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前腕の骨幹部(こっかんぶ)骨折の治療と気になる合併症

更新日:2018/06/15 公開日:2016/09/30

腕の骨折

前腕の骨幹部(こっかんぶ)骨折は、ひじから手首までの中間部分に起こります。転倒や前腕への大きな衝撃により、どんな年齢層にも起こる骨折です。前腕の骨幹部骨折の特徴や治療、合併症について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

ひじから手首までの前腕には、橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という2本の細長い骨があります。橈骨と尺骨の両端は膨らんでいて、ともに肘関節(ひじかんせつ)と手首の関節を形成しています。前腕の骨幹部(こっかんぶ)骨折とは、橈骨と尺骨の膨らんでいない細い部分に起こる骨折です。前腕の骨幹部骨折は、前腕に直接大きな力が加わる、転倒するなどを原因として、どんな年齢層にも起こり得ます。前腕の骨幹部骨折にはどのような特徴があり、どういった治療法や合併症があるのか見ていきましょう。

前腕の骨幹部骨折の特徴

前腕の骨幹部骨折では、強い痛みと腫れが現れます。橈骨と尺骨のどちらか一方のみの骨折で、あまり変形が起こらないこともありますが、橈骨と尺骨が両方とも折れてしまうと、通常は前腕の中央部で著しい変形が起こります。

前腕の骨幹部骨折の診断

前腕の骨幹部骨折は、橈骨と尺骨両方が折れていれば変形などの症状から明らかです。診断は神経や血管の損傷に注意しながら行います。X線検査の結果で橈骨が尺骨の周りを回旋している状態などを見て、治療方法が決められます。

前腕の骨幹部骨折で注意すべき合併症

骨が折れるほどの強い力が加わると、骨以外の組織も傷つく恐れがあります。手が痺れる、指が動きにくいなどの症状が出た場合は、神経の損傷が疑われます。手指が冷たい、色調が悪いなどの症状が出た場合は、血管損傷が疑われます。骨折した部分の骨が皮膚を突き破る開放骨折の場合は、細菌が進入する恐れがあり、治療は複雑になります。この場合、整形外科か救急病院での診察が必要です。

前腕の骨幹部骨折の治療法と治療後の注意点

前腕の骨幹部骨折でも他の骨折と同様に、変形させずに骨をつけることが治療の要点といえます。橈骨単独やズレの少ない尺骨単独骨折の場合は、保存療法が可能です。橈骨・尺骨両方の骨幹部骨折の治療としては、良好な整復位が得られれば保存療法も可能ですが、多く場合は手術が必要となります。

保存療法

前腕の骨幹部骨折の保存療法では変形をできる限り矯正して、上腕から手までギプスで固定します。約10~12週間の固定期間が必要です。子供の場合は、骨折部が折れ曲がっただけの場合や骨折部のズレが小さい場合が多く、また、骨をつけたり変形を本来の形に戻したりする能力が高いといえます。そのため、手術をせず保存療法が成功するケースが多く見られます。

前腕の骨幹部骨折の手術

大人の場合は、子供に比べて骨をつけたり、変形を自己修正したりする能力が低く、橈骨・尺骨両方の骨幹部骨折ではたいてい手術が必要です。手術は骨折部を露出して整復し、プレートと骨ネジで固定します。あるいは、骨折部を露出せずに離れたか所から髄内釘(ずいないてい)や鋼線(こうせん)を挿入します。プレートで強固に内固定ができれば術後の外固定は必要なく、早期から積極的に運動を始められるメリットがあります。内固定に不安があれば、前腕を回す動作のコントロールをする装具をつけたうえで、肘関節と手首の関節の運動を始めます。

前腕の骨幹部骨折で注意したい後遺症

前腕の骨幹部骨折では、変形して骨がついてしまうと、ひじを動かさない状態で手の平を返す前腕の動きが制限されることがあります。また、橈骨と尺骨の長さが合わないまま骨がつくと、手首の関節に痛みが生じることがあります。

前腕の骨幹部骨折は、順調な場合でも完治までに時間がかかる骨折です。また、順調にいかない場合もあるので、なかなかやっかいといえます。医師とともに、治療にじっくり取り組むことが大切です。

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