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めまいや聴覚障害が起こる「メニエール病」とは

更新日:2017/12/21 公開日:2016/06/26

メニエール病の基礎知識

長く続くめまいや難聴などの聴覚障害を引き起こすメニエール病。わからない部分が多いメニエール病の特徴や症状、診断方法、治療方法についてドクター監修の記事で解説します。

メニエール病とは

耳は、外側から外耳(がいじ)・中耳(ちゅうじ)・内耳(ないじ)の3層の構造になっています。その一番内側に位置する内耳には、三半規管や音を認識する蝸牛(かぎゅう)という器官があり、リンパ液という液体で満たされています。

メニエール病とは、このリンパ液が過剰に溜まることで聴覚や平衡感覚に障害をもたらす病気です。主な症状には長時間のめまい、難聴や耳鳴りなどの聴覚症状があります。現在、メニエール病の患者数は推定で5万人前後といわれ、増加傾向にあります[1][2][3][4][5]。

メニエール病が起こる原因

内耳を満たしているリンパ液が過剰に増えた状態を「内リンパ水腫(ないりんぱすいしゅ)」と呼びます。この状態は、水風船がパンパンにふくらんだときと似ています。内リンパ腫が起こる原因は、はっきりとわかってはいません。しかし、メニエール病は先進国で暮らす人に目立ち、発展途上国では珍しいことなどから、ストレスが大きな原因として考えられるようになっています[1][5]。

メニエール病の主な症状

メニエール病の症状は、難聴や耳鳴り、耳の閉塞感といった聴覚症状とともに、めまいが起こります。しかし、めまいや難聴を引きこす原因はさまざまあるため、これらの症状が起こるだけでは、メニエール病であるかを診断することはできません。

メニエール病による症状の特徴には、「症状を何度もくりかえす(反復)」があります。その他にも、めまいが10分~数時間にわたって持続するなども挙げられます。

また、内耳リンパ水腫は、水腫ができる部位で「前庭型」と「蝸牛型」に分けられ、タイプによって現れる症状に多少の違いが生まれます。「前庭型」の症状はめまいが主体であり、「蝸牛型」は難聴や耳鳴りが強く現れます[1][2][3][4][5]。

メニエール病の診断法とは

めまいや聴覚症状だけでメニエール病を診断することはできませんが、めまいが長時間にわたって起こるなど、メニエール病特有の症状が確認できた場合、さらに他の原因がないかを調べます。そして、医師による十分な問診と検査を行ったうえで診断されます。

メニエール病に類似する病気とは?

メニエール病と類似の症状が起きる病気には、良性発作性頭位めまい症、起立性低血圧、突発性難聴やウイルス性内耳炎、小脳橋角部腫瘍や聴神経腫瘍、脳幹卒中などがあります。他の病気には該当しないという除外診断を行うことで、メニエール病と診断されます[1][2][3][4][5]。

メニエール病の主な治療方法

メニエール病はストレスが起因とされている病気であるため、症状の改善には薬物治療以外のことも必要となってきます。ストレスを自覚していない患者もいるため、まずは患者自身の状態を認知し、ストレスの原因を突き止めて生活習慣を改善していくことが大切です。

メニエール病で内服が可能な状態のときの治療には、内リンパ水腫の改善に効果がある「イソバイド」という利尿剤が使われます。抗不安薬や循環改善薬、ビタミン剤などが処方されることもあります。めまいの発作が強く、嘔吐をともなうときには、抗めまい薬が点滴で投与されます。

メニエール病によって働くことができない場合、日常生活に大きな支障がある場合、内科治療による改善がみられない場合は手術による外科治療が行われます。

参考文献

  1. [1]渡辺行雄. メニエール病診療最近の動向. 日耳鼻. 2012; 115(9): 866-869
  2. [2]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 155, 224
  3. [3]MedlinePlus. "Meniere's Disease" NIH. https://medlineplus.gov/menieresdisease.html (参照2017-11-18)
  4. [4]MedlinePlus. "Ménière disease" NIH. https://medlineplus.gov/ency/article/000702.htm (参照2017-11-18)
  5. [5]高橋正紘. 薬も手術もいらない めまい・メニエール病治療. 角川新書. 2012