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入れ歯にはどんな種類がある?

更新日:2016/12/09 公開日:2016/08/25

入れ歯・差し歯・ブリッジの知識

入れ歯には「総入れ歯」と「部分入れ歯」があり、それぞれの入れ歯にいろいろな種類のものがあります。ここでは、具体的にどんな種類の入れ歯があるのかを歯科医監修の記事で解説していきます。

入れ歯には、数多くの種類があり、それぞれに特徴が異なります。そこで、今回は、入れ歯にどんな種類のものがあるのかを解説していきます。

入れ歯は大きくふたつに分類できる

入れ歯は、大きく分けると「総入れ歯(フルデンチャー)」と「部分入れ歯(パーシャルデンチャー)」の2つのタイプに分類できます。総入れ歯は、歯が1本も残っていない場合に使用する入れ歯で、部分入れ歯は一部の歯が残っている場合に使用する入れ歯のことです。

総入れ歯の種類と特徴

総入れ歯は「床(しょう)」と呼ばれる歯ぐきのようなピンク色をした土台に「人工歯」が並んだつくりになっており、吸盤のような原理で床を歯ぐきの土手に吸着させて装着します。総入れ歯の床には、大きく分けると「レジン床」と「金属床」があり、それぞれに次のような特徴があります。

レジン床

「レジン」と呼ばれる合成樹脂(プラスチック)だけでつくられた床で、保険が適用されます。

【メリット】

  • 保険が適用されるので安価
  • プラスチックなので加工・調整・修理がしやすい
  • ほとんどの症例で使用できる

【デメリット】

  • においや汚れが吸着しやすい
  • 使用しているうちに変色・すり減りが起こりやすい
  • 丈夫にするために分厚くする必要があるので、装着時の違和感が強くなったり、食べ物の温度がわかりづらくなりやすい

金属床

床が部分的に、金合金、コバルトクロム、チタン、白金加金などの金属が使われているものです。保険適用外になります。

【メリット】

  • 強度が強いので薄くすることができ、装着時の違和感が少なく、食べ物の温度も伝わりやすい
  • 汚れがつきにくい
  • 割れにくく変形もしにくい
  • レジン床のものよりも、ピッタリ合う入れ歯にできる可能性が高い

【デメリット】

  • 保険が適用されないので高価
  • 破損したときの修理が難しい
  • 金属の種類によっては、金属アレルギーを起こすことがある

部分入れ歯の種類と特徴

部分入れ歯には、ほとんどのものに床と人工歯のほかに、残りの歯に引っ掛けて入れ歯を固定する「クラスプ」という金属の留め具がついています。部分入れ歯は、失った歯の数、部位、残っている歯の状況などによって、入れ歯の形、大きさなどが異なり、色々なタイプがあります。総入れ歯と同じく主なものにはレジン床と金属床のものがあります。

レジン床

合成樹脂(プラスチック)の人工歯と床、金属のクラスプがついたタイプで、保険が適用されます。

【メリット】

  • 保険が適用されるので安価

【デメリット】

  • 金属のクラスプがついているので、見た目がよくない
  • 丈夫にするために床を分厚くする必要があり、装着時に違和感が強くなったり、食べ物の温度がわかりづらくなったりしやすい
  • 部分入れ歯に隣接している歯が虫歯になりやすい
  • ものを噛む力が天然の歯の約20〜30%と低くなる

金属床

床の部分に、金合金、コバルトクロム、チタン、白金加金などの金属を使用した部分入れ歯で、レジン床と同じく金属のクラスプがついたタイプです。

【メリット】

  • 金属は強度にすぐれているので、床を薄く軽くすることができ、装着時の違和感が軽減される
  • 金属は熱伝導性にもすぐれているので、食べ物の温度を感じやすい
  • 汚れやにおいがつきにくい
  • レジン床に比べて、細かい調節がしやすく、ぴったり合う入れ歯にしやすい

【デメリット】

  • 保険が適用されないので高価
  • 壊れたときの修理が困難
  • 部分入れ歯に隣接している歯が虫歯になりやすい
  • 金属の種類によっては、金属アレルギーを起こすことがある

その他の保険適用外の入れ歯の種類

保険適用外の入れ歯は金属床以外にもあります。

テレスコープデンチャー(部分入れ歯用)

クラスプを使わずに、残った歯を使ったはめ込み式の装置を使うことで、入れ歯を固定・維持する部分入れ歯の総称です。代表的なものとして「コーヌステレスコープ」などがあります。

