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乏尿とは

更新日:2018/05/28 公開日:2017/02/28

乏尿の基礎知識

乏尿とは体内で尿が作られなくなり、尿量が減少することです。腎機能低下や結石、腫瘍など諸疾患から引き起こされる可能性もあるため、放置すると危険です。本記事では原因と症状、治療についてドクター監修の解説をお送りします。

尿の量が減っていると、乏尿のおそれがあります。乏尿は、どのような原因で起こるのでしょう。

乏尿とは

乏尿(ぼうにょう)とは、尿が通常よりも少ないことを言います。正常な成人男性ですと24時間で1,500mL、女性で1,200mL程度の尿を排出するとされていますが、腎機能低下や脱水などのために体内で尿が作られなくなって尿量が400mL以下になると乏尿と呼ばれます。さらに、尿量が100mL以下になると無尿と呼ばれ、乏尿とは区別されます。なお、同様に尿が出ないといった疾患でも、尿自体は作られているが、膀胱より下部の尿道の閉塞や、膀胱の神経障害などで尿が出ない場合は、尿閉と言い、乏尿とは異なります。

乏尿の症状

体内の水分が不足して乏尿となっている場合は、脱水症状や不整脈を起こすことがあるといわれています。また、腎機能に異常が起こると尿が作られず乏尿になるとされています。尿には体内の老廃物を排出する役割がありますが、この状態では老廃物が尿として排出されなくなるため、体内に毒素が残って濃度が上がります。そうすると吐き気や嘔吐を引き起こすこともあります。結石や腫瘍によって腎臓から膀胱への通路である尿路が塞がれて乏尿となっている場合は、下腹部痛や腰痛などを引き起こすことがあるといわれています。2つある腎臓の尿路が両方とも塞がれるケースは少ないものの、すでに片方の腎臓を摘出している患者には比較的起こりやすいと言えます。

いずれの場合も、尿量が普段より少ないことが共通しています。早期に治療しなければ腎臓を傷めてしまい腎不全につながる可能性がありますから、気になる場合は泌尿器科や腎臓内科を受診することをおすすめします。

乏尿の原因

原因は大きく3つに分けることができると考えられています。腎臓は血液中の老廃物をろ過して尿にする機能を持ちますが、腎臓で血液をろ過する前の段階に原因があると腎前性乏尿、腎臓自体の機能に原因があると腎性乏尿、腎臓でろ過した後の過程に原因があると腎後性乏尿と呼びます。

腎前性乏尿の原因

ろ過すべき血液が腎臓に回ってこないことが腎前性乏尿の原因といわれています。失血で血液の量が減っていたり、心機能の異常によって血液を押し出す力が弱っていたりする状態の他、下痢、嘔吐、高度な発汗によって体内の水分やミネラルが失われた脱水の状態が考えられます。血栓が腎臓への血流を阻害していることもあります。

腎性乏尿の原因

さまざまな理由によって腎臓の機能に障害があらわれ、乏尿となります。もっとも多いのは急性尿細管壊死ですが、この他に急性糸球体腎炎、腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、水腎症などが原因となりえます。

腎後性乏尿の原因

腎臓から膀胱へと尿を送る通路である尿路に、結石や腫瘍、炎症があるなどして閉塞されることが原因とされています。消化管や骨盤内の悪性腫瘍が尿路に進展あるいはリンパ節転移して圧迫されることも、尿路閉塞につながり乏尿や無尿の原因になるといわれています。上記のとおり、腎臓は2つありますから、両方の尿管が閉塞して乏尿となることはまれと考えられています。

乏尿の治療

原因に応じた治療法を行います。腎前性乏尿では補液や輸血を行い、心疾患がある場合は心疾患の治療を、下痢や嘔吐などのせいで乏尿を引き起こしている場合は下痢、嘔吐の根本的な理由を突き止めて治療を行います。

腎性乏尿の場合は各腎疾患の治療を行うのに加えて、腎不全の状態をケアするため食事療法、薬物療法を行います。食事は腎臓に負担をかけないよう塩分やタンパク質を制限し、ミネラルを調整した高カロリー食を摂ります。水分の摂り方も状態によっては指導があります。薬物療法では病状に応じて利尿薬、抗生物質、血圧を改善する薬などが用いられます。

腎後性乏尿に対しては、結石や腫瘍など原因となっている状態を取り除いたり緩和したりすることが検討されます。原因によって、摘出手術や投薬治療にもさまざまな方法があります。結石の場合には再発防止のため食事療法などの生活指導が行われることもあります。

乏尿の予防

乏尿を未然に防ぐ、あるいは再発を防止するには、脱水状態にならないよう気をつけることや腎臓に負担をかけないことが有効と考えられています。脱水状態を防ぐための水分補給には、水だけでなく、0.1%から0.2%程度の塩分と糖分を適量入れて飲むことが勧められます。腎機能低下が疑われる場合は、食事内容や生活習慣を見直すとともに、泌尿器科や腎臓内科を受診して検査を受けましょう。

すでに腎疾患や結石、腫瘍などの診断を受けて治療中の場合は、その治療を行うことで乏尿の再発防止につながります。食事療法や薬物療法の行い方は主治医に相談し、アドバイスを受けるのが最適と言えます。