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紅皮症でもっとも多い「乾癬性紅皮症」とは

更新日:2017/08/25 公開日:2017/03/31

乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)の主な症状や原因、治療法について見てみましょう。

乾癬性紅皮症とは

乾癬性紅皮症は、乾癬(かんせん)で生じた発疹が全身に現れ、強い赤みをともなうようになる症状です。しばしば、角化した皮膚がはがれて白いうろこ状になったり、はがれ落ちたりする症状もよくみられます。紅皮症は、全身の皮膚のほとんどの部分に潮紅(ちょうこう)と呼ばれる皮膚の赤みと、角化した皮膚が垢のようになってはがれうろこ状になったり、ぽろぽろとはがれ落ちたりすることが続くのが特徴で、多くの場合なんらかの疾患が原因となって発症するとされています。

紅皮症の原因となる可能性が指摘されている疾患には、湿疹やアトピー性皮膚炎、麻疹や風疹などのウイルス性感染症などがあげられますが、乾癬もしばしば、紅皮症を引き起こす原因となることが指摘されています。

乾癬性紅皮症の症状

全身の皮膚のほとんどに炎症による赤みが生じます。多くは、乾癬、特に尋常性乾癬から移行して発症するとされていますが、乾癬の発疹が全身に現れるだけでなく、それに皮がむけて白い垢のようになったものが付着したり、皮膚からはがれおちたりする症状が現れます。全身の赤みにともなって熱感が生じることもあります。

症状が続くと、爪が変形してはがれ落ちたり、髪の毛が抜けたりすることがあるといわれています。また、慢性化してしまうと、皮膚に色素沈着が起こる場合もあります。リンパ節の腫れや脱水、悪寒発熱などの全身症状につながる場合もあるとされています。

乾癬性紅皮症の原因

乾癬性紅皮症は、乾癬の症状が全身におよび、強い炎症をともなうことで生じるものと考えられています。しかし、何が原因となって乾癬から紅皮症に至るのかについては、まだわかっていません。不適切な治療が発症のきっかけとなるのではないかとする説があり、発疹に対して強い治療を継続して行ったり、急に治療を中断したりすると乾癬性紅皮症へ移行しやすくなるともいわれています。

乾癬の症状を悪化させる要因としてアルコールやストレスなどがあげられますが、これらによって紅皮症への移行が助長された可能性も考えられる原因のひとつとしてあげられています。また、体質的な影響を指摘するものもあり、紅皮化しやすい体質をもった人が乾癬を発症したために乾癬性紅皮症の状態が生じやすくなったのではないかとも考えられています。

乾癬性紅皮症の診断

乾癬性紅皮症が疑われる場合、まずは医師の視診や問診が行われます。それによって、紅皮症の原因となっている疾患の特定をはかります。必要がある場合には、血液検査や患部の皮膚を採取して生検が行われる場合もあります。これらによって、乾癬性紅皮症が強く疑われる場合には、入院をしてさらに詳細な検査や治療を行います。

乾癬性紅皮症の治療

紅皮症の治療では、原因となった疾患の治療が第一に行われます。ステロイドや活性型ビタミンD3などの外用薬や、レチノイド、シクロスポリンなどの内服薬による治療のほか、PUVA療法やナローバンドUVB療法などの光線療法が有効とされ、治療に用いられます。

レチノイドやシクロスポリンは、免疫抑制剤として知られている薬です。レチノイドは、角質層が過剰に生成され異常角化を起こすのを防ぐ作用があるとされ、ニキビ治療などでしばしば用いられています。シクロスポリンは、特に日本で近年多く用いられるようになってきた免疫抑制剤です。乾癬が発症する原因はまだ解明されていないものの、特定のリンパ球の関与が影響をおよぼしているのではないかとする説があります。シクロスポリンは、リンパ球の働きを抑制し、症状の改善をはかろうとするものです。

光線療法は、皮膚に紫外線の照射を行うものです。乾癬の治療法としては、特に、ナローバンドUVB療法という方法を用いることが多くなっています。乾癬性紅皮症の治療では、抗ヒスタミン薬やステロイド薬が有効とされ、しばしば外傷薬として処方されます。しかし、乾癬性紅皮症を発症している場合、皮膚のバリア機能が低下し、薬剤がより経皮吸収されやすい状態になっていると考えられます。そのために、薬による副作用も現れやすくなります。なお、症状が重い場合には、ステロイドの内服治療を行うことがあります。

乾癬性紅皮症では、しばしば低タンパク血症や低カルシウム血症、脱水症状などの症状に至る場合もあります。そのような場合には、皮膚だけでなく全身管理が行われます。白い角質をともなった丘疹や、角質のはがれ、そして全身の発赤がみられても、乾癬や乾癬性紅皮症が周りに伝染することはありません。本人や周囲の理解のもと、根気強い治療が求められます。

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