【メリット】

  • クラスプがないので見た目がよい
  • レジン床のものよりも、歯がしっかり固定される
  • 違和感が少なく、自分の歯に近い感覚でものが食べられる
  • 残った歯にかかる負担が比較的に小さい

【デメリット】

  • 保険が適用されないので高価
  • 土台となる歯を削る必要がある

ノンクラスプデンチャー(部分入れ歯用)

金属のクラスプの代わりに、歯ぐきに似たピンク色をした特殊なプラスチック製の留め具を使った部分入れ歯です。素材によって「スマイルデンチャー」や「ナチュラルデンチャー」など、いくつか種類があります。

【メリット】

  • 留め具に金属を使っていないので見た目がよい
  • 丈夫で柔軟性があるため、レジン床のものに比べて薄く作ることができ、違和感が少ない
  • 土台となる歯を削る必要がない
  • 残った歯にかかる負担が比較的小さい

【デメリット】

  • 保険が適用されないので高価
  • 残っている歯の状態によっては使用できないケースがある
  • 素材自体の寿命がさほど長くないので、数年ごとに作り直す場合もある
  • 修理ができないので、壊れた場合は作り直す必要がある
  • 隣接している歯に汚れがたまりやすい
  • 専用の洗剤が必要
  • 一部金属を使用しないと、土台となる歯が移動したり、まわりの粘膜に炎症が起きやすい

シリコンデンチャー(部分入れ歯・総入れ歯用)

床の一部に、ゴムのようにやわらかくて弾力性がある「シリコン」を使っている部分入れ歯のことです。いくつか種類がありますが、「コンフォート」というシリコンデンチャーが有名です。

【メリット】

  • シリコンがクッションになって歯ぐきにかかる圧力が減るので、噛んだときの痛みが軽減される。また、このことによって、よく噛めるようになる可能性がある
  • 現在使用している入れ歯の種類によっては、シリコンデンチャーに改修することができる
  • シリコンが吸盤のような役割を果たすので、落ちたり、外れたりしにくい

【デメリット】

  • 保険が適用されないので高価
  • 汚れがつきやすいため、こまめな洗浄が必要
  • 洗浄には専用の洗剤も必要
  • プラスチックの入れ歯の裏側にシリコンを貼り付けるため、入れ歯の厚みが増し、装着時の違和感が強くなりやすい

ホワイトクラスプデンチャー(部分入れ歯用)

クラスプに金属ではなく、白いプラスチックを使用した部分入れ歯です。

【メリット】

  • クラスプが白いので、目立ちにくい
  • 現在使っている部分入れ歯のクラスプを金属から白いプラスチックに変更することが可能な場合もある

【デメリット】

  • 保険が適用されないので高価
  • 金属のクラスプに比べて強度が弱い
  • 強度を強くするためにクラスプを太くする必要がある
  • 一部金属を使用しないと、土台となる歯が移動したり、まわりの粘膜に炎症が起きやすい

マグネットデンチャー(部分入れ歯・総入れ歯用)

クラスプを使わず、磁石の力で入れ歯を固定する部分入れ歯です。入れ歯の土台となる歯根(歯の根っこ)に磁石を吸着する金属(キーパー)をつけ、入れ歯には超小型の磁石を埋め込みます。入れ歯の土台になる歯根が残っている場合は総入れ歯にも使用できます。

【メリット】

  • クラスプを使わないので見た目がよい
  • しっかり固定されるので安定感がある
  • 歯根(しこん)しか残っていない歯を抜かずに利用できるので、噛み応えが良い
  • 磁石の力を利用しているので、取り外しが簡単

【デメリット】

  • 保険が適用されないので高価
  • しっかりとした歯根が残っていないと利用できない(歯槽膿漏でぐらつきのある歯根ではできない)
  • MRI検査を受ける際には、歯科医院での事前の処置が必要になる
  • 磁気アレルギーがある人には不向き

入れ歯を選ぶときはしっかり医師と相談を

総入れ歯も部分入れ歯も、保険が適用されるかどうかによって、種類や費用が大きく変わります。入れ歯を選ぶ際は、歯科医師に自分の口の中の状態を診てもらい、よく相談しながら決めていくようにしましょう。

また、入れ歯を装着してからも入れ歯が合わなかったり、痛みを感じたりするなど、何か不都合があれば、我慢せずに歯科医師に相談することが大切です。

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