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痛みを評価する方法「疼痛スケール」とは

更新日:2016/12/09 公開日:2016/07/28

疼痛の基礎知識

「痛さ」を表現する言葉はいろいろありますが、痛みの強さには個人差があるため、言葉だけで、実際どの程度痛いのかを知ることは難しいものです。そこで、専門ドクター監修のもと、痛みを評価する「疼痛スケール」について解説します。

痛みを客観的に把握するために使われる、「疼痛スケール」について解説します。

疼痛スケールとは?

「痛み」とひとくちに言っても、人によって痛みの感じ方は異なります。しかし、痛みの原因をつかんで、どのような治療を行っていくかを考えた場合、痛みをできるだけ客観的に評価・分析することが必要です。そこで、痛みを数値化する「疼痛スケール」と呼ばれる方法を使って、痛みの強さを認識します。

疼痛スケールの種類

代表的な疼痛スケールには、次にあげる4つの方法があります。どの疼痛スケールも、信頼性があり、かつ意図したものを測定できる妥当性もあるとされ、一般的に使われているものです。

Numerical Rating Scale (NRS)

0から10の11段階の数字を使って、痛みの大きさを表してもらう方法。痛みがまったくない状態を「0」、いちばん痛い痛みを「10」として、現在感じている痛みがどの数字に当てはまるのかを答えてもらいます。または、治療前にいちばん痛かった数値を10とし、現在はいくつであるかを聞くこともあります。

Visual Analogue Scale (VAS)

水平な直線を10cm引いて、左端を「まったく痛みを感じない」、右端を「最高に痛い」とします。これを見せて、今感じている痛みの強さがどのあたりになるのか、印をつけてもらいます。NRSとの違いは、痛みの程度を数字で段階を引いて表すか、直線の上のどの位置にあるかを指して表すかという部分です。

Verbal Rating Scale (VRS)

水平な直線を引き、直線の上に「痛みはない」「痛みは軽い」「痛みはかなりある」「痛みは強い」「痛みは耐えられない」など、痛みの強さを表す言葉を段階ごとに書きます。感じる痛みを表す言葉として当てはまるものを選択してもらう方法です。選ぶ言葉が単純でわかりやすいため、高齢者にも適しています。

Face Pain Scale (FPS)

言葉ではなく、人の顔の表情によって痛みを表現する方法。痛みがなく平気そうな顔から、とても痛みが強そうな顔まで6段階あり、感じている痛みを表す表情を選んでもらいます。主に、子供によく使われますが、近年では高齢者にも用いられます。

認知機能が低下しているなど、自分の痛みをうまく訴えられない方の場合は、NRSかVRSを使用するとよいという研究結果があります。

疼痛スケールを使用することのデメリット

疼痛スケールを使うと、ある程度痛みを客観的に評価することができます。また、疼痛スケールを行うために費用もかからないため、メリットの多い評価方法と言えますが、いくつか問題点もあります。各疼痛スケールの問題点を見ていきましょう。

Visual Analogue Scale (VAS) のデメリット

1人の被験者の痛みの度合いの違いを比較するのには適していますが、複数の人の痛みの度合いを比較するという点では、信頼性が低いと言えます。

Verbal Rating Scale (VRS) のデメリット

まだ言葉がわからない幼児や、重度の認知症の方など、自分の痛みをうまく訴えることができない人には難しいでしょう。また、痛みの選択が5段階しかないため、細かい痛みを表現しにくいケースがあります。

Face Pain Scale (FPS) のデメリット

痛みだけを表現するのではなく、疼痛スケールを行っているときの気持ちに影響を受けてしまう可能性があります。また、痛みの選択が少ないため、細かい痛みを評価できないことがあるでしょう。

「痛み」は、なかなか他人には伝えにくいものです。しかし、疼痛スケールによって、被験者と医師、看護士が痛みの程度を共有できれば、的確な痛みの治療を行うことが可能になります。