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ナトリウムが不足するとどうなるの?

更新日:2017/02/28 公開日:2016/07/27

ミネラルの種類(7)ナトリウム

体内のナトリウムが減少すると倦怠感や疲労感があらわれたり、急激な減少では昏睡状態に陥ったりすることもあります。ナトリウムが欠乏しやすい環境や状況からナトリウム不足を補う対策まで、栄養学専門医師の監修の記事で解説します。

日本人の生活では、なかなかナトリウム不足にはならないといわれていますが、実は誰にでもナトリウム不足となってしまう状況があるのです。ここでは、ナトリウムが不足してしまう危険がある状況、また、ナトリウム不足になったらどうなってしまうのか、その症状や対策についてもご紹介します。

ナトリウムの体内でのはたらき

生命の維持に不可欠な細胞内外の水分の移動については、塩分濃度の差が大きく関与しています。ナトリウムの多くは血液中に存在し、浸透圧を一定に保つ役割があり、正常な細胞活動に貢献しているのです。

また、人間の体液を弱アルカリ性に保つ役割も果たしています。このバランスが崩れると、下痢、嘔吐、脱水症状やけいれんなどの症状が現れます。その他、水分の代謝や筋肉収縮、栄養素の吸収作用など、ナトリウムは人間にとって必要不可欠の成分であると言えるでしょう。

通常ナトリウムが不足することは少ない

厳密には「ナトリウム=塩分」ではありませんが、食品による栄養摂取を考えるうえでは、ナトリウムを塩分と置きかえて考えて問題はありません。

1日の摂取基準は、食塩に換算すると、男性が8.0g未満、女性が7.0g未満とされています。平成25年の国民健康・栄養調査の結果では、1日あたり成人全体で10.2gであり、日本人の摂取量は多い傾向にあると言えます。ナトリウムは、私たちに身近な食塩のほかに、しょうゆやみそなどの調味料に多く含まれます。また、漬け物やつくだ煮などの保存食、加工食品にも多く使用されているため、外食や加工食品を食べる機会が多い人は、特に摂りすぎに注意が必要となっています。

このように、ナトリウムは、私たちが生活する中で、多くの食物に含まれており、日本の通常の食事ではナトリウム不足になることはめったにないと言えます。

ナトリウムが欠乏したらどうなる?

一方、ナトリウムが不足すると身体にはさまざまな不調が現れます。ナトリウムは血液や消化液のはたらきに欠かせない物質ですが、摂取不足が起こると体内に蓄えていたナトリウムを使うことで生命活動をサポートします。いわゆる体内に確保していた予備のナトリウムを使う状況になるため、身体も「ナトリウムを節約しよう!」として活動のペースを落とします。

具体的には体内の水分量や血液、消化液の量を減らそうとするのですが、これらが身体の不調としてさまざまな症状を引き起こします。

主に、血液量低下により血液循環が悪くなることで、頻脈、低血圧、頭痛、倦怠感や疲労感という症状。さらに消化液の減少によって食欲不振や吐き気を引き起こしたり、筋力が低下し筋肉痛が起こりやすくなったりすることがあります。また、急激に減少すると、筋肉のけいれん、昏睡状態に至ることもあります。

血液検査によるナトリウム不足の数値は?

血液検査におけるナトリウム不足と懸念するべき数値は、血清ナトリウム濃度が135mEq/L未満と定められています。軽い疲労感をきたすのが120-130mEq/L、120mEq/L以下になってくると食欲の不振や頭痛、吐き気をもよおし、110mEq/Lまで血清ナトリウム濃度が低下すると、けいれんやこん睡状態といった症状を引き起こすとされています。

ナトリウム不足に陥る原因や病気は?

以下の3つに分類することができます。

(1)体液量の減少をともなう低ナトリウム血症

副腎不全など腎機能に障害が起こることでナトリウム量が減少します。また、食事摂取量減少や下痢や嘔吐などにより、水分、ナトリウムともに喪失することでも生じます。

(2)体液量の正常な低ナトリウム血症

むくみも脱水もみられない低ナトリウム血症で、バソプレシン不適切分泌症候群(SIADH)や鉱質コルチコイド反応性低ナトリウム血症(MRHE)などを指します。

(3)体液量の増加する低ナトリウム血症

うっ血性心不全やネフローゼ症候群などにともなって現れる低ナトリウム血症。体内の水分量が増加することで、体内に貯蓄されたナトリウム濃度を薄まる低ナトリウム血症(希釈性)を引き起こします。むくみ、胸水や腹水といった身体的症状がみられます。

運動した後には欠乏することも

日本における食生活でナトリウムが不足する可能性は低いのですが、注意が必要な場面があります。それは、スポーツなどで多量の汗をかいたときです。高温多湿の環境での作業や、激しい下痢や嘔吐などの症状があるときも同様です。

そのような場合、体の中にある水分と一緒に多くのナトリウムが失われることになります。また、夏になると注目される熱中症も、ナトリウムが欠乏した状態となることが多く、注意が必要です。失ったナトリウムを補うために、スポーツドリンクなどのナトリウムが含まれる飲料や塩飴などを利用し、水分とともにナトリウムも補給することが大切です。

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