口唇ヘルペスとひとことでいってもさまざまな症状があります。症状ごとに治療法があるので、適切な処置が必要です。今回は、口唇ヘルペスについて簡単に説明した後、口唇ヘルペスの治療法について紹介していきます。
口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス1型)とは
口唇ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス1型に感染することで発症する感染症です。唇の水ぶくれが主な症状として知られています。一度治っても再発しやすいという特徴があり、特に免疫力が弱っているときは注意が必要です。
口唇ヘルペスの症状
口唇ヘルペスにはさまざまな症状があります。段階ごとに順にみていきましょう。
ピリピリ・チクチクなど違和感がある
口唇ヘルペスの初期は患部に違和感が生じます。人によってぴりぴりする、ちくちくするなど感じ方は異なります。患部がほてったりかゆみをともなうことがあります。
赤く腫れる
違和感があってから半日ほどすると、患部が赤く腫れます。ウイルスの増殖が原因で腫れています。
水疱(水ぶくれ)ができる
1~3日経ってから、赤く腫れたところに水ぶくれが生じます。水ぶくれが破れるとウイルスがまきちらされるため注意が必要です。
かさぶたができる
発症してから10日から2週間経つと、かさぶたができて回復にむかいます。
口唇ヘルペスの診察は皮膚科へ
口唇ヘルペスにかかった場合は、皮膚科や内科を受診しましょう。口唇ヘルペスは発症からの処置が早いほど回復が早い病気です。口唇ヘルペスかなと思ったらすぐに皮膚科を受診しましょう。
口唇ヘルペスの治療法
口唇ヘルペスの治療方法や治療薬は以下になります。
外用薬(塗り薬)
症状が軽く、再発が少ない場合は外用薬で治療し、形状は軟膏かクリームが多いようです。外用薬には、皮膚にあらわれている症状の拡大を防ぐ効果があります。アラセナAやゾビラックスといった抗ウイルス薬が処方されることが多いです。アラセナAはかゆみや赤みといった副作用がでることがありますので気をつけてください。
内服薬(飲み薬)
患部に違和感があってすぐに服用する場合は、内服薬を用います。錠剤か顆粒であることが多く、バルトレックスやゾビラックスが処方されます。皮膚に出ている症状を抑え、神経細胞のウイルスにも働きかけるため回復をはやめることができます。また、再発しづらくする効果もあります。腎機能が低下している場合は服用に注意が必要ですので、医師の指示を守りましょう。
点滴
重症である場合や免疫疾患を抱えている場合に用います。アトピー性皮膚炎やカポジ水痘様発疹症の方にも適用されます。
再発防止のための対策方法
口唇ヘルペスは今のところ完治することはありません。しかし、再発を予防することはできます。
治ったと思ってもウイルスは潜伏している
口唇ヘルペスはかかってから2週間ほどで自然治癒します。しかし、症状がおさまっただけで完治したわけではありません。ヘルペスウイルスは潜伏感染といって、一度、感染すると神経細胞に潜んでしまいます。残念ですが、現代の医療ではヘルペスウイルスの増殖を防ぐことはできても、細胞に潜んでいるウイルス自体を取り除くことはできません。
再発予防のために日常で自己管理を
一度、ヘルペスウイルスに感染すると、免疫システムによって2回目以降の症状が穏やかなものになります。ヘルペスウイルスは免疫力が低下すると増殖しやすくなるため、日ごろの自己管理が大切です。また、症状が出始める前に内服薬を用いることで、水ぶくれなどの症状を抑えることができます。早くに抗ウイルス薬を服用することで、皮膚から神経細胞に戻るウイルスを減らすこともできます。
発症する前に予兆を感じたら
完治はできなくても、治療が早ければ症状は軽くなります。また、再発の可能性も低くなります。病院での治療はウイルスの増殖を抑制することを目的としているため、早く受診すれば回復も早くなります。また、神経細胞に潜伏感染するヘルペスウイルスの数も抑えることができます。自然治癒するからといって放置しておくと、再発しやすくなるため、ヘルペスかもと感じたら病院を受診しましょう。また、放っておくと水ぶくれやかさぶたの跡が残ってしまうときもあります。患部にはさわらずに、医師の診断を受けましょう。
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