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ストレスによる味覚障害とは

更新日:2018/06/07 公開日:2016/05/20

味覚障害の基礎知識

味覚障害はストレスやうつ病、心身症など心理的要素が原因で起こることがあります。心因性味覚障害が発症する仕組みをドクター監修の記事でお伝えします。また、心因性味覚障害の治療法についても理解しておきましょう。

味覚について

味覚には、「甘味」「塩辛味」「酸味」「苦味」という4つの基本味覚に「うま味」を加えた基本5要素があります。この味覚を伝達しているのは味蕾(みらい)と呼ばれる味覚受容器で、舌の表面を中心に軟口蓋(口の中の奥の天井部分)やのどの粘膜にも存在しています。口の中には約10000個の味蕾があるといわれているのです[1]。

ストレスが原因の心因性味覚障害とは

味覚障害は精神的ストレスやうつ病、心身症、神経症、人格障害といった心理的要素が原因で起こることがあります。ストレス社会の影響を受け、最近は心因性味覚障害の患者が増えてきました。

味覚障害の種類

味覚障害になると、次のように甘い、塩からい、すっぱい、苦いといった基本味覚がわからなくなります。

味覚減退、無味症
味がわかりにくくなる、全く味がわからなくなる
自発性異常味覚
なにも口に入れていないのに不快な味がする
解離性味覚障害
主に甘味だけがわからなくなる(甘味以外の味がわからなくなることもある)
異味症、悪味症
本来の味と違った味がする、何を食べても嫌な味がする

心因性味覚障害の発症メカニズム

味覚を受容する器官や神経を伝える経路に障害が認められない場合は、心因的な要因が強く関係していると考えられます。味覚機能に問題がなくても、味を感じない状態になっているというわけです。

このようなケースでは、舌に原因不明の痛みが生じる舌痛症や口腔乾燥症(ドライマウス)をともなうことが多いとされています。また、抗不安薬や抗うつ薬の服用によって亜鉛の吸収が妨げられるほか、唾液分泌量が低下して味覚障害が生じている可能性もあります。

味を感じるセンサーである味蕾(みらい)という器官には味細胞が集まっています。味細胞は亜鉛を使って新陳代謝を活発に行う必要があるのです。亜鉛が不足すると味細胞がうまく再生されず、味覚に異常が生じてしまいます。

また、唾液の分泌が減ると、食べ物に含まれている味物質が溶け出しにくくなるだけでなく、味蕾の働きが弱まってしまうのです。

心因性味覚障害の治療法

ストレスなどが原因の心因性味覚障害の場合、心療内科を受診するとよいでしょう。食事や薬剤で亜鉛を補給しながら、必要に応じて心療内科や精神科で専門医の治療を受ける必要があります。認知行動療法や精神療法などの心理療法が行われることもあるでしょう。

抗不安薬や抗うつ薬の服用は、味覚障害の治療を妨げる原因にもなるので注意が必要です。服用している薬が原因の場合は、可能であれば服用を中止することが必要です。しかし、難しい場合もありますので、まずは担当医師に相談しましょう。また、精神と身体の両方にストレスを受けている状態では、治療効果が十分に得られない可能性があります。このような場合には、休職などの選択も視野に入れるとよいでしょう。

まとめ

味覚障害の原因はストレスのほかにも亜鉛不足などさまざまです。複数の要因が重なって生じているケースも多くみられます。とりわけ、ストレスによる味覚障害では対症療法に加え、心療内科や精神科などの専門医による診察が重要となります。

参考文献

  1. [1]日本医師会. "舌の話" くらしの小径.
    https://www.med.or.jp/komichi/bodycolumn/bodycolumn_07.html(参照2018-06-07)