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扁桃炎は扁桃腺の病気!扁桃炎(扁桃腺炎)の治療と基礎知識

更新日:2018/05/29 公開日:2016/11/30

扁桃炎(扁桃腺炎)の基礎知識

扁桃腺とは病名ではなくのど粘膜の下にあるリンパの組織です。ところが、病名と勘違いする人が後を絶たないようです。そこで、今回は扁桃腺と扁桃炎の関係とそれぞれの基礎知識や治療についてドクター監修のもとに解説しています。

扁桃腺が炎症を起こすと扁桃炎(扁桃腺炎)を発症します。扁桃炎(扁桃腺炎)はのどの腫れとともに激しい痛みと高熱がともないます。飲食もままならなり、身体の節々まで痛みだすこともある病気ですがここでは、扁桃腺・扁桃炎(扁桃腺炎)の基礎知識や治療について述べていきます。

扁桃腺の基礎知識

扁桃とはアーモンドの和名ですが、口を開けたとき両側に見えるリンパの組織は、アーモンドの種子によく似ています。そのため、そのリンパ組織は「扁桃」とよばれ、ウイルスや細菌の口からの侵入を防ぐ大事な働きをしています。でも、もともと扁桃は分泌物の排出を行う「腺」ではありません。したがって、扁桃腺より扁桃だけのほうが正確なのですが、扁桃腺という名称が、一般的な認知度が高いため扁桃腺と表記しています。

ワルダイエルの咽頭輪

普通に扁桃腺とよぶ場合、口蓋扁桃(こうがいへんとう)を指すことが多いようです。実際は、扁桃には、咽頭扁桃(いんとうへんとう)別名アデノイド・舌扁桃(ぜつへんとう)・耳管扁桃(じかんへんとう)・咽頭側索(いんとうそくさく)などの種類があります。これらの扁桃はすべてのどの周辺に、のどを守るようにリング状になって連なっています。その形状から、これを「ワルダイエルの咽頭輪」とよんでいます。

扁桃腺の働き

免疫細胞が多い扁桃は、口や鼻から侵入しようとするウイルスや細菌、病原体から身体を守る働きをしているのですが、特に、子供は免疫力が弱いため、扁桃腺は子供を病原体から守る大きな役目をしています。扁桃が炎症を起こして、腫れるのは2~3歳ごろからです。扁桃腺は子供のころには大きく、成長するとともに徐々に小さくなっていきます。これは、成長とともに子供の身体の免疫力が上がり、扁桃腺の免疫機能に頼ることが少なくなるからだと考えられます。口蓋扁桃は4~8歳ごろがもっとも大きく、成人ではほとんどわからなくなるのですが、中には成人になっても扁桃が小さくならずにある程度、大きさを保っている人がいます。

扁桃炎(扁桃腺炎)の基礎知識

扁桃が病原体に感染し、炎症が起きる病気が扁桃炎(急性扁桃炎)です。扁桃には、免疫機能が働く一方で、細菌が蓄積されやすい側面があります。そのため、扁桃が感染源になってしまうことも多いのです。上記のように成人しても扁桃が小さくならずに炎症が継続している状態を、急性扁桃炎に対して慢性扁桃炎とよびますが、その場合、扁桃にはブドウ球菌や溶連菌、肺炎球菌が常に存在していて炎症が続いています。そのような状態では、身体の抵抗力は扁桃にある病原菌に負けてしまいます。その結果、扁桃炎が発症するのです。発症すると、扁桃は赤く腫れて白い膿栓が見られ、発熱(38度以上)やのどの痛み、頭痛や関節痛などの症状が現れます。

慢性扁桃炎の種類

慢性扁桃腺炎は、習慣性扁桃炎・慢性単純性扁桃炎・扁桃病巣感染症の3種類に分けられます。

習慣性扁桃炎
子供に多く発症し(3歳ごろより発症、6歳がピーク)、成人するまでに収まることが多いのですが、たまに成人してから発症することもあります。ただし、普段は症状が出ることはありません。
慢性単純性扁桃炎
慢性単純性扁桃炎に感染するのはほとんどが成人です。急性扁桃腺炎からそのまま慢性扁桃炎へ移行する原因は、飲酒や喫煙によるものです。
扁桃病巣感染症
腎臓や皮膚、関節などの病気を併発します。(関節リウマチ・IgA腎症・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)・胸肋鎖骨過形成症など)

急性扁桃炎が慢性化すると慢性扁桃炎となるのですが、慢性扁桃炎は突然、急性化することがあり急性の症状を、年に4回以上くり返す場合を習慣性扁桃炎とよびます。

扁桃炎を起こすウイルスや細菌

扁桃炎を起こす要因はウイルスや細菌です。ウイルスにはアデノウイルス・単純ヘルペスウイルス・EBウイルス・エンテロウイルスなどがあり、細菌には溶連菌・肺炎球菌・インフルエンザ菌・黄色ブドウ球菌などがあります。特に、溶連菌感染の場合の合併症が起こることがあり注意が必要です。

扁桃炎(扁桃腺炎)の治療

扁桃炎(扁桃腺炎)が発症した場合、のどの腫れや痛み、発熱を自覚したなら安静にすることはもちろん、水分や、抗体の産生が促されるビタミンCの摂取などが必要になります。でも、もっとも重要になるのはドクターの正しい診断と治療を受けることです。合併症を避けるためにも、血液検査や細菌検査で原因となった細菌やウイルスをつきとめる、ドクターの治療を受けることをおすすめします。急性扁桃炎は発熱や関節痛に対しては解熱や鎮痛剤などを用い、適切な抗生物質の内服あるいは点滴注射などで、原因となった細菌を抑える治療をしていきます。そのほか、炎症を起こしている扁桃の殺菌のため、うがいをすることもよい治療法です。また、湿布薬などが用いられることもあります。

扁桃炎(扁桃腺炎)を手術する場合

扁桃炎(扁桃腺炎)の再発が年に3~4回以上と頻度が高い場合は扁桃摘出の手術が行われることもあります。手術が行われるその他の場合には、扁桃病巣感染や高度な扁桃肥大、睡眠時無呼吸症候群などがあります。

※睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中ある一定の間、無呼吸状態が繰り返しおこる病態を指します。扁桃肥大などが原因となり突然死の一因子ともいわれます。

扁桃炎(扁桃腺炎)の予防

常日頃うがいを慣行し、睡眠を十分にとり不規則な生活を慎むことが大切になります。過労やストレスを避け、節制に努めましょう。過度の飲酒や喫煙にも注意が必要です。とくに、喫煙はビタミンCを大量に消費しますので、習慣性扁桃炎の人には好ましくないとされています。のどに痛み違和感があるときの入浴や飲酒は避け、喫煙者の方は禁煙するようにしましょう。

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