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肩関節脱臼とは

更新日:2017/01/18 公開日:2017/01/18

脱臼の基礎知識

関節が外れる症状を脱臼といいますが、肩に脱臼が見られる場合、物を持つなどの基本的な日常動作に支障をきたします。ここではドクター監修のもと、代表的な肩関節脱臼の症状や治療法について解説します。

人間の体内には無数の関節が存在しますが、関節の一つ一つが、しなやかに伸びたり曲がったりすることで自由自在に身体を動かすことが可能になります。その中でも、特に肩の関節は、重圧を支える力が乏しく不安定な性質を持っています。ラジオ体操でも、両肩をグルグルと大きく回転させる運動がありますが、こういった動きの自由度が高い反面、脱臼を起こしやすい部位の一つでもあります。

脱臼のリスクが多い肩関節

肩関節脱臼とは、なんらかの理由で外圧が加わることによって、上腕骨頭が前方へずれ、同時に関節包(関節を包む膜)や筋を圧迫し突き破った状態を指します。症例の大半は外傷性によるものですが、奇形や代謝異常などによる先天的な理由(非外傷性)によって、脱臼がひんぱんに起こる人もいます。

外傷性の場合、10~20代の人に好発し、性差は男性4:女性1とやや男性に多く見られます。肩関節脱臼が起こる一番の原因はスポーツによるもので、相手との接触や転倒時に肩を強打した場合に起こります。また、ラグビーや柔道といったボディコンタクトの多いスポーツだけでなく、野球の投球やテニスのサーブでも起こり得るため、あらゆる運動にリスクが潜んでいることになります。一度肩関節脱臼を発症した場合、再発への恐怖から、思い切ったプレーができなくなることもしばしばで、医療機関における治療と、予後のリハビリやケアに気を配る必要があります。

くり返し起こる反復性脱臼とは?

外傷性肩関節脱臼のうち、その多くは肩甲骨が前方に脱臼する前方脱臼と呼ばれる症状で、症例全体の90%を占めています。外見上は、本来丸みを帯びている肩関節外側の皮膚が平面状になり、肩甲骨の先端部分に突出が見られるようになります。同時に患部は腫れ、内出血が確認できます。この場合、自力で腕を動かすことは不可能です。また、前方脱臼に比べはるかに少ないものの、転倒時に腕を内側にひねった場合、肩甲骨が後方へ脱臼する場合もあります。これを後方脱臼といいます。

ケガや事故によって一度肩関節脱臼を発症した場合、再発のリスクは高い傾向にあります。前述のとおり、肩関節は重力を支える力に乏しいため、その機能は関節包や靭帯によって補助されています。適切な治療が行われず、関節包や靭帯が再建されないまま再び外傷を受けた場合、容易に脱臼が起こりやすくなります。こういった状態下で頻発する脱臼を、反復性肩関節脱臼と呼びます。反復性肩関節脱臼の場合、重度の外傷を受けた場合だけでなく、軽い衝撃や少し腕を動かした場合でも脱臼するおそれがあります。

肩関節脱臼の治療法

肩関節脱臼の治療法ですが、まずは関節の整復を試み、その後患部を3~6週間ほど固定します。同時に肩関節付近の筋力トレーニングを行うことが、再発防止に効果的とされています。根本的な治療方法として、外科手術に踏み切る場合もあります。代表的な手術方法として、剥離した関節包や靭帯を関節に縫合する処置や、靭帯や骨を移植する方法など、手術法だけでも150パターンあるといわれています。

内旋筋力アップで機能回復と再発防止を図る

治療中は患部を固定した状態で数週間過ごすことになるので、身体の他所の機能を落とさないよう注意が必要です。また、装具が外れた後は、関節に硬直が見られます。そのため、柔軟性をつけるストレッチからスタートし、その後筋力アップのリハビリに切り替えます。肩関節は、外転・外旋時に脱臼しやすい状態となるので、内旋筋力をつけることが重要となってきます。

医師や理学療法士などの指導のもと、適切なリハビリを続けていけば、比較的早期に普段どおりの日常生活に復帰することができます。再び激しいスポーツをするまでには、最短でも半年ほどかかりますが、あせらずじっくりリハビリと患部のケアに努めることが重要です。

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