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皮膚や白目が黄色くなる黄疸が生じる原因とは?

更新日:2017/04/15 公開日:2017/04/15

新生児黄疸の基礎知識

ビリルビンという色素によって皮膚や白目が黄色く染まる症状を、黄疸といいます。黄疸はどのような原因で生じるのでしょうか。ここではドクター監修のもと、黄疸の原因や治療について、わかりやすく解説します。

全身の皮膚や白目が黄色くなる黄疸は、赤血球の破壊、肝炎やがん、アルコールや薬物など、さまざまな要因で生じます。中には、重篤な病気のサインである場合もあります。ここでは、黄疸の原因や治療などについて、詳しく解説します。

黄疸とは

黄疸とは、なんらかの原因によってビリルビンという色素が血液中に増加し、皮膚や粘膜が黄色に染まった状態のことです。血清総ビリルビン値が2.0~3.0mg/dL程度になると黄疸が認められるようになります。

日本人の場合、皮膚の黄疸は目で見て確認しにくいため、黄疸があるかどうかは白目(眼球結膜)を見て判断します。黄疸がみられる場合は、ビリルビンの尿中排泄量増加による褐色尿(尿の色が濃くなる)や皮膚のかゆみなどの症状をともなうことが多いとされています。

ビリルビンの代謝

ビリルビンは赤血球の成分であるヘモグロビンが代謝されて産生されます。ヘモグロビンが代謝されてできる間接ビリルビンは水に溶けずアルブミンというたんぱくに連れられて肝臓まで行き着き、そこでグルクロン酸抱合を受けて胆汁に溶ける形となり、胆嚢を経て、十二指腸に出て行きます。つまり赤血球(ヘモグロビン)→_間接ビリルビン_→肝臓→(_グルクロン酸抱合)直接ビリルビン_→胆汁→十二指腸、というのが、ビリルビンの動きです。

黄疸の原因

新生児黄疸(生理的黄疸)

日本人の場合、黄疸は赤ちゃんのほとんどに認められます。これは生理的黄疸と呼ばれるもので、赤ちゃんが大人と比べてビリルビンを産生しやすく、ビリルビンの代謝機能も未熟なためです。だいたい7—10日で消失し、予後は良好です。

溶血性貧血

上記のようにビリルビンは、赤血球が壊れることで生じたヘモグロビンが代謝されて作られます。そのため、溶血(赤血球が壊れ内容物が放出されること)が起こる溶血性貧血では血液中の間接ビリルビン量が増え、黄疸が生じます。溶血性貧血には、先天性(生まれつき)のものと後天性のものがあります。先天性の場合は赤血球そのものの異常が原因で起こりますが、後天性の場合は赤血球に結合する抗体の産生など、原因が赤血球以外にあることがほとんどです。

肝細胞性黄疸

ヘモグロビンから生じた間接ビリルビンは、肝臓に運ばれ、グルクロン酸抱合を受け直接ビリルビンとなり胆管中に排泄されます。しかし、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎、薬物性肝障害、自己免疫性肝炎、肝硬変などで肝細胞が傷害されると肝細胞から胆管中への直接ビリルビンの排泄が障害され、血中に漏れ出て、黄疸を生じます。肝細胞の破壊が進行すると間接ビリルビンをグルクロン酸抱合する能力が低下し、血液中の間接ビリルビン量も多くなり複雑な病態となります。。

肝内胆汁うっ滞性黄疸

肝内胆汁うっ滞とは、肝臓の種々の疾患が原因で、肝臓内で胆汁が流れる経路が阻害され、胆汁が肝臓から肝臓の外に流れにくくなる状態です。胆汁の流れが滞ることで血中にビリルビン(直接ビリルビン)があふれ出し、黄疸が生じます。肝内胆汁うっ滞性黄疸は、ウイルス性肝炎や薬物性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、重症感染症などが原因で生じます。妊娠にともなって生じることもありますが、多くは出産によって軽快します。

閉塞性黄疸

胆道がんや膵頭部がん、胆石症などによって肝臓から十二指腸までの胆管が狭まると、胆汁がうっ滞して黄疸が起こります。膵臓の頭部は総胆管と隣り合っていますので、この部位のがんは総胆管を圧迫し黄疸を起こしやすく、それを初期症状として発見されることも少なくありません。ビリルビンは便の色のもとになる色素の原料になるため、胆汁うっ滞によって腸管に移行するビリルビンが減ると、便の色が薄くなる灰白色便になります。

体質性黄疸

体質性黄疸は、先天的な肝臓のビリルビン代謝異常によって発症する黄疸です。ジルベール症候群、クリグラーナジャー症候群、デュビン・ジョンソン症候群、ローター症候群があります。いずれも遺伝性で、ジルベール症候群以外はきわめて稀です。ジルベールとクリグラーナジャー症候群はグルクロン酸抱合障害(ジルベールは間接ビリルビンの肝への摂取障害もあります)が原因で間接ビリルビンが上昇します。これに対して、デュビン・ジョンソンとローターは直接ビリルビンの排泄障害が原因で直接ビリルビンが上昇します。クリグラーナジャー症候群には、出生直後に黄疸が現れるI型と、生後1年以内に黄疸が現れるII型があります。I型は核黄疸と言って脳の特定な部位にビリルビンが沈着し致死的な病気です。それ以外の体質性黄疸の予後は良好です。

黄疸の治療

新生児期に発症した黄疸は、重症化すると核黄疸を発症するリスクが高まるため、核黄疸の初期症状を認めた場合などは、ビリルビン濃度を下げる治療が必要です。治療法には、光線療法と交換輸血があります。光線療法は、体に青い光をあてることで間接ビリルビンを水に溶けやすい形に変化させ、胆汁中への排泄量を増やす治療法です。

成人の黄疸の場合は、なんらかの病気によって生じたものなので、原因となっている病気の治療が必要です。明らかな黄疸を認める場合、重症の急性肝炎や肝障害、がんなど緊急に処置が必要な閉塞性黄疸の可能性があるため、多くは入院が必要になります。

黄疸が出た場合は何科に行けばいい?

黄疸を認める場合には、採血を行い、血液像や肝機能、炎症マーカーなどを調べるほか、腹部超音波検査やCTスキャンを行います。黄疸は重大な病気のサインである可能性があるので、黄疸が現れたらすぐに内科や消化器内科を受診しましょう。