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お腹が痛い!腹痛の種類と疑われる病気の可能性について

更新日:2016/12/15 公開日:2016/12/09

腹痛の原因

急な腹痛で、「お腹が痛い!苦しい!」という思いをした経験は誰にでもあるでしょう。腹痛の中には命にかかわる重大なものもあります。ここではドクター監修のもと、腹痛の種類や疑われる病気の可能性などについて解説します。

一口に腹痛といっても、日常的に起こりやすくすぐに収束する腹痛もあれば、慢性的な痛みを抱え痛みが治まらないケースなど、重度の病気を併発している可能性のある腹痛もあります。

日常的に起こりやすい腹痛

身体の冷えによる腹痛

四季の変化がはっきりしていて高温多湿な日本では、季節の変わり目に体調を崩す人が大勢います。寒い日に薄着のまま外出をして、お腹を冷やす人もいます。急な気温の変化によって胃腸管の神経が刺激され、腹痛を引き起こすといわれています。

暴飲暴食による腹痛

忘年会など外での飲食が多い時期や、ストレスの発散で暴飲暴食に走る人もいることかと思います。こういった場合、食べ過ぎによって胃の機能が低下し、腹痛を発症するとされています。また、辛い食べ物も胃腸の粘膜に刺激を与えるため、炎症を引き起こす原因になります。

食あたり・食中毒による腹痛

食材に含まれる微生物やウイルスに感染し、腹痛や下痢、嘔吐などを発症します。日本人は生食を好むため、特に注意が必要です。これら細菌類は、加熱処理することによって大半は死滅しますが、肉や魚など十分に加熱しないまま口にすると食中毒になる危険性があります。

腹痛の種類は3つに分けられる

医学上、腹痛は以下の3つのタイプに分類されています。

内臓痛

胃や腸、その他消化器官が、急な伸縮・拡張をすることによって発生する、いわゆる疝痛(せんつう)と呼ばれる痛みです。上記でとり上げた日常的な腹痛はこれに該当するもので、チクチクとした痛みが腹部全体にわたって感じられるものです。嘔吐や冷や汗が出ることもあります。

内臓痛の代表例でいうと、急性胃炎と急性腸炎があげられます。これら胃腸炎は、刺激の強い飲食物を摂取したときにみられる、胃や腸の内部の炎症によるものです。また、ストレスが原因で発症することもあります。

体性痛

鋭く刺すような痛みが続く腹痛で、痛いと感じる場所がはっきりとわかるのが特徴です。具体的に痛む場所が炎症を起こしている可能性が高く、歩くと響くような痛みを覚えます。体性痛の場合、後述するような深刻な病気を併発している可能性があります。

関連痛

炎症を起こしている場所の痛みがあまりに強い場合、近くにある別の臓器の神経までも刺激して感じる痛みです。炎症が起きている場所と関連痛で痛む場所は、ある程度関連性があるとされていますが、腹部から離れた別の部位に痛みが伝わることもあります。

緊急手術を要する病気を併発していることも

強烈な痛みがなかなか引かない場合、体性痛のケースが考えられます。どのような疾病が起きているかは、病院で診察と検査を受けなければ判明できないため、至急医療機関を受診する必要があります。このように、早急に診察と検査を受けてどのような病気の可能性が高いかを判断しなくてはならない状態を急性腹症といいます。

具体的な症例を見てみると、急性虫垂炎、胃・十二指腸潰瘍の穿孔、胆石症、尿路結石、腸閉塞、急性膵炎、婦人科系では卵巣の茎捻転(ねじれ)、子宮外妊娠などがあげられます。いずれも緊急採血やレントゲン検査、CT撮影などの検査が必要になり、その結果によっては緊急手術となる可能性もあります。

代表的な病気とその症状について説明すると、急性虫垂炎は、腸の壁が薄い虫垂は炎症免疫防御機構が弱いため、炎症が急激に進み虫垂に穿孔などがみられます。腸閉塞は、腸内にできた腫瘍や、腹部手術後の腸の癒着の影響で腸管自体がねじれたり折れ曲がったりして腸を塞いでしまうために起こります。胃・十二指腸潰瘍の穿孔では、急激な出血によるショック症状で血圧が維持できなくなるなどの状態になります。いずれのケースも、緊急手術が必要な可能性のある極めて重度な病態だといえます。

腹部の痛みによって疑われる病気

腹部の場所ごとに、どういった疾病が疑われるのか見てみましょう。

みぞおち付近が痛む場合、胃に近いことから、飲食時の痛み、不快感や胸焼けなど、胃食道逆流症(逆流性食道炎を含む)が考えられます。慢性的に痛む場合、胃・十二指腸潰瘍、胃癌といった疑いも出てきます。

右脇腹が痛む場合、胆のう炎、胆石症、尿路結石の可能性があります。尿路結石の場合は左脇腹が痛むこともあります。

右下腹部が痛む場合、虫垂炎の可能性が高いです。また、男性で痛みが激しい場合、尿路結石の疑いも考えられます。女性の場合、卵巣や子宮のある位置になるため、婦人科系の疾患も考えられます。

左下腹部が痛む場合、虚血性腸炎、腸閉塞、急性腸炎などが考えられます。大腸がんの疑いも否定できないので注意が必要です。便秘やガスが体内に溜まることによって痛みが現れることもあります。

下腹部全体が痛む場合、腸閉塞や虫垂炎の他、膀胱炎、尿路結石など泌尿器科系の疾患の疑いもあります。女性は部位的に生理痛と感じることもあるかもしれませんが、痛みが通常よりもきつい場合は注意が必要です。

腹部の場所によって発症が疑われる病気、または、これら病気の危険性について詳しくは

『胆石症の痛みについて』

『もがき苦しむほど痛い!?尿管・尿路結石の原因と症状』

『胸焼けの対処法』

『下腹部を中心に痛みを感じる腹痛について』

『左下腹部を中心に痛みを感じる腹痛について』

『右下腹部を中心に痛みを感じる腹痛について』

でまとめて解説してあるので、ぜひご覧ください。

体性痛は放置していても痛みは引かず、早急な受診が必要

内臓痛の痛みの場合、安静していればすぐに快方に向かうケースが多いようです。安静な状態でお腹をゆっくりとさすり、ベルトの締めつけがきつい場合は、ゆるめてリラックスできるようにしましょう。寒さによる腹痛の場合は防寒対策をして再発を防ぐようにしましょう。

同じ部位に同じような痛みがくり返し起こる場合、痛みが一向に引かない場合は、重度の合併症を引き起こしている可能性があります。特に体性痛は、放置していると痛みが引かないどころか、さらに激しくなる傾向にあるので、痛みが悪化してきている場合には早急に医療機関を受診し、詳しい原因を解明するとともに、適切な治療を受ける必要があります。