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寒冷蕁麻疹のメカニズムと対処法とは

更新日:2017/03/23 公開日:2017/03/23

蕁麻疹・痒疹・皮膚掻痒症

蕁麻疹の中でも、寒冷蕁麻疹は少し対処法が特殊です。かゆみには患部を冷やすことで対処できることも多いのですが、寒冷蕁麻疹ではそれが逆効果となることもあります。今回はドクター監修の記事で、寒冷蕁麻疹について説明していきます。

寒冷蕁麻疹は蕁麻疹の一種です。名前の通り、皮膚の温度が低下することによって蕁麻疹の症状が出てくるのが特徴です。今回は寒冷蕁麻疹について説明していきましょう。

寒冷蕁麻疹とは

そもそも蕁麻疹は食べ物などのアレルギー反応によって起こる「アレルギー性蕁麻疹」や原因不明の「突発性蕁麻疹」、そして皮膚が外部から刺激されることによって起きる「物理性蕁麻疹」などがあります。そして寒冷蕁麻疹が分類されているのは、物理性蕁麻疹です。物理性蕁麻疹では皮膚がこすれたり、日光にあたったり、あるいは急に暖められた時などにも蕁麻疹が出てしまうことがあります。そしてその中でも、皮膚が急激に冷やされてしまったときに出てしまうのが、寒冷蕁麻疹です。

寒冷蕁麻疹の症状

寒冷蕁麻疹の症状は、基本的には他の蕁麻疹とあまり変わりません。突然ブツブツとした赤い腫れが、強いかゆみとともに皮膚に現れます。そういった腫れやかゆみは、時間の経過とともに治まっていきます。寒冷蕁麻疹の場合は、2時間ほどで治まっていくことが多いといわれています。違うのは、こういった症状が引き起こされる要因です。急激な皮膚の温度低下が引き金となり、腫れやかゆみが引き起こされてしまうのです。また、体の一部に出現する「局所型」と、全身に出現する「全身型」に分かれているという点も、寒冷蕁麻疹特有の特徴となります。

寒冷蕁麻疹の原因とメカニズム

寒冷蕁麻疹も、他の蕁麻疹と同じく「肥満細胞」という細胞が刺激を受けることで発生することが多いです。この肥満細胞は、普段は皮膚の下の血管周辺に存在している細胞なのですが、ここが急激な温度の低下による刺激を受けると、「ヒスタミン」という物質が分泌されます。そして、分泌されたヒスタミンは皮膚の神経を刺激して、強いかゆみを引き起こしてしまうといわれています。また、ヒスタミンには血管を拡張させてしまう作用もあります。皮膚が赤く盛りあがるのも、拡張した血管から血漿(けっしょう)があふれ出すことによっておこります。

ヒスタミンが分泌されるとかゆみが起きてしまいますが、ここで皮膚をかきむしってしまうと、さらにヒスタミンの分泌が活発になり、ますます強いかゆみに襲われてしまうことがあるのです。「かゆみの悪循環」ともいわれ、アレルギー体質の人には大きな悩みとなってきました。

  • かゆくてもかいてはいけない

本来このヒスタミンは免疫系の神経伝達物質としての役割があり、決して絶対の悪者ではありません。外部からの刺激を脳に伝える役割を持っており、もしヒスタミンがなければ、体はアレルギーに対して無防備になってしまうのです。そのため、ヒスタミンを抑えようとするのは現実的ではありません。かゆみとは上手につきあっていかなければならないのです。

寒冷蕁麻疹の対処と治療

対処法

寒冷蕁麻疹の症状が出てしまった場合、その対処法には要注意です。普通のかゆみなら、冷やすことによって治まっていくこともあります。しかし、寒冷蕁麻疹の場合、冷やしてしまうとますますヒスタミンが分泌されてしまい、かゆみが強くなってしまうケースも多いのです。かゆみの原因が寒冷蕁麻疹であるとわかっている場合は、お湯につけたタオルなどを使ってその箇所を暖めるようにしましょう。

診察・治療法

蕁麻疹が何度も起きてしまう場合は、医療機関での診察を受けましょう。医療機関ではまず問診から行い、症状が出たときの細かい状況などを聞き取っていきます。蕁麻疹はさまざまなことが原因で起きてしまうので、なかなか絞り込むのは難しいです。しかし、原因さえ特定できれば、普段の生活の中での心がけや、かゆみがおきたときの対処法などを身につけることができます。また、他の蕁麻疹と同じく、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤といった薬が処方されることも多いです。

寒冷蕁麻疹の予防

寒冷蕁麻疹を防ぐには、とにかく皮膚表面の温度を急激に冷やさないことが重要になってきます。たとえば、運動して体温が上がった後に、急に体を冷やしてしまったり、お風呂から上がった後に、温度の低い部屋へ移動してしまったりなど、こういった時に寒冷蕁麻疹が出てしまうことが多いです。そうならないためにも、温度の低いところへ移動する場合は注意しなければなりません。以下の予防法などを心がけていきましょう。

  • 運動して体が温まった後は、すぐに室内に移動できるようにする
  • お風呂に入った後に体が冷えないよう、脱衣所や部屋はあらかじめ暖めておく
  • 冬場に外出する前は、少しずつ寒さに体を慣らしておく
  • 床がフローリングの場合、冬場はスリッパなどを使うようにする
  • 夏場はエアコンの冷気が直接当たる場所へは行かないようにする

また、ストレスなどもヒスタミンの分泌を強めてしまうといわれています。ストレスの解消には、入浴して汗をかいたり、適度な運動したりするのがよいとされているのですが、それだけに体を冷やさないよう、細心の注意を払ってください。

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