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頻度の高い頬骨骨折の症状と治療、受診すべき病院は?

更新日:2018/06/15 公開日:2016/12/06

顔の骨折

ほおの周辺にある骨が強い打撲によって折れるのが頬骨骨折です。交通事故やスポーツ中に起こりやすく、眼窩底骨折をともなう場合もあります。頬骨骨折の症状や原因、治療などについて、ドクター監修の記事で詳しく説明します。

ほおの周辺の骨が折れてしまう頬骨(きょうこつ)骨折は、骨折したまま放置すると、顔面に変形を残すこともあります。頬骨骨折の症状や原因、どのような治療が行われるのか見てみましょう。

頬骨骨折とは

交通事故やラグビー、バスケットボールなど激しく接触する可能性のあるスポーツ、格闘技などが原因となって起こりやすい骨折です。

ほおの高まりを形成している頬骨は、体部と弓部からなり、体部は前方に、弓部は側方に突出しています。転倒などの際に力が加わると、上顎骨や頭蓋骨との境目の弱い部分が分離する形で骨折が起こります。ズレがほとんどない場合を除いて、骨折したまま放置すると、顔面に変形を残すといわれています。体部と弓部での骨折にはそれぞれ特徴があります。

頬骨体部骨折

多くの場合、隣り合った骨との接合部分で骨折が起こり、体部全体がそのままの形でズレます。通常は体部が落ち込んで、頬が平坦に見えます。体部は眼球を保護する壁の一部でもあるため、骨折が眼の機能に障害をもたらすことがあります。眼球の動きに障害や、頬を中心にしびれを生じることがあります。

頬骨弓部単独骨折

弓部に直接外力が加わって起こります。体部に骨折がないので、眼球症状やしびれは起こりませんが、下顎骨の、口を閉じるときに動く筋肉に食い込むと、口が開かなくなります。顔側面が凹んでしまう変形があらわれます。

症状について

骨折初期には、腫れや痛みがみられます。とくにまぶたの腫れが強く、眼球自体に損傷がなくても眼球表面に内出血がみられます。

顔面の変形

腫れがひくにつれて、頬部に生じた凹みが明らかになります。

眼球症状

骨折により、眼窩(がんか)が拡がり眼球が陥没することがあります。眼窩底骨折と同様に、物が二重に見える複視という症状があらわれます。ただし、骨折の初期段階は、眼窩内の出血により眼球が突出することがあります。腫れや出血による複視は一時的なもので、自然に回復することがあります。

詳しくは『眼の強打で起こる眼窩底骨折・眼窩壁骨折とは?』をご覧ください。

頬部のしびれ

体部骨折によって神経損傷が起こることがあります。しびれは頬部、鼻の側面、上唇、歯肉におよびます。歯肉の感覚が低下し、実際には異常がなくても歯が咬み合わないと感じることがあります。

治療と後遺症について

骨折の状況をみるためにレントゲン撮影とCT検査で診断を行います。体部骨折では、視力・眼球運動検査も必要です。ズレが軽く、機能に問題なければ手術をしないこともあります。軽度の複視やしびれは自然治癒の可能性もあります。それとは逆に、機能的な障害がなくても、ズレが明らかであれば手術が行われます。

保存療法について

複視の改善と消失を目指す眼球運動や、開口障害を改善するための練習を行います。神経障害の修復に神経再生薬を服用することもあります。

手術療法について

通常全身麻酔で行われ、眉毛の外側、下まぶたの皮膚、歯肉の付け根付近の粘膜を切ります。切開した3方向からずれた頬骨の位置を戻し、金属製のプレートやスクリューで周囲の骨と固定します。溶けて吸収されるプレート材を使うこともあります。眼窩の壁の骨欠損が大きい場合には骨移植を行います。

頬骨弓部骨折の手術療法

弓部の単独骨折であれば、側頭部毛髪内を切開して、頬骨起子という特殊な器具で骨を元通りに戻せます。通常、プレートによる固定は要らず、局所麻酔でも行えます。

症状の回復と後遺症のリスク

術後すぐに複視やしびれの症状がなくなるわけではありません。普通は回復に数週間かかります。重度の骨折であれば、完全回復ができずに後遺症が残ることもあり得ます。頬骨骨折には、症状に応じた適切な治療が望まれます。頬骨体部骨折では上顎骨も骨折している場合があり、できる限り早く形成外科や口腔外科など専門の医療機関への受診をおすすめします。

参考文献

  1. [1]日本形成外科学会. "鼻骨骨折・鼻篩骨骨折" 一般社団法人 日本形成外科学会.
    http://www.jsprs.or.jp/member/disease/facial_fractures/facial_fractures_04.html(参照2018-06-15)
ヘルスケア本