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子供の腹痛に保護者はどのように対応するべきか

更新日:2016/12/15 公開日:2016/12/09

腹痛の原因

免疫力の弱い子供が、腹痛を訴えるケースはよくあることです。この場合、保護者としてどのような対応が求められるのでしょうか。ここではドクター監修のもと、子供が訴える腹痛でありがちな症状と、その対処法などについて解説します。

子供が発症する腹痛について、注意して観察するポイント、そして子供ならではの対処方法があります。特に幼い子供の場合、意思の正確な疎通は難しいものになるため、心得ておきたい点を解説します。

気まぐれな子供の訴えを理解するために必要な心構え

腹痛を訴える場合でも、コミュニケーション能力が未発達な子供では、その内容も千差万別です。的確に「〇〇が痛い」と訴える子供もいれば、ただ泣き叫ぶだけの子供、うまく表現できず、まったく関係のないことを口にする子供など色々なケースが考えられます。しかし、なにかを訴えているということは、なにかしらの不調や不満があってメッセージを発しているということです。保護者としては、日ごろから子供の様子をよく観察し、痛みや不調の引き金となっている要因を探り当てる必要があります。

子供の腹痛の主な原因

子供が訴える代表的な腹痛について解説します。

便秘

子供の腹痛の原因でもっとも多いのが便秘です。保護者は子供が排便したタイミングを把握しておき、ガスや便が溜まっていないか、お腹の張り具合も確認してみましょう。便秘の場合、水分を多くとらせたり、食物繊維をとるなどの方法で改善がなければ、整腸剤を内服したり、グリセリン浣腸による処置を試みたりします。

急性胃腸炎

ウイルスなどの病原菌によって、消化器官が炎症を起こす症状で、嘔吐や下痢、腹痛といった症状が見られます。特に乳幼児は、いろいろなものを手当たり次第に口にふくもうとするので、注意が必要です。

かぜ症候群

呼吸器疾患の1つです。気管、気管支、肺に炎症が及ぶ病気の総称で、ウイルスがのどなどの粘膜に付着し発症します。年齢を問わず発症する病気ですが、免疫力が弱い子供が発症しやすい傾向にあり、かぜでも腹痛の症状を訴える場合があります

心因性腹痛

なんらかの心理的なストレスが原因となって腹痛が起こるケースです。代表的な例では、学校(幼稚園)の登校前に腹痛を訴え休みたがる、などです。身体に特別な異常が見当たるわけではないので、ストレスが原因と考えられています。

反復性腹痛

反復性腹痛は、内臓に異常が生じて発症する器質的疾患と、特に異常が見られない非器質的疾患に分かれます。

前者の場合、潰瘍など消化器官の病気を発症しているケースが多く、後者の場合は、ストレスなどにより副交感神経が緊張し、腹部に軽いけいれんが見られます。

周期性嘔吐症

幼児、児童に見られる症状で、ある周期で激しい嘔吐をくり返します。発作が起きているときは脱水症状に注意する必要がありますが、ピークを過ぎると自然治癒する傾向にあります。細菌への感染による発症の他、食生活やストレスによっても発症します。

アレルギー性紫斑病

血管が炎症を起こし、皮下出血、関節の炎症といった症状が見られます。皮膚の疾患ですが、激しい腹痛が現れるのも特徴です。主に、乳幼児から小学校中学年くらいの子供に多く見られ、女子よりも男子の方が発症しやすい病気です。

緊急性の高い急性腹症

子供の腹痛には、原因がはっきりしないものや、ストレスによる発症も多く存在します。そして、放置しておくと生命にもかかわるほどの重度な腹痛もあります。

急性虫垂炎

盲腸(大腸の一部)の先には、虫垂と呼ばれる突起した部位があります。この虫垂に固まった便などが付着し、感染することによって起こる病気です。炎症が続くと細胞が壊死してしまい、そこから穴が開き(穿孔)、大腸菌によって腹膜炎に感染する恐れがあります。

腸閉塞

便が腸管内に付着した場合や、腫瘍やねじれなど、なんらかの原因で腸が塞がれた状態を指します。この状況下では、便やガスが体内に滞留し、激しい腹痛や嘔吐といった症状に襲われます。

腸重積

腸重積は、腸の一部が重なり合って起きる腸閉塞の一種です。虫垂炎同様、細胞が壊死する危険のある病気です。生後間もなくから2歳までの期間で頻発して起こる病気で、特に肥満児によく見られるのが特徴です。乳幼児期に発症しやすいため、観察を怠ると発見が遅れがちになるので注意が必要です。

そけいヘルニア嵌頓(かんとん)

腸がそけい部(太ももの付け根部分)の筋膜の間から、皮膚の下にはみ出してしまう病気で、脱腸などとも呼ばれています。そけい部に明らかな膨らみ(はみ出た腸)が確認できるため、発見は比較的容易ですが、指で押しても腸が戻らない場合、そのまま放置しておくと激しい腹痛に見舞われます。

上記4つの病気に関しては、緊急手術を要する可能性が高くなります。このような腹痛を急性腹症と呼びますが、子供の場合、急性腹症は病状の進行が早いため、保護者の的確な判断が求められます。

慢性的な腹痛の克服に向けた便秘予防対策

子供の腹痛の多くは便秘によるものですが、保護者としてはどのような対処が出きるのかという意識も必要になります。

まずは便秘を慢性化させないことです。体質的な要因もありますが、便秘は放置しておくと習慣になる可能性があります。便秘を改善するために、まずは食事内容の見直しをすることをおすすめします。野菜など食物繊維の多い食材や、腸内を活性化させるヨーグルトといった乳製品がよいでしょう。また、特に乳児の場合、運動不足によって便秘が起こりやすくなります。腹部をさするようなマッサージや、こまめな水分補給も大切です。

子供の排せつの状態を把握しておくことも便秘の予防に役立ちます。定期的におむつの中を見て、便の状態をチェックするようにしましょう。便秘が長引くようであれば、市販の浣腸で排せつを促すのも有効です。

判断が難しい場合は早急に診察を受けることが重要

子供の腹痛に対して、家庭でできるあらゆる方法をとっても、一向に泣き止まなかったり、不調を訴えたりするようであれば、医療機関を受診して、適切な処置を受けてください。その際に医師に適切な情報を伝えるのは保護者の役目です。最後に排便をした日時や、食事の内容、体温や睡眠時間など、子供の身体の状態をなるべく正確に伝えられるようにしましょう。

具体的には、腹部がパンパンに張っている場合、茶色や緑色など褐色の液体の嘔吐が見られる場合、便に血が混じっている場合、夜眠れないほどの痛みに襲われ、のたうち回っている場合や、逆に気力がなく、ぐったりとしている場合などは、要注意です。また、外傷によって腹痛を訴えている場合も、打撲した場所や出血状況などを確認して病院へ向かうようにしましょう。

腹痛は、家庭の処置で快方に向かえばそれに越したことはありませんが、上記のような症状が見られる場合、急性腹症の可能性が高いため、安易な自己判断をせずに、早急に医療機関を受診するようにしてください。また、病院で処方された薬は、用量・用法を守り、必ず服用させるようにしてください。