解説します。

口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)とはどのような病気なのか、原因や治療法、その後の成長発達について、ドクター監修の記事で解説します。

口唇口蓋裂とは

口唇口蓋裂とは、先天異常(生まれつきの異常)のひとつです。数多くの種類がある先天異常のなかでも、日本人に多い疾患となります。口唇口蓋裂は目に見える部位での形態異常ですが、口腔とあごに発生するものとして、口唇裂(こうしんれつ)や口蓋裂(こうがいれつ)が一番多く見られます。

口唇口蓋裂にともなう障害

哺乳障害

口唇・口蓋裂では、軟口蓋と咽頭の間の閉鎖がスムーズにいかず(鼻咽腔閉鎖機能不全)、吸う力が弱くなってしまいます。そのため哺乳が困難となり、ミルクを飲む際に時間が長くかかる場合があります。

言語障害

軟口蓋と咽頭の間の閉鎖がスムーズにいかず鼻から息がもれてしまいます。そのため、話し言葉が聞きづらくなることがあります。4~5歳頃から、言語聴覚士により言語発達のトレーニングを行って治療していきます。

咀嚼(そしゃく)障害と嚥下(えんげ)障害

口蓋裂や歯並びが悪いことで、うまく咀嚼できないことあります。手術を行うことで、裂けている部分をふさぐだけでなく、食べ物をうまく飲み込めるようになります。

中耳炎

口蓋裂の子供は中耳と鼻をつなぐ細い管(耳管)がうまく働かず、中耳腔に滲出液(しんしゅつえき)がたまることにより、滲出性中耳炎にかかりやすくなります。

滲出性中耳炎になると、難聴や耳のつまり、自分の声が響くなどの症状が起こります。しかし痛みをともなわないために小さな子供では気が付きにくいことが多く、3歳児健診で発見されることもあります。

そのほか合併症として、顔面の他の異常、心臓疾患、手足の異常、色々な症候群(ダウン症候群、ピエール・ロバン症候群など)があげられます。

詳しくは『口唇口蓋裂の症状にともなう合併症の問題』をご覧ください。

口唇口蓋裂の種類

口唇口蓋裂には大きく分けて口唇裂(こうしんれつ)・顎裂(がくれつ)・口蓋裂(こうがいれつ)の3種類があります。裂け目が唇だけのものは口唇裂、歯槽(はぐき)が分断されているものは顎裂、口蓋(口の中の天井部分)が開いているものは口蓋裂と言い、これらが複数同時に起こると、口唇顎裂、唇顎口蓋裂といった病気となります。

その中でも、口唇裂や口蓋裂がもっとも多くみられ、さらに顔の一部も裂けている斜顔裂(しゃがんれつ)、横顔裂(おうがんれつ)といった病気も存在します。これらには片側性、両側性、完全、不完全といった分類がそれぞれにあります。またこれらは耳や指の形態異常をあわせ持った症候群もみられることもあり、その程度はさまざまです。

口唇口蓋裂の原因

遺伝的要因と母胎内の環境的要因という2つの要因が複雑に関係することで発生します。ただし詳しい発生原因については解明されていないことも多く、大部分の原因は不明です。

原因について、詳しくは『遺伝も関係する?口唇口蓋裂が起こる原因』をご参照ください。

口唇口蓋裂の治療

基本的な治療は、手術により開いている部分を縫い合わせ正常な形へと戻します。

口唇口蓋裂は、現在ではエコーの解像度の向上により出生前の検査で見つけことも可能となってきました。

発見された場合は専門医を受診し、出産後の治療の流れなど説明を受けます。出産後、早期に専門機関で治療を受けることが可能になります。現在は手術法をはじめとする治療技術の発達により、手術を受けた痕跡がほとんどわからないように治療することが可能となっています。

またこの治療は、出生直後から成人になるまで長期間にわたる治療が必要となってきます。歯並びを改善するためにも、乳歯の時期より歯科矯正治療が必要になる場合もあります。

歯科矯正治療では、上あごの横幅を拡大する治療・受け口を改善するための治療・顎裂部分に骨を移植する治療などが行われます。

詳しくは『口唇裂の手術、口唇形成術について』『口唇口蓋裂の歯科矯正治療』をご参照ください。

口唇口蓋裂患者の成長発達

口唇口蓋裂の子供は、その症状のために上あごや顔面の発育がもともと小さくなりがちです。また、手術の影響により、さらに上あごの発育が滞ることがあります。そのため相対的に下あごが出てしまい(受け口)、噛み合わせや外見に影響を及ぼすことがあります。その場合は顔の成長が終わったのちに、上あごや下あごの骨を移動させる形成手術を行うこともあります。

生まれてきた赤ちゃんが口唇口蓋裂であると、将来きちんと成長できるか不安になるかもしれません。しかし、医療技術の発達もあり、口唇口蓋裂は成長に合わせ適切に治療することにより、多くの子供は成長・発達に大きな障害をきたすことなく順調に成長します。