ヘルペス用の薬は多くの製薬会社から販売されています。しかし、市販薬を使用するために正しく理解する必要があります。ここでは、市販薬や治療方法、注意点について見てみましょう。
[目次]
ヘルペス(単純ヘルペスウイルス)とは
ヘルペスとは単純ヘルペスウイルスによる性感染症です。口唇ヘルペスと性器ヘルペスの2種類があります。どちらのヘルペスも症状がおさまったあとも、ウイルスが体内に残り続けます。神経細胞に潜伏しているため、潜伏感染と呼ばれます。風邪(かぜ)や生理などをきっかけに年に1、2回再発することがあります。
ピリピリした違和感があるヘルペスの症状
ヘルペスの症状は違和感からはじまります。口元や性器にびりびりとした違和感が生じますが、これは内部でウイルスが増殖しているしるしです。その後、半日以内に患部が赤く腫れ、痛みをともなうこともあります。発症して2、3日後には、水ぶくれがいくつかでき、痛がゆくなります。最後は水ぶくれがかさぶたになっていきます。かさぶたになってからは1~2週間ほどで治ります。
ヘルペスの原因と感染経路
ヘルペスの原因は、単純ヘルペスウイルス1型です。口や性器の粘膜から侵入し感染することでヘルペスを発症し、接触感染でヘルペスウイルスが広がります。そのため、ヘルペスにかかった人と親密な関係の人が同時期に発症しやすくなります。
ヘルペスを治す市販薬の効果
市販薬の効果について見てみましょう。
性器ヘルペスは処方薬で治療を
市販されているヘルペス治療薬には、性器ヘルペス用のものはありません。性器ヘルペスの場合は、病院で処方してもらいましょう。
口唇ヘルペスは軟膏などの塗り薬のみ
市販薬のうちヘルペス治療薬として販売されているのは口唇ヘルペス用の外用薬のみです。
薬剤師とのヒアリングが必要に
過去に口唇ヘルペスにかかったことがある人でないと市販薬を買うことができません。
ヘルペスの市販薬は再発用の治療薬
市販薬は再発した人向けに作られています。ヘルペスかと思ったときにすぐに使うと症状をおさえることができます。初めてかかった人はまず医師の診断を受けましょう。
ヘルペスの病院での治療方法
ヘルペスの治療法の種類や治療内容は以下の通りです。
口唇ヘルペス・性器ヘルペスの検査方法
ヘルペスにかかっているか検査を受けます。口唇ヘルペスの場合は視診と問診で判断します。ウイルスの抗体があるか確認するために血液検査を実施することもあります。一方、性器ヘルペスの場合は粘膜や皮膚を採取して顕微鏡で確認します。性器ヘルペスは他の性病と間違えられやすいからです。
病院の処方薬は飲み薬と塗り薬
抗ヘルペスウイルス薬を処方してもらいます。薬は、軟膏・クリームタイプの塗り薬と、顆粒・錠剤タイプの飲み薬にわかれます。初めてかかった人は症状が強くでるため、飲み薬で対処することが多いです。再発の人は早くに症状に気づければ塗り薬を患部に塗るだけでおさまることもあります。
ヘルペスをうつさないために注意すること
ヘルペスにかかったときに、他の人にうつさないようにする方法を確認しましょう。
手を洗う
患部をさわった手でさまざまなところに触れるとあちこちにヘルペスウイルスが広がってしまいます。患部に薬をぬったときや触れたときは手を石けんで洗いましょう。
キスはしない
ヘルペスウイルスは、口内や性器の粘膜に感染しやすいです。また、唾液や精液にもヘルペスウイルスは含まれます。ヘルペスと診断されたらキスやセックスを避けるようにしましょう。
食器を洗う
唾液にも微量にウイルスが混ざっています。口をつけた箸やスプーン、グラスなどの食器類は洗剤できれいに洗いましょう。
タオルを洗う
顔や身体をふくタオルもヘルペスウイルスが付着している可能性があります。洗剤で洗った後は日光にあてて殺菌しましょう。
マスクなどで対処する
患部に水ぶくれができているときは多くのヘルペスウイルスを保持していることになります。むやみに他人に近づいたり触れたりすると相手にヘルペスウイルスをうつしてしまう可能性があります。口唇ヘルペスの場合はマスクをつけ患部が露出しないようにしましょう。また、新生児は免疫機能が発達していないため、できるだけ近づかないように注意しましょう。
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