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自然治癒がむずかしい汗孔角化症(かんこうかくかしょう)とは

更新日:2017/08/24 公開日:2017/03/31

汗孔角化症(かんこうかくかしょう)では、もりあがった皮膚の中央に萎縮によるくぼみが生じた、特徴的な発疹が現れます。汗孔角化症の主な症状や治療法について見てみましょう。

汗孔角化症とは

汗孔角化症は、皮膚の角化異常によって生じる疾患のひとつです。皮膚が萎縮(いしゅく)し、患部の周りをふちどるように角質がもりあがって隆起した状態がみられるのが特徴です。四肢の伸側(しんそく:手足の外側の部分)や体幹、顔面に現れることが多いようです。特に、男性に多く発症がみられるとされています。

症状は、はじめに黒褐色の丘疹が生じ、次第に拡大していきます。しかし、かゆみや痛みなどをともなわないため、発症に気づくのが遅れる場合も少なくありません。症状は、慢性的に進行し、自然治癒はまれだといわれています。完治が難しい病気といわれ、病気の進行によっては、皮膚がんが生じる場合もあるため、専門医による治療が必要とされます。

汗孔角化症の症状

汗孔角化症では、円形もしくは楕円(だえん)形の皮疹がみられます。患部の辺縁が堤防のようにもりあがり、中央部は萎縮してわずかに陥没した不規則な隆起局面を形成します。症状の現れ方はさまざまで、いくつかの病型に分類されます。以下が、汗孔角化症の病型と主な特徴です。

日光表在播種(はしゅ)型

汗孔角化症では、もっとも高い頻度でみられる病型だといわれています。30~40代の成人女性に発症することが多いとされ、特に、四肢伸側(しししんそく:手足の外側)など日光の光を浴びることが多い部分に好発するとされます。直径1cm以下の円形の丘疹が多発し、なかには丘疹同士が癒合するものもみられます。

古典(ミベリ)型

成人の発症が多いとされますが、幼少時より出現するといわれています。手や足など四肢の末端や顔面に、1~2cmの丘疹が散在して出現します。

表在播種型

日光表在播種型とほぼ同様の症状がみられます。胴体や陰部など日光を浴びることが少ない部位にも出現します。

掌蹠(しょうせき)播種型

20~30代の成人に多くみられるもので、掌蹠(手のひらや足の裏)に角化した小型の丘疹が多発します。症状は全身に広がる場合があります。

線状型

出生時から幼児期の間に初発がみられるもので、列をなして生じる性質をもった丘疹が出現します。おおよそ、帯状や線状に配列した丘疹がみられます。

限局型

限定した範囲に大型の丘疹を生じます。

汗孔角化症の原因

汗孔角化症は、次のようなものが発症を誘発し、出現するとされています。

  • 紫外線
  • 外傷
  • 加齢
  • X線照射
  • 紫外線照射

また、古典(ミベリ)型の汗孔角化症は、常染色体優位遺伝によるものといわれています。常染色体優位遺伝というのは、父母それぞれよりもらった対になった染色体のうち、いずれか一方に遺伝子変異が含まれていた場合に、なんらかの疾患が発症するという遺伝形式のことです。

遺伝性のパーキンソン病や、網膜芽細胞腫、緑内障などでも、常染色体優位遺伝が発症の原因となる場合があることが知られています。この病名に汗孔とつくのは、以前は汗孔角化症の原因として、汗孔の角化異常が関わっているものと考えられていたからです。しかし、その後の研究によって、汗孔の過角化によって汗孔角化症が起こるのはまれであること、汗孔角化症の原因となる過角化が起こるのは汗孔に限らないことなどが明らかになっています。

汗孔角化症の治療

汗孔角化症は、自然に治癒するのは難しく、また慢性的に進行するため、なかなか治りにくい病気とされます。汗孔角化症の治療は、症状によってさまざまなものが存在しますが、主に行われる治療は、外科的な切除やレチノイドの内服とされています。

外科的な切除は、病変部が限局する場合に行われます。また、切除のほかにも、液体窒素を用いた凍結療法や、削皮術などが行われる場合もあります。レチノイドの内服をはじめ、薬物を用いた治療法は、特に、症状が多発している場合に選択されることが多いようです。

汗孔角化症の治療では、主に次のような外用薬や内服薬が用いられます。

  • サリチル酸ワセリン(外用薬)…角化をやわらげる働きがある
  • 尿素軟膏(外用薬)…角質の水分保持量を高めて保湿する働きがある
  • ビタミンD外用薬…皮膚の代謝を抑制し、免疫の反応を調整する働きがある
  • レチノイド内服薬…ビタミンA誘導体で、皮膚の過剰な増殖を抑制する働きがある

汗孔角化症は、日光の紫外線のほか、X線や紫外線の放射が発症を誘発し、症状を悪化させる原因ともなることが知られています。そのため、日常生活において紫外線対策などをしっかり行いましょう。

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