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関節炎の症状とさまざまな原因について

更新日:2016/12/15 公開日:2016/12/05

関節炎の基礎知識

人間の体には数えきれないほどの関節があり、関節炎は、それらの一部が炎症を起こすことによって痛みや腫れが生じます。重症化すると歩行困難になる病気もあります。ドクター監修のもと、関節炎の種類ごとに症状、原因などを解説します。

関節に炎症を起こすさまざまな病気の総称である関節炎は、病気の種類によって、症状や原因が異なります。痛みや腫れをともなうため、日常生活が不便になり、重症化すると歩行困難になります。寝たきりを招く場合もあるため、関節炎の症状や原因を知って、関節に痛みを感じたら、早めに医師の診断を受けましょう。

主な関節炎の症状と原因

関節炎を生じる病気にはさまざまな原因があります。ほとんどの場合において、痛みや腫れが局所症状として現れますが、発熱や体重減少といった全身に影響がおよぶものも見られます。主な関節炎の原因と症状を見ていきましょう。

細菌性関節炎

細菌が血流を介して関節内に侵入するか、もしくは手術や注射、外傷によって直接感染し、炎症や化膿を引き起こす病気で、化膿性関節炎とも呼ばれます。抵抗力や免疫力の弱い乳児や小児、高齢者に発症しやすく、痛みや腫れ、赤みや熱感が生じます。また、発熱や悪寒が認められる場合もあります。症状が多く見られる部位は、ひざ、肩、手首、股関節、ひじ、指の関節です。年齢によって感染しやすい細菌が違い、乳児や小児はブドウ球菌やグラム陰性桿菌のような細菌に感染しやすく、成人では淋菌(淋菌感染症の原因菌)、ブドウ球菌、レンサ球菌に感染しやすい傾向があります。幼児や小児の股関節に発症した場合は発見が遅れやすいため、異変を見逃さないようにしましょう。早期治療で完治は可能ですが、放っておくと関節が破壊されて障害が残る場合もあるので注意が必要です。感染症が疑われた時点で、すぐにもっとも疑わしい細菌を殺すための抗生物質を投与します。抗生物質が原因菌に有効だった場合、48時間以内に症状の改善が見られます。ただし、関節に膿がたまると損傷を起こす場合があるため、針で吸引して膿が溜まるのを防ぎます。

ウイルス性関節炎

ウイルスが血流を介して関節に入り込むか、もしくは手術や注射、外傷によって直接感染することで引き起こされる関節炎です。よく見られるウイルスには、B型肝炎の原因ウイルスや急性HIVウイルス、風疹、ヒトパルボウイルスB19などがあります。数時間から数日以内に、痛みや腫れ、発熱が生じます。細菌性関節炎同様、抗菌薬を投与して治療を行うのが一般的です。

痛風

血液中の尿酸値が上昇する高尿酸血症が原因で、尿酸ナトリウムの結晶が関節や欠陥周辺の組織に沈着し、急性関節炎、痛風結石、腎障害、狭心症などの多臓器障害を引き起こす病気です。関節炎の症状としては、関節や組織に激しい痛みや炎症が断続的に生じます。女性よりも男性に多く見られます。一般的には、非ステロイド性抗炎症薬やコルヒチンの投与などで、炎症の発作を軽減します。それらの薬に耐えられない患者には、コルチコステロイド薬を用い、関節の炎症や腫れを抑えます。また、アルコール飲料を避ける、プリン体を多く含む食品の摂取を控えるといった生活習慣を見直すことで、新たな発作の予防や血液中の尿酸値の低下が期待できます。尿酸の血中濃度を低下させるアロプリノールなどの薬が用いられることもあります。

偽痛風

関節液中にピロリン酸カルシウム二水和物の結晶が沈着することで発症する関節炎で、痛風と似た症状が現れます。症状が現れる部位はさまざまですが、ひざに起こることがもっとも多く、足関節や手首など、比較的大きな関節に、痛みをともなう炎症が間欠的に起こります。治療には、痛みと炎症を軽減するために非ステロイド性抗炎症薬を用います。発作の回数を減らすために、コルヒチンを投与する場合もあります。治療により急性の発作を止め、新たな発作を予防することは可能ですが、損傷してしまった関節の変化を元に戻すことはできません。

