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扁桃周囲膿瘍とは

更新日:2017/05/25 公開日:2017/04/06

扁桃炎(扁桃腺炎)の基礎知識

急性扁桃腺炎が重症化することで、扁桃腺の周囲に膿が溜まってしまう扁桃周囲膿瘍を引き起こすことがあります。扁桃周囲膿瘍の症状や治療方法、効果的な予防方法を、ドクター監修のもと紹介します。

急性扁桃腺炎を発症したのにもかかわらず、しっかり治療を行わなかったり放置したりすることで、扁桃腺の周囲に膿が溜まってしまう扁桃周囲膿瘍を引き起こす場合があります。膿を排出しないとなかなか完治することがないため、手術や入院を必要とする場合もあるようです。

化膿性扁桃腺炎とは

口を大きく開けたときに、左右の舌の付け根あたりにあるのが扁桃腺です。扁桃腺は、鼻や口から体内に細菌が侵入することを防ぐ役割を果たすリンパ組織です。体中のリンパ組織が不完全である子供は、扁桃腺が大きく、扁桃腺の働きによりウイルスや細菌の侵入を防いでいます。大人になるにつれて体のリンパ組織ができてくると、扁桃腺は萎縮してとても小さくなります。体が健康な状態であれば、細菌やウイルスの侵入を防ぐことができますが、免疫力が低下したりかぜをひいたりすることで、ウイルスや細菌が増殖して扁桃腺に炎症を起こします。これが急性扁桃腺炎です。急性扁桃腺炎は、扁桃腺が赤く腫れてしまうのが特徴です。早めに医療機関を受診して、炎症を起こしている細菌やウイルスを抑制することで、1週間程度で完治することができます。しかし、急性扁桃腺炎の症状を放置したり途中で治療をやめたりすることで、急性扁桃腺炎が悪化してしまいます。その結果、扁桃腺周囲に膿がたまってしまう扁桃周囲膿瘍を引き起こすのです。

扁桃周囲膿瘍の症状

扁桃周囲膿瘍は、急性扁桃腺炎が悪化することで起こります。扁桃周囲膿瘍を引き起こす前に、扁桃腺の周囲が腫れあがる扁桃周囲炎になる場合もあります。扁桃周囲膿瘍を発症すると、扁桃腺の後ろ側や周囲に膿が溜まるようになります。また、扁桃腺の腫れが扁桃腺周囲やのどにまで広がっているケースが多く、激しい痛みや口が開けにくくなるなどの症状をともなう場合もあります。症状が悪化しているためなかなか治りにくく、膿を排出するために入院や手術を行うこともあるようです。扁桃周囲膿瘍がさらに悪化してしまうと、首の奥に膿が溜まってしまう深頸部膿瘍を引き起こすことがあります。さらには、膿が胸のあたりまで降りてきてしまう縦隔膿瘍を発症し、生命にかかわってしまう場合もあります。早めに医療機関で適切な治療を受けるようにしましょう。

扁桃周囲膿瘍の原因

化膿性扁桃腺炎は、急性扁桃腺炎と同様に細菌やウイルスが原因となり発症します。扁桃腺炎を発症させる主な細菌やウイルスには、溶血連鎖球菌やインフルエンザウイルス、黄色ブドウ球菌、EBウイルスなどがあります。過労や寝不足、のどの乾燥やかぜの症状により体の免疫力が低下して、急性扁桃腺炎を発症します。急性扁桃腺炎が悪化すると、扁桃周囲膿瘍を引き起こしてしまいます。

扁桃周囲膿瘍の検査法

扁桃周囲膿瘍は口腔内を観察することで容易に診断がつく疾患ですが、扁桃周囲膿瘍を発症した場合、原因となっているウイルスや細菌は何かを調べる必要があります。検査方法にはさまざまな方法がありますが、腫れている扁桃腺の粘膜や膿を採取して原因となるウイルスや細菌を調べることが多いようです。感染している細菌が溶血連鎖球菌である可能性がある場合は、溶連菌診断キットなどを用いて迅速に診断する場合があります。また、扁桃腺はリンパ組織のため、扁桃腺が腫れることで白血球の数に異常がでる場合が多いです。そのため、血液検査を行い白血球の数を調べる場合もあるようです。

扁桃周囲膿瘍の治療法

高熱やのどの痛み、関節痛などの急性扁桃腺炎と同じような症状には、急性扁桃腺炎と同じ治療を行います。まずは、扁桃腺の炎症を起こしている細菌やウイルスを殺菌するための抗生物質を処方します。細菌による感染の場合は効果的ですが、ウイルスによる場合は効果がないといわれています。そのため、対症療法により治療を行います。熱を下げたり炎症を抑制させたりする解熱剤を処方したり、のどの炎症を抑制する抗炎症剤を処方したりします。扁桃周囲膿瘍により膿ができている場合は、膿を排出しないとなかなか完治しません。そのため、注射器で膿の部分を吸引したり切除して膿を排出したりします。場合によっては、入院による治療を行う場合もあるようです。

扁桃周囲膿瘍の予防法

急性扁桃腺炎が悪化することで発症する扁桃周囲膿瘍を防ぐためには、まずは急性扁桃腺炎にならないように気をつけることが大切です。日常生活では次の3つのことに気をつけるといいでしょう。

かぜを予防する

急性扁桃腺炎は、かぜにより免疫力が低下することで発症しやすくなります。そのため、かぜをひかないように気をつけることは重要となります。細菌やウイルスは、温度と湿度が下がることで活発に活動するといわれています。加湿器や空気清浄機を使い、部屋の中の温度や湿度をコントロールしましょう。また、のどの粘膜にウイルスや細菌が付着している可能性もあるため、外出から帰ったらうがいや手洗いを行うことも大切です。

免疫力を低下させない

体の免疫力が低下することで、細菌やウイルスが増殖しやすくなり、急性扁桃腺炎を引き起こす原因となります。また、急性扁桃腺炎が悪化して化膿性扁桃腺炎を発症させてしまうのも、免疫力の低下が一因だと考えられます。そのため、扁桃周囲膿瘍を防ぐには、免疫力を低下させないことが大切です。普段から、規則正しい生活を心がけて過労や寝不足を避けるようにしましょう。免疫力をつけるためには、バランスのとれた食事も欠かせません。偏食はしないで、1日に3食しっかり食事を摂取するようにしましょう。

のどを乾燥させない

のどを乾燥させることで粘膜のバリア機能が弱くなり、細菌やウイルスが増殖しやすくなります。部屋の中の湿度を保つように心がけて、のどの乾燥を防ぎましょう。空気が乾燥していると感じるときには、マスクを着用するのも効果的です。

急性扁桃腺を発症したら早めに医療機関へ

急性扁桃腺炎を悪化させることが、扁桃周囲膿瘍の発症につながります。急性扁桃腺炎の疑いがある場合は、早めに医療機関を受診してしっかりと完治させることが重要です。

この病気・症状の初診に向いている科 耳鼻咽喉科

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