スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

プール熱(咽頭結膜熱)の原因となるアデノウイルスとは

更新日:2018/06/26 公開日:2017/03/27

プール熱(咽頭結膜熱)の基礎知識

プール熱(咽頭結膜熱)を引き起こす病原体は、50種類以上も型がある「アデノウイルス」です。アデノウイルスがもたらす症状や主な感染経路、どのような検査や治療が行われるのかなどをドクター監修の記事でお伝えします。

あまり聞き馴染のない「アデノウイルス」は、夏期に流行しやすい「プール熱(咽頭結膜熱)」の主な原因です。そのウイルスに感染することで、どのような症状をもたらし、どのように治療するのかを詳しく解説していきます。

アデノウイルスとは

アデノウイルスは、50種類以上の型があるウイルスです。体内に侵入すると咽頭や結膜、小腸で増殖して、さまざまな病変をもたらします。しかも、型が多いため、一度かかったとしても免疫がつきにくく、何度も同じような病気を引き起こすといわれているやっかいな病気のひとつです。

アデノウイルスによる疾患とその症状

アデノウイルスは、たくさんの型があるため、引き起こす症状も多岐にわたります。ここでは、アデノウイルスが起こす代表的な疾患とともに、詳しい症状についてお伝えします。

プール熱(咽頭結膜熱)

アデノウイルスが原因の代表的な疾患のひとつです。感染力が強いため、学校保健安全法で主な症状が出なくなってから2日間は出席禁止と規定されています。

・主となる型:3型、4型、7型

・症状: 39~40度の高熱、咽頭炎、結膜炎症状

流行性角結膜炎

「はやり目」ともいわれています。プール熱と同じく、学校感染症のひとつとされていることから、伝染の可能性がなくなるまで出席禁止と定められています。

・主となる型:8型、19型、37型など

・症状:白目が充血して赤くなる、目やになど

胃腸炎

乳幼児がかかりやすい疾患といわれています。

・主となる型:31型、40型、41型

・症状:腹痛や下痢、嘔吐をともなう胃腸炎

呼吸器感染症

乳幼児がかかりやすく、髄膜炎や脳炎などを併発する可能性があります。また、7型は重症の肺炎を起こす可能性もあり、発熱や咳が長引くことで致命的なことになるケースもあるといわれています。

・主となる型:3型、7型

・症状:発熱、咳など

このように、アデノウイルスはさまざまな型があるため、発症する疾患も症状も複数あるのです。

アデノウイルスの感染経路

感染経路は、大きく分けると3つあります。

飛沫感染

扁桃腺やリンパ節で増殖したアデノウイルスは、感染者の咳やくしゃみによって体液に含まれた状態で体外へ飛散します。それが他の人の手や粘膜などに付着することで感染するのです。これは、感染者がマスクを着用したり、くしゃみをするときはティッシュやタオル、手などで口元を覆ったりすることで、ある程度予防ができるといわれています。

接触感染

感染者に直接触ることで感染するのが接触感染です。感染者に触れることでウイルスが手や指に付着します。その手で自分の皮膚や粘膜などに触れることで感染します。間接的な接触でも起こり得ると考えられているため、接触を完全に防ぐのは難しいといわれています。しかし、せっけんを使ったこまめな手洗いやうがいは、付着したウイルスを洗い流すのに有効とされていますので、これらを習慣化することが大切です。

糞口感染

感染者の排泄物にウイルスが含まれていることがあります。そのため、トイレの後の手洗いが不十分だと手にウイルスが付着したままとなり、その手で目をこすったり、鼻に触れたりしたときにウイルスが体内に侵入します。乳幼児のおむつ交換の際は注意し、せっけんを用いて手をきれいに洗いましょう。

アデノウイルスの潜伏期間

アデノウイルスは、鼻やのどなどの粘膜や眼の結膜から体内に侵入し、感染します。時系列でみると、次のとおりです。

(1)感染

(2)潜伏期間:約5~7日

(3)発症:約3~5日

(4)回復期:発症した日~約14日間

このウイルスは潜伏期間があるため、症状が出る前から接触やものの共用を控えるのが望ましいといわれています。また、回復期になり、症状が治まってきてもウイルスが排出されており、二次感染の可能性があります。咽頭の場合は発症した日から約7~14日、便の場合は約30日排出され続けているといわれているため注意が必要です。回復期であっても、咳やくしゃみの症状があるのであればマスクを着用したり、トイレの後は十分に手洗いをしたりして、他の人にうつさないよう心がけましょう。

アデノウイルスに感染したときの検査・治療

さまざまな症状を引き起こすアデノウイルスは、問診や所見だけでは判断できないケースがあります。そのようなときは、綿棒を使ってのどや目の粘膜を採取して、アデノウイルスがいるかどうかを検査します。検査はさほど時間がかからず、15分から20分ほどでわかるといわれています。

アデノウイルスによる症状と診断されると治療していくことになりますが、ウイルスそのものに有効な薬はなく、症状に合った薬を服用して早期治癒を目指すことになります。処方される主な薬は次のとおりです。

解熱剤、解熱鎮痛剤

高熱が続くときや痛みをともなうときに処方されるケースがほとんどです。

消炎鎮痛剤

のどの痛みや腫れがひどい場合に処方され、症状をやわらげていきます。

抗炎症剤の目薬

目の充血など、炎症がみられるときにそれを抑える目的で処方されることがあります。

整腸剤、吐き気止め

下痢や嘔吐といった症状をともなう疾患の場合に処方され、症状を鎮めていきます。