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カラーコンタクトレンズとは

更新日:2017/03/26 公開日:2017/03/24

コンタクトレンズの基礎知識

カラーコンタクトレンズは若い人たちを中心に普及してきています。それにともない、カラーコンタクトによる眼のトラブルも増えているといわれます。カラーコンタクトの安全性やトラブルへの対策についてドクター監修の記事で解説します。

カラーコンタクトレンズは、その品質や安全性がしばしば問題となることがあります。使用によって起こったトラブルの例や、トラブルが起きた際の対策について解説します。

カラーコンタクトレンズの特徴・目的

カラーコンタクトレンズは、現在では主に虹彩の色を変える美容用のレンズとして普及しています。もともとは事故や眼の疾患などにより眼の虹彩が欠損したり角膜が白濁してしまったりした患者のために開発されたものです。しかし、欧米でファッションを目的とするカラーコンタクトレンズが使われ始めると、日本でも同様に使用がみられるようになり、若い年代の人たちを中心に使用する人が増えています。

おしゃれを目的とする美容用のカラーコンタクトレンズには、虹彩の色を変えるためのもの(オパークカラーコンタクト)と、瞳を大きく見せる目的のもの(サークルカラーコンタクト)があります。また、これらの目的をあわせもつカラーコンタクトレンズもあります。

品質や安全性の問題について

一般的な視力補正用のコンタクトレンズと比べ、おしゃれ目的のカラーコンタクトは、レンズが厚いものが多い傾向があります。そのため酸素の透過性が低くなり、酸素不足を起こしやすいということがあります。

また、サイズの合わないレンズを使用したことによって角膜に障害が起こる例も報告されています。瞳を大きく見せる目的で使われている、いわゆる「デカ目カラコン」のなかには、レンズの径が大きいものも多いといわれます。使用者の眼にフィットしない大きいサイズのレンズを使うことで角膜に傷がつく可能性や、酸素不足の状態を引き起こし、それが眼の障害につながることも少なくないとされます。

カラーコンタクトレンズは、着色料の安全性についてかつて大きな社会問題になり、報道でも大きく取り上げられたことがありました。虹彩の色を変えるために、カラーコンタクトレンズには着色料が印刷もしくは封入されています。現在では、薬機法(旧薬事法)で高度管理医療機器として規制の対象とされるため、安全性については一定の基準をクリアしているものとされています。

しかしながら、たとえば国外で製造され輸入された製品などのなかには、国内の基準とは異なる基準で製造されたものが含まれていることも懸念されます。その場合、使用されている着色料が健康被害につながりかねない有害なものである可能性がない、とは言いにくいかもしれません。

カラーコンタクト使用によるトラブル例

おしゃれ目的のカラーコンタクトを使用することによって生じたトラブルの例をあげます。

診断名

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が実施した調査によると、おしゃれ用カラーコンタクトレンズを使用したことによって生じた眼障害として報告された症例が167件あり、その診断名として以下のものがあげられています。

・角膜炎…46件

角膜に炎症が生じるもので、眼に痛みや充血、目のかすみなどの症状がみられます。

・角膜びらん…45件

角膜上皮が剥がれ、眼の痛みや充血などの症状が起こります。

・角膜潰瘍…24件

角膜に潰瘍が生じたものです。眼の痛みのほか、充血や流涙などがみられます。

・角膜浸潤…21件

角膜表面に傷がつき炎症を生じたもので、目の痛みや充血、異物感などが現れます。

・結膜炎…17件

結膜に炎症が生じたもので、目のかゆみや目やに、充血などの症状がみられます。

・角膜浮腫…8件

角膜にむくみが生じたもので、眼のかすみや視力低下などがみられます。

・角膜上皮剥離…5件

角膜がはがれたことにより、目の痛みや充血のほか、流涙などの症状がみられます。

・その他…1件

原因

カラーコンタクトレンズを使用したことによって生じた眼のトラブルは、主に以下のような原因によって引き起こされたものと考えられています。

・レンズ自体が障害の原因となるもの

前記のとおり、カラーコンタクトレンズはその厚さや材質などの関係から酸素透過性が低いものが多いため、角膜に酸素不足が生じやすいといわれています。酸素不足になると、角膜に傷が生じた場合に回復しにくくなったり、感染の危険性が高まったりするなどにより、眼に障害が起こりやすくなるとされます。

