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関節炎の治療法と予防対策について

更新日:2017/12/06 公開日:2016/12/05

関節炎の治療方法

関節がさまざまな原因で炎症を起こす関節炎は、原因や症状がそれぞれ異なるため、治療法も違います。いつまでも健康に身体を自由に動かせるように、関節炎の治療法と予防対策について、ドクター監修の記事で解説します。

関節に炎症を起こす関節炎は、痛みのため身体の動きが制限されてしまいます。そのため、日常生活に支障をきたし、重症化すると歩行困難になって寝たきりを招く場合もあります。そういった状況を避けるためにも、早めの治療と日々の予防対策を心がけましょう。

主な関節炎の治療法

関節炎は、関節に炎症を起こすさまざまな病気の総称であり、病気の種類によって治療法が異なります。

細菌性関節炎の治療法

感染症が疑われた時点で、すぐにもっとも疑わしい細菌を殺すための抗生物質を投与します。抗生物質が原因菌に有効だった場合、48時間以内に症状の改善が見られます。ただし、関節に膿がたまると損傷を起こす場合があるため、針で吸引して膿がたまるのを防ぎます。早期治療で完治は可能ですが、放っておくと関節が破壊されて障害が残る場合もあるので注意が必要です。幼児や小児の股関節に発症した場合は発見が遅れやすいため、異変を見逃さないようにしましょう[1]。股関節炎について、詳しくは『大人と子供で違う股関節炎とは?』をご覧ください。

痛風の治療法

一般的には、痛風発作を軽くする薬であるコルヒチンや非ステロイド性抗炎症薬の投与などで、炎症の発作を軽減します。

偽痛風の治療法

治療には、痛みと炎症を軽減するために非ステロイド性抗炎症薬やステロイド薬を用います。原因となるピロリン酸カルシウムの結晶を除く有効な方法はありません。症状が進む場合には、人工関節置換術を行います[1]。

関節リウマチの治療法

ほとんどの場合、症状の軽減や病気の進行を遅らせるため、疾患修飾抗リウマチ薬を用います。主に非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、DMARD、コルチコステロイド薬、免疫抑制薬などの薬を、痛みや炎症を抑えるために使用します。病状が進行すると、ひざや股関節を人工関節に置き換える手術を行う場合もあり、それによって関節の可動域と機能を回復させます。また、症状をやわらげ、休息や栄養を十分にとる保存的療法を、薬や手術での治療と組み合わせて行います[1]。

変形性関節症の治療法

治療の中心になるのは薬を使わない方法です。理学療法として、ストレッチ、筋肉の強化など適度な運動で関節周囲の筋肉を鍛えることにより、症状の改善が期待できます。理学療法と運動療法を補うため、痛みや炎症を軽減する薬を投与します。痛みが軽度から中等度の場合は、アセトアミノフェンなどの単純な鎮痛薬でも十分といわれています。関節の痛みと炎症を和らげるために、非ステロイド性抗炎症薬を用いる場合もあります。ただし、非ステロイド性抗炎症薬は、長期間使用するとアセトアミノフェンよりも副作用を生じるリスクが高くなります。それらの治療法で症状が改善されないときは、股関節やひざ関節など一部の関節において、人工関節に置換する手術が行われることもあります。置換手術は成功率が高く、多くの場合、痛みや機能が改善されます[1]。

脊椎関節炎の治療法

強直性脊椎炎、反応性関節炎、乾癬(かんせん)性関節炎、仙腸関節炎などの総称である脊椎関節炎は、それぞれ病気の種類によって治療法が異なります。基本的には、鎮痛剤を用いて痛みや炎症を軽減し、適度な運動によって関節周辺の筋肉を強化する方法が用いられます。ひざ関節や股関節に変形が認められた場合には、人工関節に置換する手術が行われます[1]。

関節炎の予防対策

関節の軟骨が変形・摩耗することで関節に炎症を引き起こす変形性関節炎などは、加齢にともない誰にでも起こりえます。特に、ひざにかかる負担が大きい肥満気味の人や、O脚気味の人は関節炎になりやすいので注意が必要です。また、運動不足の人も、筋肉が衰え、関節への負担が増えるため、日常から適度な運動やストレッチなどを行うとよいでしょう。予防のポイントは、関節に負担をかけない生活をすることと、運動で関節を柔軟にし、周辺の筋肉を強化することです。首や手足を曲げたり伸ばしたりするストレッチ運動や、ひざを軽く曲げた姿勢でゆっくり歩くモンキーウォークも効果的といわれています。いずれも無理をせず、ゆっくりと少しずつ行うようにしましょう。ただし、関節にはっきりした痛みがある場合や、関節が腫れて熱をもっている場合は病院を受診し、医師や専門家の指導を受けてから行うようにしましょう。

参考文献

  1. [1]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 859-860, 2196-2198, 2224, 2288, 2284-85
  2. [2]高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版. 日本痛風・核酸代謝学会. 2012.