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神経障害性疼痛が症状として現れる病気とは

更新日:2017/12/20 公開日:2016/07/26

疼痛の基礎知識

疼痛の1つである神経障害性疼痛は、神経が異常に興奮することで発生する痛みです。この痛みが関係する、さまざまな疾患があります。専門ドクター監修のもと、どんな疾患の症状として神経障害性疼痛が見られるのか、解説します。

神経障害性疼痛は、いろいろな病気やケガなどによって、神経が傷つくことで感じる痛みのことです。見た目からはわかりづらいため、痛みは周囲の人に理解してもらうのはなかなか難しいもの。ここでは具体的に、どのような病気などで神経障害性疼痛の症状が現れ、またその痛みとはどのようなものか代表的な病気を紹介しましょう。

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹は、水痘(水疱瘡)を起こすウイルスと同じウイルスによって起こる病気です。子供の頃にかかった水痘のウイルスが体内の神経の根元に隠れ潜んでいて、ストレスや免疫力や体力が低下したときに活動性を高め、身体の片側に末梢神経の支配領域に沿う形で帯状の赤みと小さな水疱(水ぶくれ)を発生させ、強い痛みを引き起こします。通常は、水疱がなくなり皮膚の症状が治ると1~3か月程度で痛みが次第に軽減しますが、皮膚症状が無くなった後も痛みが長引く場合が「帯状疱疹後神経痛」となります。

主な症状は、皮膚の奥と表面が、ヒリヒリ、チカチカしたり、電気が走るような痛みが慢性的あるいは断続的に感じられます。感覚が鈍くなったり、少し触れるだけで痛みを感じる状態にもなります。

帯状疱疹後に神経痛が残ってしまうと、難治性となりなかなか回復するのが難しくなります。可能な対策としては、①ワクチンなどで免疫力を付けて帯状疱疹そのものにかからないようにする。②もし帯状疱疹にかかったら、なるべく早く抗ウイルス薬による治療と疼痛対策を行い、神経痛への移行を予防する。③神経痛が残ってしまった場合はペインクリニックなどの専門医に相談する。

などを参考にしてみてください。

糖尿病性末梢神経障害

糖尿病により高血糖状態が長く続くと、痛みや温度をコントロールしている末梢神経がダメージを受け、痛みやしびれが左右対称に現れ、手足の先がピリピリ、じんじんするなどの自覚症状が出現します。さらに症状が悪化すると、手足などを動かす働きを担っている運動神経にもダメージが及び、筋肉に力が入りにくくなったり、眼球を動かす筋肉をコントロールしている神経の働きが鈍ることにより物が二重に見えるなどの症状が現れます。

ときどきしびれるだけだからと、放置しておくと症状が進みますが、次第に痛いという感覚がなくなる場合があります。糖尿病性末梢神経障害は自然によくなることありません。症状が軽くなった場合は、症状がよくなったのではなく、むしろ末梢神経障害が進んで感覚が鈍くなっているためかもしれないので注意が必要です。感覚が鈍くなると、手足にできた靴ずれなどの小さな傷にも気づきにくくなり、また傷口がなかなか治らず感染を起こして、さらに壊死を起こしてしまうなど重篤な症状に結びつきかねません。

糖尿病性末梢神経障害は、進行すると元にもどりません。まずは糖尿病の治療をしっかり受け、末梢神経障害については早期に発見し治療することが大事なので、手足の痛みやしびれを感じたら、かかりつけ医に相談してみましょう。また、時に末梢神経障害の症状がきっかけで糖尿病が見つかることもあります。

坐骨神経痛

「坐骨神経」は、腰から足先にかけて伸びている神経です。この坐骨神経が、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの原因で圧迫されたり、傷がつくことにより、痛みやしびれなどが起こります。

多くの場合、腰痛を発症した後に坐骨神経痛が現われ、続いて、お尻から太ももの後ろ・外側、すね、足先に痛みやしびれが起こります。症状は、足の一部分に起こる場合もいれば、足全体に感じる場合、常にお尻や腰が痛く、ひどくなると寝ていても痛さのあまり眠れなくなるなど千差万別です。腰痛がなくても下肢の痛みだけの場合もあるので、診断が難しいときもありますが、そのような場合は整形外科などで脊椎の診察を受けるといいでしょう。

坐骨神経痛の症状が強いと、力が入りにくくなったり激しい痛みによって、歩行障害が発生するケースもあります。治療としては、ヘルニアや脊柱管狭窄症の治療とともに、鎮痛のための内服薬やブロック注射を行うこともあります。

その他の疼痛を引き起こす病気

腰が痛くなる腰痛症や、顔面に激痛が生じる三叉神経痛、線維筋痛症、変形性脊椎症神経根が圧迫されることによる痛みやしびれ、多発性硬化症という神経免疫疾患などは、疼痛を引き起こすことがあります。さらに、腫瘍によって神経が圧迫したり広がることで神経の障害を起こして痛みが出る場合や、抗がん剤による化学療法の副作用によっても症状が発生する場合があります。末梢神経から脊髄、脳の痛みを感じる経路のどこかに起こるあらゆる障害が原因となります。

神経障害性疼痛の症状が見られる代表的な疾患を紹介しました。重症化すると、歩くことが困難になるほど激しい痛みが起こることもあるため、痛みやしびれを感じたら、早めに医療機関を受診をするとよいでしょう。

神経障害性疼痛の治療方法については「神経障害性疼痛の治療法」よりご覧いただけます。