関節リウマチ

慢性関節炎の代表的な病気で、自己免疫疾患であると考えられていますが、原因は明確ではありません。通常、35~50歳で発症することが多いですが、どの年代でも発症する可能性があります。小児でも関節リウマチと似た病気を発症することがありますが、それは若年性特発性関節炎と呼ばれます。症状としては、関節が炎症を起こし、腫れと痛みが生じ、進行すると関節が破壊されることも多く見られます。起床時やしばらくじっとしていた後に、1時間以上、こわばりが持続する状態や、3関節以上の関節炎、手の関節炎、対称性の関節炎が6週間以上継続するなどの症状が現れます。基本的には症状はゆるやかに進行しますが、病気が不活動状態にあったときに急に再燃することもあります。また、疲れやすさ、食欲の減退、体重減少、微熱など、全身に影響が見られる場合もあります。治療には、ほとんどの場合、疾患修飾抗リウマチ薬を用い、症状の軽減や病気の進行の遅れを目指します。痛みや炎症を抑えるために使用される薬は、主に非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、DMARD、コルチコステロイド薬、免疫抑制薬などです。病状が進行した場合、関節の可動域と機能を回復させるために、ひざや股関節を人工関節に取り換える手術が必要となることもあります。また、薬や手術での治療に加えて、症状をやわらげ、休息や栄養を十分にとる保存的療法がとられます。

変形性関節炎

加齢にともない関節の軟骨が変形・摩耗することで、関節周囲の骨が増殖し、滑膜組織が炎症を起こします。関節炎の中でもっとも多い病気で、40代以上での発症がほとんどです。80歳までに、すべての人がある程度、加齢による影響を関節に受けているといわれています。股関節、ひざ関節、手関節、脊椎などによく見られ、痛みや腫れ、骨の過増殖、こわばりなどが生じます。慢性的にゆっくりと進行するのが特徴ですが、症状が進行すると、関節が動きにくくなり、最終的には曲げ伸ばしができなくなります。理学療法では、温熱療法が多く用いられます。また、ストレッチ、筋肉の強化など適度な運動で関節周囲の筋肉を鍛え、症状の改善を目指します。薬は理学療法と運動療法を補うために用います。症状を抑えるため、痛みが軽度から中等度の場合、アセトアミノフェンなどの単純な鎮痛薬を投与します。非ステロイド性抗炎症薬は関節の痛みと炎症を和らげますが、長期間使用すると、アセトアミノフェンよりも副作用を生じるリスクが高いため、注意が必要です。それらの治療法で痛みの軽減や機能の改善が見られない場合、股関節やひざ関節など一部の関節では、人工関節に置換する手術が行われます。置換手術は成功率が高く、痛みや機能が改善されることが多いです。

脊椎関節炎

背中の痛みや眼の炎症(ぶどう膜炎)、胃腸の症状、発疹という症状が共通して見られる結合組織疾患で、関節や脊椎に影響を及ぼします。関節の炎症が生じますが、関節リウマチとは異なりリウマチ因子の検査は陰性となります。強直性脊椎炎、反応性関節炎、乾癬(かんせん)性関節炎、仙腸関節炎などが含まれ、それぞれに特徴的な症状が現れます。原因は明らかになっていませんが、ある特定の遺伝子型(HLA-B27)と強い関連性があると考えられています。

仙腸関節炎

骨盤の仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある仙腸関節がわずかにゆがむことで、炎症が引き起こされる場合があります。腰痛の原因になることがあるだけでなく、骨盤や臀部、足の付け根、下肢などに痛みを生じることもあります。特に、出産後の腰痛の原因は仙腸関節炎が多いといわれています。一般的な治療法としては、鎮痛剤を用いて痛みを抑えるとともに、仙腸関節の不適合の発生を抑えるため、骨盤ゴムベルトを用います。そして、安静にするという保存的療法で経過を見ます。症状が改善しない場合には、仙腸関節に局所麻酔を注射する仙腸関節ブロックや、まれに仙腸関節を固定する手術が行われます。

乾癬性関節炎

皮膚の病気である乾癬の合併症で、関節に炎症が生じます。関節リウマチと似ていますが、関節リウマチに特徴的な抗体は見られません。手指や足指の先端にもっとも近い関節に多く症状が現れますが、股関節、ひざ関節、脊椎などに起こる場合もあります。炎症が慢性化すると、関節が腫れて変形してしまうので注意が必要です。治療は、皮疹を抑えて、関節の炎症を軽減するために非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、メトトレキサート、シクロスポリン、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬といった薬剤の投与が行われます。