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腰椎椎間板ヘルニアの治療(3)PLDD(レーザー治療)

更新日:2018/05/25 公開日:2016/05/20

腰椎椎間板ヘルニア

PLDDは、背中から針を刺しレーザーで腰椎椎間板ヘルニアを蒸散させる治療法です。身体の負担が少なく術後の回復が早いなどの特徴があります。ドクター監修のもと、PLDDのメリットとデメリット、メカニズムや費用などについて解説します。

患者への負担が少なく、日帰り手術も可能であると注目の腰椎椎間板ヘルニアの治療「PLDD(経皮的レーザー椎間板髄核減圧術)」について解説します。

PLDDはレーザーを用いた治療法

腰椎椎間板ヘルニアの治療では、「保存療法(薬物療法、運動療法、装具療法、物理療法などの手術以外の治療法)」と「切開手術」が一般的ですが、近年、レーザーを用いた治療法「PLDD」が注目されています。「PLDD」は、「Percutaneous Laser Disc Decompression」を略したもので、日本語にすると「経皮的レーザー椎間板髄核減圧術」といいます。

PLDDのメカニズム

人間の背骨(脊椎:せきつい)は24個の「椎骨」が積み重なって構成されています。「椎間板」は、椎骨と椎骨の間で、クッションの役割をしている軟骨組織です。「腰椎椎間板ヘルニア」は、この椎間板に亀裂が入り、椎間板の中心部にある髄核(ずいかく)が外にはみ出してしまった状態を言います。はみ出した髄核は神経を圧迫して、腰や足に痛みやしびれを引き起こします。従来の手術療法では背中を切開し、神経を圧迫しているヘルニアを切除していました。これがいわゆる切開手術です。

PLDDは、背中から椎間板に針を刺し、椎間板そのものにレーザーを照射し、髄核を蒸散させ神経への圧迫を軽減する術式です。髄核にレーザーを照射すると、レーザーの熱により髄核の一部が蒸散し、椎間板内に小さな空洞ができます。この空洞をなくそうと椎間板が萎縮することで、はみ出た部分が引き戻され神経への圧迫が軽減されます。

PLDDのメリット

PLDDは切開手術と比べて、次のようなメリットがあります。

体への負担が少ない

従来の手術の場合、一番古いLove法(直視下での手術法)で約7cm、顕微鏡下椎間板切除術で約3cm、内視鏡下椎間板切除術(MED)で約1.8cm、背中を切開する必要がありました。

PLDDでは、およそ1mm程度の太さの針を、背中を通して椎間板に刺し、レーザー照射します。切開をしないので、出血がほとんどなく、縫合や抜糸の必要もありません。また傷跡も、針穴程度しか残らないので、ほとんど目立ちません。

日帰り手術が可能

切開手術では、手術時間に1~2時間ほどかかり、術後も1~2週間の入院が必要となります。一方、PLDDは手術時間が15~30分程度。その後、安静にする時間も1時間程度で済むため、状態によってはその日のうちに退院することができます。

局所麻酔で手術できる

全身麻酔が必要となる切開手術と違い、PLDDでは局所麻酔を使用するため、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞など全身麻酔によるリスクが高い人でも手術が可能です。

手術直後から効果が現れることも

PLDDは、早ければ手術直後から痛みやしびれが取れるなどの効果が現れます。また、出血もなく、術後の回復が早いため、一般的には手術をした次の日から日常生活に戻れるというメリットもあります。

PLDDのデメリット

このようにPLDDにはさまざまなメリットがありますが、下記のようなデメリットもあります。

治療費が高額

PLDDは保険が適用されないため、治療費は全額自己負担になります。治療費については患者の症状や治療部位、病院によって異なりますが、一般的には腰椎で40~70万円、頚椎で50~90万円程度のようです。

健康保険は適用されませんが、医療費控除の対象になります。確定申告により10~20万円程度治療費が抑えられたというケースもあります。また、医療保険の手術給付金の給付が可能になるケースもあるので、PLDDを行う際は加入している生命保険会社に問い合わせすることをおすすめします。

全ての椎間板ヘルニアに有効なわけではない

PLDDは切開手術の代用になるものではありません。全ての椎間板ヘルニアに対して有効な術式ではなく、術後の改善率も約80%となっています。手術した後も「痛みやしびれが取れるまでに1週間、1か月程度かかった」「下肢にしびれが残った」などの報告もあり、人によっては全く効果のない場合もあります。また、複数回手術が必要になるケースもあるため、治療費がさらに高額になってしまう可能性もあります。

PLDDが有効なケースとは

上記で説明したように、PLDDは腰椎椎間板ヘルニアの全ての人に有効というわけではありません。適応されるのは、次のような条件が当てはまる場合です。

  • 小から中程度までの腰椎椎間板ヘルニアの人
  • 保存療法を一定期間行っても、効果が得られなかった人
  • 腰痛、片足または両足のしびれ、軽い麻痺(まひ)など神経根症状がある人
  • 咳や姿勢によって痛みが生じる人

ヘルニアが大きすぎたり、昔からのものであったり、脊柱管狭窄症がある場合などは適応となりません。椎間板ヘルニアは、MRIなど必要な検査を全て行い、症状にあわせた治療が必要になります。

PLDDとPELD(経皮的内視鏡下椎間板摘出術)はスペルが似ていますが、全く異なる術式ですので注意が必要です。医師と相談のもと、メリットとデメリットを理解したうえで自分が納得できる治療法を選択するようにしましょう。