また、レンズの着色に用いられた着色料が角膜や結膜に障害を引き起こすこともあります。レンズから色素が漏出して細胞毒性を生じる場合や、レンズへの印刷方法によっては着色料が直接角膜や結膜に触れることとなる場合もあり、その刺激が障害につながったというケースもあるようです。

・使用者自体に障害の原因がみられるもの

カラーコンタクトレンズの使用によってトラブルが生じ眼科を受診した人のなかには、視力補正用のコンタクトレンズなどの装用経験がないままにカラーコンタクトを使用したという人も多いといわれます。さらには、その購入や使用に際して眼科医院を受診したり、処方や指導を受けたりしないままに、通信販売などでカラーコンタクトレンズを購入し、使用している場合も見受けられるようです。

その場合、正しい装着方法や禁忌事項などの情報が十分に得られていないままにカラーコンタクトレンズを使用しているおそれがあります。そのため、レンズの長時間装用や、洗浄・殺菌などのケアなどが不適切なものとなり、結果として眼に障害を引き起こしたケースも少なくないようです。

粗悪品の使用によって考えられること

前記したとおり、カラーコンタクトレンズは高度管理医療機器として薬機法で規制の対象とされています。そのため、承認を受けた製品のみが販売できることになっています。しかし、そうであるからと言って、すべてのカラーコンタクトレンズが必ずしも「安全性については心配ない」とは言えないようです。

かつては、視力補正目的ではないカラーコンタクトレンズは、雑貨として取り扱われていました。しかし、さまざまな健康被害が報告されたことによって、薬機法(当時は薬事法)で規制を受けるようになりました。しかし、それ以降もカラーコンタクト使用によってトラブルが生じた件数は増え続けているといわれます。

承認を受けているレンズであっても、使用者の眼に適合しないレンズの使用は、角膜に傷がついたり酸素不足を生じさせやすくしたりするなど、トラブルを引き起こす危険性が高くなるとされます。また、個人輸入や個人輸入代行などによって海外の製品を購入・使用する場合、そのレンズが日本では未承認のものである可能性もあります。

そのような場合「自己責任」のうえで使用することとなりますが、中にはレンズの着色料の安全性が危惧される製品もあるといわれます。人体に対して有害な着色料を使用したレンズは、短時間の装用であっても角膜にトラブルや、重篤な場合には角膜潰瘍などの疾患を起こすもととなりかねません。

通信販売などを利用して比較的手軽に購入することができるものではありますが、カラーコンタクトレンズは「医療機器」であることを認識し、眼科医の処方や指導を受けた上で適切に使用することが重要です。

間違った使用方法やトラブルが起きた際の対策

以下は、カラーコンタクトレンズの誤った使用法と、その改善や対策を示したものです。該当するものがあれば、すぐに改めて、適正に使用するようにしましょう。

処方や症状に関するもの

次にあてはまるものがある場合には、眼科医を受診し、指導や治療を受けるようにしましょう。

  • 購入する際に眼科医の処方を受けていない
  • 添付文書や取扱説明書を読んでいない
  • 装用してすぐに眼に痛みを感じたがそのまま使用した
  • 眼に痛みや充血などの症状が出ているが使用を継続している
  • 定期検査を受けていない

使用法に関するもの

次にあてはまるものがある場合には、眼科医の指導を受けるとともに、製品の添付文書や取扱説明書をしっかりと読み、適切に使用するようにしましょう。

  • 1日に8時間以上連続して装用している
  • レンズを装用したまま寝てしまうことがある
  • レンズに規定された使用期限を超えて使用を続けている
  • レンズを十分に洗っていない(こすり洗いをしていない)
  • レンズを水道水で保存している
  • レンズを消毒していない
  • 消毒液の交換をしていない
  • レンズケースはほとんど洗ったことがない

実際に眼になんらかのトラブルが生じている場合、すみやかに受診し、治療を受けるようにしましょう。また、具体的な症状が出ていない場合でも、自覚される症状が出ていないだけで眼の障害が進行しているケースも考えられます。定期検査を受けて早期発見、早期治療を心がけ、大きなトラブルにつながらないよう予防していきましょう。

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