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症状が慢性的なら機能性ディスペプシア?総合的な診断が必要

更新日:2016/12/09 公開日:2016/10/24

機能性ディスペプシアの診断と治療

機能性ディスペプシアの明確な診断基準はありません。そのため、診断をするためには、総合的に検査を行う必要があります。ここでは機能性ディスペプシアの診断について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

機能性ディスペプシアは、物理的な身体の異常がみられない病気です。そのため、現れている症状だけで機能性ディスペプシアと診断することはできません。ここでは、機能性ディスペプシアの診断の流れについて、用いられる診断方法や検査方法を詳しくみていきましょう。

機能性ディスペプシアは、他の病気の可能性を除外しながら診断する

機能性ディスペプシアの診断の流れは以下の通りです。

  • 医療面接(病歴の聴収を行ないます)
  • 自己記入式問診票(症状の詳細把握)
  • 身体診察
  • 服用薬の確認
  • 末梢血、生化学一般検査
  • 炎症反応
  • 上部消化管内視鏡検査
  • H.pylori感染検査
  • 上部消化管透視
  • 腹部超音波検査

原因が他の病気の可能性もあるため、その可能性を除外しつつ総合的に検査を行い、最終的に機能性ディスペプシアだと判断する必要があります。全員にすべての検査をするわけではなく、それぞれの症状に合わせた検査を行います。必要に応じて、便潜血検査、腹部X線、腹部CT検査を行うこともあります。

問診・質問票

診療のはじめに、症状の詳細と、食事や生活環境、病歴などを把握するため、問診が行われます。併せて、自己記入式の質問票に記入します。機能性ディスペプシアには、みぞおちの痛みや食後のもたれ感といった、さまざまな症状が現れます。症状の種類や程度を客観的に評価するため、自己記入式質問票が必要とされています。また、自己記入式質問票は、機能性ディスペプシアの治療効果の判定にも用いられています。

内視鏡検査

内視鏡検査を行うことで、機能性ディスペプシア以外の病気との区別がつきます。物理的異常が見つかった場合は、必要な治療を行います。問診・自己記入式質問票でもある程度の診断が可能ですが、物理的(器質的)異常を除外するために、内視鏡検査を行なうことが推奨されています。

H.pylori感染検査の必要性

機能性ディスペプシアの人がH.pylori陽性の場合、H.pylori除菌療法がすすめられています。機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)症状の改善に有効な例もあげられているので、少なくとも感染検査を行い、感染の有無を調べておくことは診断のうえで必要と考えられています。

服用薬の確認の必要性

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、低用量アスピリンを服用している人には、機能性ディスペプシアに現れるような症状の出現率が増加したという報告があります。可能な範囲で服用を中止し、症状が軽減するか消失すれば、症状の原因は機能性ディスペプシアではないと診断されます。

このような検査を経て機能性ディスペプシアは、がんやポリープといった物理的な異常を否定し、可能性のある他の病気を除外していき、総合的に診断することになります。一般的に機能性ディスペプシアは、ストレスを原因として発症する場合もあるといわれています。今後の研究次第では、診断治療の過程で心療内科的なアプローチの併用の可能性も出てくるでしょう。

これらの検査などにより機能性ディスペプシアと診断された場合、それぞれの病態に合わせた治療を行っていくことになります。

治療について詳しくはこちら

『機能性ディスペプシアに有効な治療方法とは?』