皮膚掻痒症の原因は、そのかゆみの症状が出る部位や範囲によって、異なってきます。
皮膚にかゆみが起こる皮膚掻痒症には大きく分けて2つの種類があり、それぞれの症状が起きる原因は、その種類によって変わってきます。全身にかゆみの症状が起きる汎発性(全身性)皮膚掻痒症、身体の一部にかゆみが起きる限局性皮膚掻痒症に分けて、それぞれの原因を解説します。
汎発性(全身性)掻痒症の場合の原因
乾燥
季節的な気候の変化や、室内の湿度などの環境的な要因によって皮膚の乾燥が起きて、皮膚掻痒症が発症することがあります。加齢とともに皮脂が減り、皮膚表面の角質層が水分を失われることで、乾燥が進み、かゆみが起きてきます。
乾燥が原因で起きる汎発性皮膚掻痒症には、高齢者に起きる老人性皮膚掻痒症や、ホルモンバランスの乱れによって乾燥しやすくなる妊娠性皮膚掻痒症などがあります。
病気
全身性皮膚掻痒症の場合、次のような内臓疾患が原因である場合があります。
肝機能障害や腎機能障害、悪性リンパ腫、がん、痛風、糖尿病、甲状腺疾患、多血症や鉄欠乏性貧血などの血液疾患、寄生虫疾患、精神神経疾患、薬剤中毒などです。疾患に用いられる薬の副作用で起こったり、透析患者の約8割に皮膚掻痒症が認められたりするなど、疾患の治療によって起こることも考えられます。
限局性掻痒症の場合の原因
身体の一部にかゆみが起きる限局性皮膚掻痒症は、外陰部に起きるものや肛門に起きるものが多いといわれています。
乾燥
外陰部に起きるものは、閉経後の女性に多く、女性ホルモンが減少することによる皮脂の不足や乾燥が原因の場合があります。
病気
ばい菌、カンジダ真菌、HPV(ヒトパピローマウイルス)、トリコモナスによる感染などが原因の場合もあります。
肛門に起きるものは、青年期と壮年期の男性に多く、排尿障害や便秘、下痢、痔、脱肛、前立腺肥大、前立腺がんなどが原因の場合があるといわれています。
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